魔王様、黒豚と戯れる
僕達はオークに囲まれているコボルトの応援に向かう。
攻撃を仕掛けつつ大半を逃がすのだけど、村長さんとメスコボルトが逃げ遅れていた。
クロが応援に入り、僕達も囲いの中に飛び込み、村長とメスコボルトを囲いの外へ投げ捨てる。
しかし、こっちはこっちでピンチは続き、どうしようかと悩んでいると、フデがこっちに参戦して来た。
僕はチャンスと逃げ出して、フデに大半を押しつける。
こちらに追って来る三体も撃破し、ツキコさんもこちらに来ると、勝負は決した蚊に見えた。
だがそこに、デッカイ黒豚が出現したようだ。
ツキコさんに攻撃されて動けないフデを持ち上げ、僕は盾として使うことを決めたのだった。
「にゅわああああああああああああ!?」
フデは腕を使い、黒豚の大ナタを受け止めた。
やはり盾として使えるらしい。
ただ黒豚の力は強く、このままでは耐えきれそうもない。
だから数字の力を全て力の値に回すことにした。
「ぐにゅにゅ、つ、次も頼みますね」
僕は黒豚の重量に耐えながら、フデに頼み込んだ。
「絶対嫌だわ! ちょっ、うおわああああ!」
フデは嫌がっているようだけど、僕としては手放す訳にはいかないのである。
またも来る攻撃を、フデを使って受け止めた。
「フフフ……そのまま防いどきなさい。炎雷の術ぅぅぅ!」
ツキコさんは見たこともない力を繰り出す。
炎の中に雷が弾けるような、二属性が合わさったものだ。
その術が黒豚にぶつかると、大ナタを持っていたぶっとい腕が燃え焦げて、バチバチと雷の効果が残り続けている。
痺れで大ナタを落とし、地面に突き刺さった。
ダメージとしては弱い部類だが、効果として見れば最上級のものだろう。
武器を無くしてしまえば。
「行くよクロ!」
「ギャワン!」
コーディ君とクロが戦える隙も出てきている。
二人の連携は黒豚に小さな傷をつけるに留まった。
だがそれが何度も繰り返されれば、相手の気をそらすのには充分だ。
黒豚は嫌がり腕をふるが、その一瞬を狙うのがツキコさんである。
「うおおおおおおおお!」
ナタを持っていた利き腕を斬り飛ばし、反転して皮のマントを駆け登る。
そのまま黒豚の首を狙ってカタナを振るった。
だけど鋼鉄でも仕込んでいるのか、ギィンと防がれてしまう。
意外と厄介な豚だ。
「チッ、だったら正面から!」
ツキコさんは正面に回り込むが、その間に大ナタを拾われてしまった。
それを振るわれる前にと。
「おいいいいいいいいいいいいい!」
僕はフデを使って大ナタを押さえつける。
そのままグイグイと力比べをするが。
「もう痛いのは嫌なんじゃあああああ!」
フデはついに大ナタを掴んだようだ。
このまま任せてしまおうか。
「フデさん、痛いのが嫌ならそのまま掴んでおいてください!」
僕はフデを地面に降ろし、手を放した。
尻を痛がって動けないが、力負けはしていないようだ。
その間に僕は拳を握りしめ。
「たああああああああ!」
高くそびえる黒豚のアゴ目掛け、ジャンプしながら拳を打ち上げる。
ゴギィィィっと脳天にまで衝撃を与え、黒豚はよろよろと膝をついた。
その意識もゆらぐ今。
「クロ、とどめを!」
コーディ君は指示を出し、自分も剣を振りかぶる。
「ギャワワン!」
クロはコーディ君とは逆方向に移動し、黒豚に攻撃しようとしている。
「……それは私が貰う!」
当然ツキコさんも動いている。
その三つの攻撃は、黒豚にとどめを与えた。
これでコボルトの村が護られた訳だけど、コーディ君はクロから祭りが始まると聞かされたようだ。
僕達もそれによばれ、今勝利の祭りが行われようとしている。
「ギャワワン!」
「ギャワワン!」
「ギャワワワワ!」
コボルトが焚火を囲み変な踊りを踊っている。
「ギャワワン!」
「ギャワワン!」
「ギャワワワワ!」
戦いに貢献した僕達の前には、前に食べた肉類が並べられた。
「「「…………」」」
だけど、どうもこれ先ほど戦っていたオークと黒豚に酷似していた。
というか焼いた頭蓋とかが並べられているし、同じ物と言っていいだろう。
「ううぅ、尻は痛いがこれは美味いな」
フデは気にせずに食っているけど、僕達としては食べる気がしない。
人型タイプだから、ちょっとした心の抵抗がありまくっている。
意外とコボルトの方がオークを食料にしていたんだったり?
オークはその仕返ししていたのだったり?
……いや、考えるのは止めよう。
ここは何も無かったことにして帰るのが吉だ。
ということで食事には手をつけずに帰り支度をしたのだけど。
「あれ、クロを連れて行かないんですか?」
僕はクロが近くに居ないのを気付いた。
「うん、お母さんと離れるのが嫌だって言ってたし、僕、別の子を捜すよ」
コーディ君はクロを手放すのを決めたらしい。
「あ~、そうなんですね~」
僕は適当に返事をしてその話を切った。
クロが二度と僕達の前に現れないのを祈っておこう。
冒険者に出会わないこともだ。
「じゃあ行きましょうか」
僕は仲間に告げた。
「うん! クロ、バイバイ!」
コーディ君はクロに手をふっている。
「ギャワワン!」
まだつながりがあるクロはそれに答えた。
「……もうちょっと暴れたい……」
ツキコさんはカタナをチャキチャキさせ。
「おい待て、俺を置いて行くな!」
フデは尻を手で押さえて、足をチョコチョコ動かしてついて来ていた。
しかし、この森に案内がいることを僕達はスッカリ忘れていたようだ。
迷った挙句村に逆戻りして、やっぱりクロに案内してもらった。
名前 :コボルト
レベル:8
HP :37
MP :0
力 :41
速 :62
大 :120(以下)
危険度:2
技 :小剣を振る。駆け斬撃。
考察 :子犬のような獣人。
手には小剣を握ることがある。
駆け出し冒険者に挑み掛かり、世の厳しさを教えてくれる。
巣穴に引き込んで罠にかけたりするが、人間を殺すことはまずない。
意外とギルドの役に立つので保護される巣穴もある。
名前 :黒豚の王
レベル:35 (推測)
HP :485(推測)
MP :0 (推測)
力 :220(推測)
速 :55 (推測)
大 :460
危険度:6
技 :大ナタの一撃。大ナタ振り回し。
考察 :顔が豚の亜人の黒豚版。
手には大ナタを持っている。
普通のオークよりも巨大で、横幅のも相当にある。
分厚い脂肪は防御力もあり、皮のマントには鉄を仕込んでいる。
速度は人の大人と同等かそれ以上。
特殊能力を持っていないが、体力値が多い為に持久戦が必要になる。
勝手に王と呼んでいるが、本当にそうなのかは謎である。
ちなみにこの黒豚の資料をスラーさんに提出した結果、証拠がないからと参考資料程度に留められてしまう。
そのためにボーナスを貰うことが出来なかった。
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
クロ (コーディの使い魔)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




