頑張ってください、僕は上で応援しています!
僕は魔王の使いの資料を思い返し、フデに探知をお願いする。
しかしレアと呼ばれるだけあり、十時間かかってやっと二体を発見した。
これだけ時間が掛かったらもう無理なんじゃないかと諦めが過るが、もう少し頑張ってみることに。
ディザリアさんは疲れたと言って眠ってしまい、僕とフデは二体の魔物へ戦いを挑む。
「おおおおおおおおお!」
フデはラックを振るい、魔王の使いを攻撃している。
僕を肩車した状態で飛んだり跳ねたりしているのだが、中々に攻撃は当らないようだ。
「右から、いや左から後ろに回ってますよ!」
「フヒハァ! 今は上空だぜぇ!」
僕は肩に乗りながら指示を出し、更にラックも同様にしている。
「ちょっと混乱するから黙っててくれ。自分で探知できる! というかこの足が凄い邪魔なんだが!?」
フデが剣を振る度に僕の足に腕が当たり、剣筋がブレてしまっている。
そのためにラックから発せられる衝撃波は、明後日の方向に飛んで行く。
「フッフー、何て下手糞な使い手共だ、今までで出会った奴の中で最底辺だぜぇ。剣の練習からし直した方が良いんじゃないかぁ? フッヒャー!」
「煩いな、俺は魔法の方が得意なんだよ! それに上の荷物が無ければもう少し真面に使えるわ!」
荷物とは僕のことだろうか。
「ああ、後ろから光線が来ますよ、避けてください!」
「ぬああああああ!?」
フデは僕の指摘でサッと身を躱し事なきを得た。
僕としては結構役に立ってると思うけど?
前にフデに貰った指輪があれば楽だったのだけど、あれはスラーさんに献上してしまった。
今回は実力で倒すしかないのである。
いっそ結界の力でも使うべきだろうか?
「とおおおう!」
僕は意を決してフデの肩から飛び降りた。
「ちょっと結界を作りますから、フデさんは頑張っててください」
僕はこの場に鉄棒を設置し、次の場所へ走り出す。
「おい待て、距離を離したら……おわあああああ!」
当然のようにラックが腰に引き寄せられ、ついでにフデもやって来る。
更にその後ろから、魔王の使いも追い駆けて来るようだ。
「フデさん武器です、使ってください!」
僕は腰に装着されたラックを手早く外し、隣に居るフデに放り投げた。
「ウッヒョオオオオオ!」
ラックは声をあげながら飛んで行く。
「って飛ばされたままで受け取れるか!」
しかしどうやら投げ過ぎたようで、フデの横を通過したらしい。
でも戻ってきたラックをパシッと掴み、飛ばされながら魔物とやり合っている。
中々に器用みたいだ。
それを二回三回と続け。
「ふいい、これで二本目」
僕は額の汗を拭う仕草をした。
「ハァハァハァハァ、俺の方が数倍疲れている気がするんだが」
どうやら飛ばされたり襲われたりして、フデには疲れが溜まっているようだ。
しかし後二か所ぐらい頑張ってほしい。
僕はもう一度走り出そうとするが。
「おい待て、出来れば歩いて行け! 俺が疲れる!」
僕は肩を掴まれて止められた。
「わかりました、その代わり防御はお願いしますね」
「ライバルよ、その位なら俺に任せておけ。この程度の相手に元魔王の俺が負けるはずがないだろう!」
確かにフデは元魔王だけど、国に攻撃したあげく落ちぶれた魔王である。
「……魅了とかされないでくださいね?」
僕は一応釘を刺しておいた。
「わかってる!」
残念ながらフデだけだと能力値が足りないから、僕は歩きながら馬車を囲むように結界を作り出した。
まあディザリアさんは寝てるから気付かないだろう。
パンと手を合わせ。
「結界の内にいる仲間の値を集めよ。アディション・フィールド!」
僕は能力を発動させる。
奪うのは魔力と魔力値、そして体力値だ。
三つの値で六十で、二人分だから百二十が結界内に落ちて来る。
八十を速度に、残りの四十は力へと回す。
これで剣を簡単にふれるはずだ。
「フデさん、剣をください!」
「!? よし!」
フデは僕に剣を放り投げ。
「オゥ、そっちの相棒が使うのかよぅ! ぃよろしくなぁ、ヒェァ!」
僕はパシッと受け取り、魔王の使いと対峙した。
「たあああああ!」
フデが一体を押さえている間に、僕はもう一体に斬りかかった。
「ヒャッハー!」
ラックの剣先から光が伸び、その翼にちょっぴり傷がついている。
やっぱり剣の熟練度が足りないようだ。
しかしこの能力には時間制限はない。
一度で駄目でも何度も続ければ!
「よし、当たった!」
といっても直撃はせず、また翼に傷をつけた程度だった。
このまま続けようと剣をふるが、魔王の使いの瞳が怪しく輝く。
僕の目からおかしな情報が流れ込んで来る。
フデが裸で踊っていたり、ディザリアさんが高笑いをあげていたり。
……あっ、大体何時も通りだ。
「おおおおッ、何処を狙ってる、俺を殺す気なのか!」
フデの声から察すると、僕の攻撃は空を切っているようだ。
決して裸のフデがウザかったから攻撃した訳ではない。
幻覚を見せられているからしかたないのだ。
しかし攻撃しなければ相手を倒せない。
とりあえず敵に見える物体に剣をふった。
「だから俺に来るなって!」
「……あれ、違ったかな?」
どうやら視界に見えるフデの位置と、フデ本人とは全く関係ないらしい。
「ハッハァ! これじゃあいくらやっても終わんねぇなぁ。視界が見えないんなら俺っちに任せろや、当てさせてやるぜぃ!」
ラックは僕の目になってくれると言っている。
あんまり信用できないのだけど、無いよりはましだろうか?
「わかりました、お願いします」
僕が了承すると。
「オゥケィ相棒、んじゃ、五秒後に薙ぎ払ちゃえぃ!」
ラックから指示が聞こえる。
「いよし!」
ここにはフデしかいないし、間違った所で特に問題はないだろう。
ということで秒数を数えて剣をふると。
「ギュ……」
確かな手応えを感じ、小さな鳴き声が聞こえて来た。
どうやら本当に当たったみたいだ。
「おお、やるじゃないかライバルよ、あとはたった一体だぞ!」
幻惑をかけた敵を倒したからか、僕の目は元に戻っている。
完璧に見えるようになった僕は、最後の一体を狙って剣をふった。
「おいいいい!」
何故かフデの方に攻撃が行ってしまったようだ。
「あれぇ?」
僕が肉眼で見るより、ラックに聞いた方が当たるんだろうか?
なんか嫌だ。
「イッヤッハァ! 俺っちの言うことを聞いといた方が賢明だぜぃ。ほら、来るぜぃ、六秒後に袈裟斬りだああああ!」
しかし敵を倒せるならそれでもいいかと、言われた通りに剣をふった。
秒数を合わせるように、敵はその場所を通過しようとしている。
ラックは敵の動きを読みきっているのだろう。
攻撃は翼の付け根に命中し、一撃で魔王の使いを倒したようだ。
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




