魔王様、戦ってください
スラーさんに報告をして、軽く許可をもらうと、ツキコさんを仲間に加えた。
クロと名付けられたコボルトの案内で、南にある森へ向かうことに。
森の獣道を通り、コボルトの村に到着すると、長老っぽいコボルトと話をしている。
通訳をされてオークを倒すことになり、この村を拠点にすることを決めたのだった。
オークが襲って来る前に、僕は村の中に結界を作り出した。
そして相手の侵入を知らせるようにと、割れやすい小枝を散らばしている。
あとは待つだけだと、ずっと待機しているのだけど。
「……さあクロ、この枝を取って来なさい!」
ツキコさんは落ちていた枝を遠くに投げ、クロを犬扱いしている。
「クロ、頑張って」
多少迷っていたクロも、コーディ君の言葉で走って枝を持って来たりしている。
近くではフデがコボルトを囲み、なにやら講義をしていた。
もちろん操ることも出来ていないし、その言葉も分からないんだろうけど、何故か人気がでているようだ。
訳が分からないけど、これが魔王の力なのかもしれないと微妙に感じていた。
そして僕は、周りのコボルト達から果物や肉のさし入れをもらっている。
何の肉なのかは判断できないが、充分美味いから何の問題もない。
物凄い歓迎っぷりで、何時まででも居たい気さえしてくる。
「ふぅ、お弁当も食べよう」
僕はフデから貰ったお弁当を取り出し、おかずを一つずつ噛みしめて味わい尽くした。
コーディ君様様である。
このままオークが出て来ないでくれと願うが、やっぱりそうはいかないらしい。
パキパキと村の端々に仕掛けてあった小枝を踏み抜くオークの足音。
少なくとも四方向に四体は居そうである。
「……やっと来たのね、フフフ……ぶっころす!」
ツキコさんはオークが出てきている一方向に向かって行く。
「オーク如きが、この魔王に敵うとでも……。ライバルよ、今のは報告しないでくれ。俺は人だ、俺は人だ、俺は人だ、俺は人だ」
フデは魔王として活躍することを恐れているようだ。
「あ~、はいはい。早く行って来てください。活躍しなかったらそのことを報告しますからね」
「ああ、俺に任せろ!」
僕の言葉に乗り、フデは誰も居ない所へ動き出す。
「く、クロ、行くよ」
「ギャワン!」
コーディ君もクロを連れて動き出すが、オークとのレベル差は相当なものだ。
流石に一人だけで任せる訳には行かないだろう。
「コーディ君、僕もそちらに行きます。無理をしないで戦いましょう!」
「う、うん」
僕も同行し、一緒にオークの下へ駆けて行く。
もう一方は村のコボルト達に任せるしかないだろう。
「さて、来ましたよ」
しかし、僕達の下に来たオークは一体だけでは無かった。
ワラワラとわき出る六体のオーク達。
コーディ君を護りながら戦うのは無理だと、能力の使用を決定した。
使うのは。
「結界の内にいる仲間の値を集めよ。……アディション・フィールド!」
僕が選んだのは、長期戦に優位なものである。
使うのは力と魔力で、たった二つだけだが、どうやらクロも仲間にカウントされているようだ。
四人の能力が変換されて、村の中に百六十の数値が落ちた。
そして僕は、百を力に回し、六十を速度へ変換する。
「てええええええええええい!」
村に踏み入れた最初の一体を殴りつけ、後方に居る三体にぶつけてやった。
四体が倒れている内に、
「行くよ、クロ!」
「ギャワン!」
コーディ君はクロを操り、余った二体の内の一体へ向かう。
連携攻撃がオークに直撃するも、相手は倒れる気配がない。
「そーれえええええええ!」
僕は残されたもう一体を殴りつけ、コーディー君が相手をしている奴にぶつけてやった。
しかしどうやら、それだけでは倒せないようだ。
先ほどの三体と、今ぶつけた一体が動き出そうとしている。
まあ殴った奴は動かないようだが。
残り四体。
「コーディ君、その一体に攻撃を。僕は三体の方を相手にします。でも敵が起き上がるようなら逃げてください!」
僕はコーディ君に指示を出す。
「う、うん。やろう、クロ!」
「ギャワワン!」
太った体でノロノロと起き上がろうとしていたオークに、コーディ君とクロが襲い掛かる。
僕は他の三体に向かい。
「キイイイイイイイイイック!」
と、蹴りを放った。
それで一体を倒したのだが。
「うわぁ、来た」
コーディ君の方が少し不利みたいだ。
「てえええええええええい!」
僕は急いで戻り、襲ってきた一体を後ろから叩き伏せる。
「あ、ありがとう」
「お礼は食べ物でいいです! 安くてもいいですけど、出来る限り美味しい物をお願いします! あと油断はしないでくださいよ!」
「う、うん」
頷いているが、今は期待していない。
無事成長したその日には、きちんとおごって貰おう。
「おっと、話している暇はなさそうですね。オークが来ましたよ」
「わ、わかった。クロ!」
「ギャワン!」
オークの二体が襲い掛かって来る。
僕は一体を相手にし、コーディ君が残りの一体を引き受けている。
「とりゃああああああああ!」
一気に叩きのめして、コーディ君が相手している最後の一体の下へ向かった。
「クロ!」
「ギャワワン!」
コーディ君は、オークの攻撃を避け、背後からはクロが攻撃を仕掛けている。
随分戦いにも慣れてきているようだ。
僕が力を奪ってしまったからダメージとしてはあまりないが、連携としては相当なものだろう。
このまま見守っていてもいいんだけど、他の場所は?
「フフ……死ねええええええ!」
ツキコさんの方は問題がなさそうで、術と言われる力を振るい、大群を相手している。
で、フデの方は……。
「その程度の攻撃、俺に効くはずがないだろう! どれ程の攻撃であっても……あいたッ、後頭部はやめろ! ちょっ、待て、囲むんじゃない! 痛、痛いって! あああああ、うっとうしい!」
流石に元魔王らしく、頑丈さは相当にあるようだ。
囲んでいたオークを吹き飛ばし、攻撃するとまた囲まれて吹き飛ばすを繰り返している。
あそこはまあどうでもいいだろう。
そしてもう一方の村人が護っている場所だが、どうやら瓦解し始めているようだ。
あそこばかりは、そう時間は残されていないらしい。
だから僕は急ぎ倒すことを決め。
「コーディ君、あの場所に向かいますよ。何度も言いますけど、無理はしないでくださいね」
「う、うん」
僕達は村人が戦っている場所を指さし、コーディ君とクロを連れて、一緒に向かって行った。
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




