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時間が、時間がない!

 ディザリアさんを誘って僕とフデは町の外へ出発した。

 フデの探知で魔王の使いを見つけるが、数が相当多いようだ。

 しかし、同行ディザリアさんが魔法をぶっ放し敵を一蹴する。

 これで大量だと思いきや、ラックは剣が触れてないから駄目だと告げた。

 僕達はガックリし、もしかしてディザリアさんって邪魔なだけじゃないのかと気が付いてしまう。

 あらためて説明しよう。

 魔王の使いとは、巨大な目玉にコウモリの翼が生えた魔物である。

 遥か昔に居た魔王に作られ、連絡役として使われていた。

 一時期は言葉もしゃべれたみたいだけど、もう退化して言葉を喋ることも出来ない。

 今は普通の魔物や動物みたいに生活している。


 僕が覚えている資料としては……。


 名前 :魔王の使い

 レベル:27

 HP :180

 MP :390

 力  :62

 速  :130

 大  :80(足から頭までの大きさ)

     (横幅:翼を広げると300)

 危険度:4

 技  :電波光線。誘惑の瞳。幻惑の瞳。

 考察 :個体としての強さは、速度以外に特徴はない。

     しかし空中を飛ぶために近距離攻撃を当てるのは至難の業だ。

     遠くから放たれる特殊能力が厄介。

     魅了や幻覚を見せ同士討ちを誘われる。

     瞳から発射される電波光線は、岩を砕くほどの威力がある。

     近距離攻撃しかないのなら逃げた方が賢明だ。

     遠距離戦を挑むなら、瞳に見つけられる前に攻撃を。



 ということだったはずで、剣で挑めるような相手ではない。

 せめてフデが封印されていないのなら戦いようもあるのだけど、僕が剣をふっても当たってはくれないだろう。

 しかしそんな事より、まずは魔王の使いを見つけなければ話にならない。


「フデさん、引き続き探知をお願いします!」


「おう、任せろ!」


 フデは僕の言葉に頷き、馬車を飛ばし始めた。


「では私は休憩していますわ。見つけたらお知らせを」


 ディザリアさんは魔力の回復の為に座っている。

 だが。


「オゥ姉ちゃん、デッケェオッパイだな、どうやったらそんなになるんだぁ?」


 ラックがちょっかいをかけているようだ。


「物の分際でうるさいですわね、この馬車から放り投げますわよ!」


 ラックは本当に投げ捨てられるが。


「ヒャッハー! 無駄だぜぃ、無駄無駄ぁ!」


 空中に浮かび、僕の腰に戻って、スチャっと装着された。


「おいいいいいい!」


 その瞬間、フデの体が持ち上がり、僕の横へ飛ばされてくる。

 馬車の運転手が消え、馬はひとりでに歩き始めた。


「ちょっと、早く戻ってくださいよ! 放っておいたら不味いですって!」


「分かってるわあああああ! ヌハァ、ハァ、ハァ……」


 フデは運転席に戻り、慌てず手綱を手に持った。


「ディザリアさん、危ないですから二度としないでください! 事故ったらどうするんですか全くもう!」


「確かに事故は怖いわねぇ、でもお馬さんはお利口(りこう)さんのようですわよ。貴方達より頭が良いんではなくって? アーッハッハッハ!」


 馬は暴走することもなく、ゆったりとした速度で歩き続けている。

 かなりの訓練をされているのだろう。


「そうであっても、怖いからやめてください!」


 僕はディザリアさんにお願いした。


「あらあら、仕方ありませんわね、考えておきますわ」


 本当に考えておいてほしい。


「ハッハァ! 怖がりな相棒め、俺っちを見習って堂々としてやがれぃ!」


 ラックは自分が傷一つ付かないからって勝手なことを言っている。

 まあこんな感じで探索は続けられ。


「見つけたぞおおおおおおお!」


 フデが魔王の使いを見つけたようだ。


「まさかあれから十時間もかかるとは思いませんでした。やっぱりレアだというだけはあるようですね。で、何体居るんです? 十体以上は居るんでしょうね?!」


 時間は一週間しかないのだ。

 まだ何にもしていないのに夜が来そうな雰囲気になっている。


「に、二体だけだ……」


 十時間で二体となると、七日徹夜しても無理である。


「それじゃあ全然間に合わないじゃないですか! どうするんですかあああ!?」


 僕は大慌てして悩んでいる。


「いや、魔物の都合なんて俺には知らんし、言われてもどうにもならんぞ。もういっそ臭い汁を塗りたくった方がいいんじゃないか?」


 確かにその方法が確実ではあるけど、出来れば臭くはなりたくない。


「もう少しだけ捜しましょう。まだ一日目ですし、コウモリの羽根がついてるからきっと夜行性なんですよ。どこかに大量に住んでいる巣穴があるかもしれませんし!」


 僕は必死に訴えた。


「ハッハァ、無駄な努力チィース、チィース! サッサと諦めようぜオイ!」


 しかしラックにはあおられ。


「ふわぁ、私は少し眠りますから、大量に見つけたら起こしてください、余すことなく全滅させますから」


 ディザリアさんは眠ってしまった。

 まあ寝ていてくれた方が丁度良いのかもしれないが。


「……まあ、俺もこんな状態からは早く解放されたいからな、もう少し頑張ってみよう」


 僕とフデは、まず見つかった二体の下へ向かって行く。

 数も同等で、実際戦って感触を確かめるのには充分な相手だ。


「フデさん、行きますよ! とおおおおう!」


「おう、俺達の力を見せてやろう!」


 僕はラックを手に持って、フデの肩に飛び乗った。


「いや待て、何故俺の肩に乗る?」


 フデは不思議がっているが、これには理由があるのだ。


「相手は飛ぶんですよ? だったら背が高い方が有利かも知れないでしょう」


 僕はそれを説明した。


「ライバルよ、それはきっと気のせいだと思うぞ?」


 しかしフデには不評のようだ。


「じゃあ逆にしましょうか? フデさんが剣を持って、僕は肩に乗ると」


 だから僕は、別の方法を提示した。


「お前はどうしても上に乗りたいのか!?」


「いやだって変に離れたら僕の横に召喚されるじゃないですか。だったらいっそ一緒に行動したほうが楽じゃないですか」


「……そう、なのか? 分かった、そこまで言うのならやってみよう」


 フデは僕の言葉に納得したようだ。

 しかし実は、座ったままなら楽かもしれないと思っただけなのだが。


「ヒャッハー! 決まったなら早く行こうぜぇ、久しぶりの戦闘だああ! オォウ、イエエエエ!」


 そして僕は楽をして、フデはラックを持って魔王の使いへと走って行った。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)

 リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

 フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)

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