いっぱいいるからザックザク
僕達は夜を徹して魔王の使いを捜している。
何とか八体を見つけて倒すも、残りは六日ぐらいしか残っていない。
百体倒すのはとても無理そうだった。
しかしフデは地面の下の巣を見つけたようだ。
これで助かると思った僕は、ラックを使って穴を掘った。
穴は開いたのだが、地面が崩れて僕とフデは落下してしまう。
そしてどうやら、魔王の使い達は僕達を囲み始めていた。
「結界の内にいる仲間の値を集めよ……アディション・フィールド」
フデから奪うのは体力と防御力、後は魔力だ。
集めた六十の値は全て速度へと回し、魔王の使いが来るのを待った。
十秒もしない内に魔王の使いが集まり、壁に無数の目がついているように見えている。
僕はフデの後方に回り込み、大振りに剣をふった。
力がないからフラッフラだけど、数が多いから適当でも当たってくれる。
大量に飛び交う魔王の使いに閃光が向かい、逃げ遅れた三体を焼き落とした。
しかし焼け石に水とばかりに、別の魔王の使いが空いた穴を塞いでしまう。
「狙わなくていいというのは楽ですけどね。フデさん、操られることだけはしないでくださいね」
僕は能力を教えるようにフデに注意した。
「知ってるわ! だが数が多い、ある程度は自分でなんとかしろよ!? うおおお!?」
フデは魔王の使いにじゃれ付かれている。
魔王の使いと名がつくように、元魔王のフデに懐くものも多いようだ。
まああんな不気味なものに懐かれても嬉しくもなんともないようだが、魔王特有の臭いでもあるんだろうか?
「てええええい!」
僕としては楽になるからどうでもいい話だ。
「オゥイェァ! これぞ剣の戦いだなぁ、右から来るぞ、気をつけろぉ!?」
ラックも大規模戦闘に高揚している。
「普通の剣は閃光なんて出ないですから、全然違うと思いますよ? よっと!」
とりあえずツッコミながら剣をふる。
「細けぇことはいいんだよぉ、ヒャッハァ!」
ラックの剣先から閃光が発射され、焦げた魔王の使いが落下してくる。
落ちたものを数える暇もなく、敵の進行と親交は止まらない。
フデには懐き、僕には襲い掛かって来る。
僕は無茶苦茶にでも剣をふり、少しずつその数を減らしていく。
「よいしょおおお!」
感覚的にはもう五十は倒したかなと感じているが、まだワッサワッサ飛んでいる。
もしかして二百とか三百とか居るかもしれない。
しかし僕の体力はもう限界に近づいている。
攻撃はあんまり来ないのだけど、四十回も五十回も剣をふってるから筋肉が痛くて痛くてしょうがない。
「オウ相棒、限界かぁ? 体力ねぇなぁウッヒャッヒャ!」
ラックも僕の変化に気が付いているらしい。
「ふぃぃ、だから僕は後衛だって言ってるでしょう。こういうのは得意じゃないんですよっと!」
まだ無理をすれば剣はふれるけど、全部倒すまでは持ちこたえられない。
「フデさん、良いことを思いつきました。僕をあの天井の穴に向かって投げてください。そうすれば脱出出来ますから!」
「……それだと俺はどうなるんだ? まさか置き去りにする気なんじゃないだろうなぁッ!」
フデは懐いて来る魔王の使いを投げ、別のやつにぶつけたりしている。
「それは大丈夫です、僕が上に行ったらフデさんも引き寄せられますから」
僕さえ移動してしまえばフデもついて来るのだ。
でも僕を投げ飛ばせるぐらいの力があるんだから、普通に跳躍したら脱出できるんじゃ?
まあ言わなくても良いな。
「そうだったな。よし、やってみるか!」
フデは手足を振り回し魔王の使いを弾き飛ばすと、隙をつき僕の体を持ち上げた。
「地上にフワッと着地できるように投げてくださいよ。着地できなきゃどうにもなりませんからね」
フデには注意を言っておいた。
「そのぐらい容易いことだ! 準備はいいな?」
魔王の使いが迫って来る前に、フデはグッと身を沈ませた。
「はい、何時でもどうぞ!」
僕はラックを前に突きだすと。
「ウヒャッハー! 天井にぶつけられねぇかぁ、オイ!?」
惑わせるような声が聞こえて来る。
でも覚悟を決めているのだ。
「せーのおおおおおおおおおお!」
フデにより穴の上へと放り投げられた。
僕は地上に出てポンと着地したのだけど、踏んだ地面から不穏な音が聞こえて来る。
「ま、不味い、また崩れてしまう! とおおおおおお!」
僕が走りだすと、地面がガラガラと崩れていく。
更に広がった穴からは、フデと魔王の使いが飛び出して来た。
その時、僕はハッと気づいてしまう。
フデに攻撃したら意外と楽に倒せるんじゃないかってことを。
横に到着したフデから一定の距離を離し、僕は剣をふり放った。
「お前ええええええええええええ!? ……?」
別にフデを直接狙った訳ではない。
上に居る魔王の使いを攻撃をしただけだ。
「フデさん、そこを動かないでください!」
僕はフデに声をかける。
「心臓に悪いからビックリさせるなよ! しかし止まったら攻撃が……」
フデは魔王の使いに懐かれているが、半数ぐらいは攻撃を放っている。
「大丈夫です。僕に任せてください!」
ちなみに考えなんて何も無いし、腕が痛いから省エネモードで剣をふりたいだけだ。
「そ、そうか、ライバルよ、俺はお前を信じるぞ!」
フデからは少し恐怖が見える。
「フッヒャー! そう言って攻撃したりしてなぁ。だって何度も攻撃されてるしぃ。大丈夫かそっちの相棒、信じて大丈夫かぁ!?」
ラックはそんなフデを惑わせている。
やっぱりケースに閉じ込められるのが嫌なのだろう。
「お、おお、俺は信じるぞ! やってくれ、ライバルよ!」
フデはその口撃に耐えきったらしい。
「はい、頑張って耐えてください!」
右手を起点にしたり左手に持ち変えたりして、僕は何とか攻撃を続けている。
どうやら地下から出て来た魔王の使いは、真っ先にフデに目が行くようで、僕の方には向かって来ない。
フデに気づかれないように一分ぐらい休んだりしながら攻撃を続け。
「てええええい!」
まだ結構居る魔王の使いを攻撃した。
その時、突如として剣が輝きを放ち、僕の手から飛び上がり空中で回転をしている。
「これはもしかして百体倒したんじゃ?」
僕は空に浮いたラックを見ている。
「おお、そうなのか!? じゃあもう残りは倒しちゃっても良いんだな!?」
フデは防御から攻撃に転じようとしている。
「その通りだぜ相棒ぅ! 魔王の使い百体、コンプリィーット! 短い期間だったが、楽しかったぜぃ。じゃあなぁ!」
そんな中、空中に浮かんだラックから別れの挨拶が……。
「ああそれと、魔王の使いを百体倒すと強力な魔物が現れるけど、まあ頑張ってくれ。健闘を祈るぜベイベー!」
続けられた言葉に。
「「はぁ?」」
僕とフデは首をひねった。
言うだけ言ったラックは高速で移動して行く。
そしてピッタリとフデの腰に収まり。
「オゥ、宜しくなぁ相棒ぅ、一人百体だし、続けてどうぞぉ。フッヒャー!」
楽し気にそんな声を発している。
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




