表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/433

最重量防御ダルマ

 スラーさんにサイクロプスの資料を渡し、僕のボーナスが確定した。

 そして近くに居るお尻に話しかけ、パーティの仲間として迎えることに。

 でも僕は、最重量級の職業を甘く見ていた。

 重すぎて馬車に乗れなかったり、色々大変なのだ。

 時間を掛けて装備を外し、やっと馬車は出発した。

 僕達はまたあの巣穴へ向かっている。

 あのなんたらサイクロプスが死んでいてくれると嬉しいんだけど、じつは生きていた、なんてことも魔物ならありえるだろう。

 だからちょっと緊張して馬車を走らせたのだけど、どうやらまだ凍っているままらしい。

 そう簡単に溶ける氷ではないのだろうか?


「わああああ、おっきいー。……私の体、もつかなー?」


 シャイリーンさんは隙間から見えたサイクロプスの巨大さに驚いている。

 初めて見るなら驚く大きさだろう。


「安心しろ、あれとは戦わない方針だ。お前は俺のそばに居てくれれば……うおおおおおおおお!?」


 馬車は走ったままだというのに、外から殺意のこもったナイフが放たれた。

 フデには思いっきり直撃しているけど、怪我は無いから大丈夫だろう。

 馬車の中だからと油断はできないらしい。


「どどどどどどこだ、どこに居るツキコ!?」


 フデはツキコさんを探しているけど、どこにも見当たらない。

 そんな簡単に見つかるのなら苦労はないだろう。

 もしかしたら寝ているフデの枕元とかに立ってたりして?

 想像したらなんか怖くなってきた……。


「フッヒャー! これじゃあ俺っちでもどうにもなんねぇぜぃ。ある意味天敵ってやつかぁ!?」


 ラックはただの剣だから動けない。


「つ、ツキコ、今のは冗談! ただの冗談だからあああああ!」


 フデは馬車の外に向かって叫んでいる。

 もしかしたら惚気ているだけかもしれない。

 でももう巣穴の前に到着したし。


「まあその辺は帰ってからやってください」


 フデはまだ恐怖し慌てているが、僕は馬車を止めて巣穴に降りる準備を始めた。


「よいしょー」


 シャイリーンさんが馬車から降り、装備品を装着するのだけど、もう一つ問題があることに気付いた。

 この重量だと巣穴を下りる途中でロープが千切れるんじゃないかと思ったのだ。


「やっぱり上で敵を引き寄せた方がいいですね。じゃあこの辺りで陣を張りましょうか」


 僕は穴の下におりることを諦めた。


「そうですねー」


 シャイリーンさんはボーっと空を見ているようだ。

 フデもなんだか忙しそうだし、僕は結界を作ろうと動き始める。

 もしかしたらツキコさんの数値も使えるかも知れないと、大きく巣穴を囲むように結界を作り準備を完了した。


 それが終わった頃にはフデも落ち着いたようで、時々物音にビクっと反応するぐらいになっている。


「じゃあもう始めますよ、二人共準備はいいですよね?」

 

 僕は予備の鉄棒を持ち構えた。


「も、もうちょっと待ってくれ、俺の心の準備が整わない!」


 フデは戦いよりも心配なことがあるようだ。

 しかし待っていても永遠に整わない気がする。


「フッヒャー! 俺っちは何時まで待っても良いんだぜぃ。十年だろうと百年だろうとなぁ。フッフゥ!」


 ラックにとってはその方が良いのだろう。


「それも絶対嫌だ、俺は幸せになりたいんだ!」


 ということでやる気を取り戻したフデはラックを構えている。


「んー、私はねぇ、いつでもいいよー」


 シャイリーンさんはただ立っている。

 まあ動く必要もないし攻撃手段も無いから仕方ない。


「シャイリーンさんは穴に近づかないでくださいね。万が一落ちてしまったら引き上げられませんから」


 僕は注意をし。


「うん、近づかないよー」


 シャイリーンさんは腰を曲げて頷いた。

 だがその行動が悪かったのだろう。

 つま先に体重がかかり、下の地面にヒビが入っている。


 まさかここも巣穴の上なのか!?

 地面が薄くなっていたのかもしれない。


「シャイリーンさん、そこ危ないです! もうちょっとこっちに避難してください!」


「えー、うんー」


 手を掴み引っ張るも一切全然動かない。

 そして。


「んあああぁぁぁぁ……?」


 地面の底が抜けてしまった。


「シャイリーンさあああああああん!」


 僕はパッと手を放し、巻き込まれるのだけは回避した。


「フッヒャー! 盛大に落ちたなぁ、助かんねぇんじゃないのかオイ。お別れに祈っといてやるぜぃ」


「南無……」


 フデとラックはシャイリーンさんのために祈っている。

 しかし穴のすぐ下は丁度坂のようになっていたらしく、シャイリーンさんが転がって行くのが見えていた。

 助かっている可能性も高いだろう。


「シャイリーンさん、生きていますかあああああああ!?」


 僕は声を出して呼びかけるも、向うからの返事は無い。

 転がり過ぎて遠くにいってしまったのか、それとも気を失っているのか、どの道このままにはしておけない。


「……まあ、ここから降りるってことで」


 シャイリーンさんを引き上げられないかもしれないが、僕は進むことを決めた。


「そうだな、みすみすいい女を死なせるわけには……今のは違うからな! 違うぞツキコ!」


 フデはナイフが飛んでこないかを警戒し、その場でグルグルと回っている。

 でも今回は大丈夫だったようだ。


「フヒャヒャー! 急がないと助かるものも助けらんねぇぜぇ。それとも死なせるのかぁ!?」


「行くに決まってるでしょう。今下りられる様にしてるんですよ」


 急かせるラックとフデを背に、馬車からロープと鉄の杭、それと予備の鉄棒を数本持ち出す。 

 道具を使って穴へおりると、転がっていたシャイリーンさんを見つけた。

 魔王の使いもこの辺りには居ないようだ。


「うううぅ、起きられないー」


 そしてどうやらシャイリーンさんは生きているらしい。

 しかし(くぼ)みに足がハマっているようで動けなくなっている。

 二人がかりでも引き抜くのは無理だし、ラックを使って地面を掘り返した。

 三十分がかりでやっと脱出させたのだが、わざわざ町から荷物を持って来た気がしてならない。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)

 リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)

 ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

 フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ