魔王の使いを倒さないと!
ギルドに戻った僕達は、台座に置いてあった本をもう一度調べた。
臭い草を塗り付ける方法とか、崖から飛び降りる方法とかが書いてあるが、僕は魔王の使いという魔物を退治することを選んだ。
ファラさん達に手を貸してもらおうと思たけど断られ、なぜかディザリアさんがパーティーに加わってしまう。
そしてフデとディザリアさんに掴まれた僕は、ギルドの外へ引きずり出された。
「さあ何処へ食べに行く? 私を満足させられる物を出せるのでしょうね? 満足させられないのなら酷い目に遭わせてあげますわよ。アーッハッハッハ!」
ギルドから引きずり出され、僕は相変わらず引きずられている。
「だからデートじゃないって言ってるでしょうが! そもそもフデが居るし、おかしいとは思わないんですか!?」
僕は隣にいるフデのことを指摘する。
ディザリアさんは今気が付いたようにハッと驚き。
「まさか、まさか二人で割り勘で払おうっていうんですか!? 私はそんな安い女じゃないですわ! 馬鹿にしないでください!」
何か知らないけど今度は怒り出した。
「安心しろ、俺はお前になど興味はないわ。今考えているのは一つのことだけだ!」
フデは僕の腕を掴んで引きずり続けている。
「な、なんですって……まさか貴方達そう言う関係なんですか!? ではなぜ私まで誘って……。ハッ、まさか面倒だからと男女共に!?」
ディザリアさんはおかしなことを考えているようだ。
でも断じてフデにそんな感情はない!
「だから魔物を倒しに行くんですって! この剣の呪いを解除したいからそれに力を借りたいんです!」
僕はディザリアさんの前に剣をつき出すと。
「よろしく頼むぜぃ、オッパイ姉ちゃぁん! ユラユラだなぁ、ハッハァ!」
ラックがディザリアさんに挨拶をしている。
「まさか道具を含めて魔物とまで!? なんてケダモノな……この私でも笑えませんわよ!」
しかしディザリアさんは勘違いをしていた。
「あああ何でギルドの人は話を聞いてくれないんだああああ!」
僕はこの世の理不尽に絶望してしまうのだけど。
「おや、ただの冗談ですのに。私は極めて常識的な人間ですわよ。他の人達と一緒にしないでください」
ディザリアさんは僕の腕からパッと手を離した。
本人は真面だと宣言しているけど、町中で広域魔法ぶっ放す人が常識的だとは思わない。
「……冗談だったんですか?」
僕は片腕を離されたから、不安定な状態でフデに引きずられている。
地面に頭をぶつけそうになったけど助かったようだ。
「あら、私があなたとデートすると思っていたんですか? 滑稽ですわねクー・ライズ・ライト、アーッハッハッハ!」
ディザリアさんは高笑いしている。
「おいライバルよ、漫才をしている暇はないぞ。一週間は長いようで短いんだ。探している間に時間が来てしまうぞ!」
「そんな真面なことをフデさんから聞くとは思いませんでした」
僕はフデに引きずられながら何とか体勢を立て直す。
そしてフデの手を振り払い、僕は無事に立ち上がった。
「じゃあとりあえず外に行きましょうか」
「ああ、行くぞライバルよ!」
「ヒャッハー! 出発だああああ!」
僕達は出発しようと宣言するが。
「まさか歩きで行くわけではありませんわよね? 私の体力のなさをお忘れかしら! アーッハッハッハ!」
いや、威張ることじゃないと思う。
確かにディザリアさんは体力がないし、歩いていては何時倒れるのかも分からない。
でも僕達に馬車を借りる金なんてないのである。
「お金がなくて借りられません」
だから正直に打ち明けた。
「当然俺も持っていない! 生活で手一杯だ!」
フデは悲しいことを事も無げに言っている。
「俺っちはただの剣だ、持ってるわけないだろぅ、ハッハァ!」
ラックには期待などしていない。
「ふう、仕方ありませんわね。私が直々に支払ってあげますわよ。さあ貧乏人共、お金の前にひれ伏しなさい、アーッハッハッハ!」
僕とフデは金貨を持つ手で頬を叩かれ。
『へへえええええ!』
当然のようにひれ伏した。
「オォゥ、悲しい性よね。ヒャッハァ!」
「アーッハッハッハ、アーッハッハッハッハッハ! 私の下僕にしてあげてもいいのですわよ! アーッハッハッハ!」
こうして僕とフデは、ディザリアさんの支援で馬車を借り、必要な道具を買いそろえた。
フデが運転をして、僕はお嬢様の肩を揉んだりお茶を出したりしている。
まれに飛び交うお金を拾いながらそこそこ満足していた。
「ライバルよ、魔王の使いを探知したぞ! ここから近い、準備しろ!」
愛用の鉄棒を握り、その時を待ち構える。
「オオィ相棒よぅ、俺っちを使わないのかぃ? キュウ極のチカラがあるんだぜぃ、使っちまいなよ、フッフー!」
フデと僕との間に置いてあるラックが話しかけて来る。
「僕は後衛なんで重い剣なんて持てません。腰にあるだけでも邪魔ですから。ああそうだ、いっそフデさんに着いたらどうです? あっちなら使えるでしょう」
僕は馬車を運転しているフデを指さした。
「おい、俺を巻き込むな!」
そのフデは、文句を言いながらも馬車を運転し続けている。
「オォウ、そりゃ明暗だ。だが優先順位があるんだぜぃ。相棒がサァキィ、アッチの相棒はアトゥ、アンダースタァン!?」
先に契約してしまった僕が先ってことだろう。
文句を言ってもどうにもなりそうもないのだけど。
「なんてこった……」
項垂れてこの不幸を嘆く。
「何を言ってますの? 剣なんて必要ありません、すべて私がチリにしてあげますからね! アーッハッハッハ!」
ディザリアさんは動いている馬車で立ち上がる。
そして運転席に移動し、敵が来るのを待ち構えた。
「よし、肉眼でとらえた、このまま突っ込むぞ! ザコも含めて数は二十だ!」
フデは事も無げに言っているが、二十は相当な数である。
「えぇ、多くないですか!? 一回止まって釣り上げましょうよ!」
僕はちょっとだけ恐怖し、フデを止めようとするが。
「二十程度、この私にはものの数ではありませんわ! さあ行きますわよ! ……オクタゴン・オメガァァァッ・フレイィィム!」
ディザリアさんは敵が見えた瞬間、魔法を解き放った。
正面に見える大地は炎の渦にのみ込まれ、二十の魔物は全て塵と化した。
「アーッハッハッハ、これで全滅ですわああああああ!」
やはり使い方を考えれば頼もしい力を持っている。
「で、結局何体居たんですか?」
僕は思った疑問をフデにぶつけた。
「数えたところ十は居たはずだ。このペースでいけば一日で終わるかもしれないな! 剣の呪いなんて気にする程のものでも無かったようだ、ハッハッハ!」
確かに、他にこんな群れが見つかれば、あとたった九回で終わることが出来る。
でも九回は言い過ぎだ。
たぶん四倍ぐらいだとして、三十六回程度はかかると思う。
僕はそんな風に軽く考えていたのだけど。
「ヘイヘーイ、ちょっくら勘違いしているようだけどよぉ、この方法だと剣が触れないと意味ないんだぜぃ。無駄な努力、ありがチィース! ちゃんと説明を読まないから駄目駄目だなぁ、フッヒャー!」
『ぐはあああああああ!』
ラックから衝撃の事実を告げられて強烈なダメージを受けた。
それが本当だとするなら、隣で笑っているディザリアさんは邪魔にしかならない気がする。
不幸の剣、恐るべし!
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




