出現したのは一つ目の大巨人
地下に落ちた僕は、魔王の使いが集まるまでに小さな結界を作り出した。
能力を使い、フデの能力を奪い取り、盾として使って魔王の使いと戦い始める。
そして大量の敵を倒し、僕は剣の呪いから解放されたのだが、ラックが不穏な言葉を言っていた。
「俺もやらなきゃいかんのかああああ!?」
フデは頭を抱えているようだ。
まあ、僕にとってはどうでもいいけど、それよりもラックが言ったことが気になった。
確か強敵が出現するとかなんとか……?
「うおッ、なっ、なんだ!?」
「地震ですか!?」
僕達が立っている地面が盛大に振動している。
「オッホゥ、揺れてんなぁ。来やがったぜぃ、来やがったぁ! デス・ギガンテッド・サイクロプスだぁ! ヒャッハァ!」
ラックが魔物の名前を宣言すると、大地に大きなひび割れが奔る。
巣穴あたりからドオオオオと大地が崩れ出し、天を掴むような青い大腕が出現した。
二つの手が大地を掴み、一つ目の巨眼が顔を出す。
「ンンンンンオオオオオオオオオオオオオオ!!」
その眼球がギロっと向きを変え、僕達二人を見下ろした。
『ぎゃああああああああああ!』
とんでもない怪物を見て、僕達は盛大に逃げ惑う。
「オイオイ落ち着けよ相棒と横の奴、俺っちを使えば倒すことだってできんだぜぃ? パシッとやっちまえよ、ウェーイ!」
ラックは楽しそうに催促している。
よく考えてみれば、百体倒して解放されても普通の武器では倒すのが難しい強敵が出現するのだ。
普通の剣では勝てなくて、結局落ちたラックを拾うことになってしまう。
そうなると再契約で再び魔王の使いを百体倒さなければならない。
……もしかして、魔王の使いを倒すということ自体が罠だったのか!?
何て悪質なコンボなんだろうか。
これでは解約するぞ詐欺である。
しかし、今回だけは特殊な状況なのだ。
今僕の手に剣は無く、腰の辺りもスッキリしている。
スッキリ解除されて、契約者はフデ一人なのだ。
「……フデさん、結界の作れない僕にこの相手は無理です! ただ逃げることぐらいしか出来ないでしょう。だから馬車に行ってディザリアさんを呼んで来ます! ちょっと一人で頑張っていてくださあああああい!」
僕は返事を聞かずに走り出した。
「待てこらあああああああ!」
追って来ようとしたフデだが。
「ンアアアアアアア!」
サイクロプスに襲われて逃げられないようだ。
やっぱり契約者を狙うように出来てるんだろうか?
とりあえず僕は馬車に向かい、まずは結界を作ることに専念した。
馬を操り大きな結界を造ると、寝ているディザリアさんに声をかけることに。
「ディザリアさん起きてください、ものすごい大物が出たんですよ! ディザリアさんって!」
とりあえず触れずに声をかけてみたると、ディザリアさんはムクっと起き上がる。
「ふあぁ、なんですか煩いですわね。私は眠いんですけれど」
ディザリアさんは欠伸をしている。
「もう充分すぎるほどに寝てますよね!? 起きてください、強敵が出たんですよ!」
僕は肩をゆさぶり耳元で叫んだ。
「煩いっていってるでしょう!」
「いたあああ!」
頬に強烈なビンタが飛んで来る。
ある意味あの魔物よりたちが悪い。
「何度も言わなくても分かっていますわ。まったく、もう少し優しく起こしてくれればいいというのに」
ディザリアさんは叩き起こされたのが気にくわないらしい。
「もういいですわ、その強敵とやらに怒りをぶつければいいのですからね! さあぶっ倒してあげますわよ、アーッハッハッハ!」
「じゃあついて来てください、こっちです」
僕は痛む頬を押さえながら、結界を作る棒を持ってディザリアさんを案内した。
なるべく急ぎ到着したそこには、フデが必死で戦っている姿が見える。
山のような相手の攻撃は受けとめず、ラックを使って顔や体に攻撃していた。
それでも敵のダメージはあまりなさそうで、穴から出ようとするのだけは必至に阻止し、僕達の来る時間をかせいでいるようだ。
「フデさん、連れて来ましたよ!」
僕はフデに声をかけた。
「おお、よくやった! まさか見捨てられたんじゃないかとちょっと後悔しそうになっていたところだ! 早く参戦し……」
フデは僕達を歓迎しようとしたが。
「へプタゴン・オメガ・ライトニング!」
すでにディザリアさんは超強力な雷の魔法を使っていた。
広域に広がる魔法は、大きな敵の体に無数の雷を落とす。
その大きさが逆に災いして何度も何度も雷が直撃しているから相当にダメージがあるのではないだろうか?
流石はディザリアさんだと安心するのはまだ早い。
「んぎゃああああああああああ!?」
当然フデも巻き込まれてちょっと焦げていた。
僕はディザリアさんの近くなので範囲外である。
予測していてよかったよかった。
「アーッハッハッハ! 私の攻撃は終わっていないわ。オクタゴン・オメガ・ブリザード!」
焦げ付いたサイクロプスとフデの居る付近に、チラリと雪が舞い、段々と強さを増してゆく。
それは吹雪となり、皮膚に触れた場所が氷となって弾けている。
皮膚がはがれ、はがれた皮膚にまた雪が当たって肉が弾けた。
「ささささささささささむううううううう!」
もちろんそれはサイクロプスだけである。
フデは雪が降って来たのをみると一目散に逃げていた。
なんとか範囲外にまで逃げ込み、地面に滑り込んだ。
それでも強烈な冷風がやってきて、僕達の身をすくませた。
「あ、あぶな、危ないなあああ!」
フデはディザリアさんに文句を言って。
「ヨウヨウ、お前等仲間じゃないのかヨウ! むっちゃクチャだぜオウ、フッヒャー!」
ラックは楽しんでいるようだ。
「ペンタゴン・プサイン・サイクロン!」
だがディザリアさん当人は聞いていないようだ。
更に風を吹かせて冷気の力を上げている。
風と雪の力が相乗し、サイクロプスの体がガッチガチに凍り付く。
「どれ程の巨体だろうとも私の敵にはなりませんわ! アーッハッハッハ! それ、もう一発ううううううううう!」
それでもディザリアさんの魔法は止まらない。
土やら水やらを使い続け。
「ふぅ、満足しましたわ。ちょっと休みます」
ディザリアさんが馬車に歩いて行く。
きっと魔力が枯渇したのだろう。
サイクロプスは凍ったまま動かず、死んでるのかも分からないが、わざわざ近づく必要もないだろう。
「よし、今の内に帰りましょう!」
僕は無理せず撤退を決めた。
「そうだな、逃げられるうちに逃げておこう」
フデも同意するが。
「オイオイ、倒さないのかよぅ、倒し解こうぜオイ!」
ラックは倒せと言っている。
「嫌だわ、やってられるかぁ!」
フデに却下されて僕達は馬車に飛び乗った。
そして僕は、忘れず持って来たホワイトボードに敵の姿を写し撮り、これでボーナス確定だと喜んだ。
不幸の代わりに幸運が舞い込んで来るようだ。
僕は心地よく剣の呪いが消えたのを感じていた。
名前 :デス・ギガンテッド・サイクロプス
レベル:56
HP :2000(たぶんこれ以上)
MP :200 (何らかの能力がある気がする)
力 :1000(超えるかも?)
速 :90 (たぶんこんなもん?)
大 :1000(下半身が埋まっているから推測)
危険度:8
技 :巨大な拳。岩投げ。(他にもありそう)
考察 :とんでもなく巨大な青い一つ目の巨人。
力比べはまず無理。
魔王の使いを百体倒すと現れるようだ。
とある剣で倒した時のみ現れるのかは不明。
注意 :個人的に、剣に呪われたなら、まずとなりにある本を読む事を勧める。
ちゃんと隅々まで読むことを勧める。
先走って行動したら確実に不幸になります。
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




