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魔王様と魔物助け

 僕達は魔物使いのテストに町の外へやって来ていた。

 まず結界を作って準備を終えると、コーディ君はスライムを操ろうとするのだけど、逆におそいかかれれてしまう。

 フデが言うには多少の知能がないと無理ということで、コボルトを選んだ。

 しかし探し出したコボルトは、オークに追いかけられている。

 オークの方はフデに任せ、コーディ君はコボルトを操ることに成功した。

 でもなんか頼まれごとをしたようで、襲われていたコボルトの村を助けることになってしまった。

 フデには追跡装置も付けられているから、勝手に遠出することは出来ない。

 だからスラーさんを説得に行ったのだけど。


「ふむ、まあいいんじゃないですか? 今回はテストですからね。悪い悪くないは、終わってから判断しましょう」


 どう説得したものかと悩んでいたけど、スラーさんは案外簡単に受け入れてくれたようだ。


「あ、ありがとう、スラーさん!」


 コーディ君がコボルトの子と一緒に頭を下げている。

 ちなみに名前はコギーに決定した。


「ということで誰か人員を出してくれませんか? この二人だけだとすっごく心配なんで」


 戦力を出してくれるようにお願いしてみた。


「ライバルよ、俺の力を見くびるなよ? オーク程度今の状態でも何の問題もない!」


 しかし元魔王のフデは、自分の力に自信があるようだ。


「フデ君、それはつまり、まだ封印が足りなかったということでしょうか? もう少し厳重に、アリさえ踏めない体にした方が……」


 それはスラーさんに突っ込まれ。


「マスター、俺は全然弱いです! オークにもちゃんと負けますから、だから封印をしないでください!」


 フデは必死に言い訳をしている。


「ハッハッハ、安心してください、ただの冗談ですよ。あ~、でも今日余っている人員と言えば……」


 スラーさんはギルド内を見回し。


「じゃあ外で草むしりをしているディ……」


「ディザリアさん以外でお願いします!」


 いきなりババを引かされるような答えに、僕は速攻で断った。


「ふむ、とはいえ、今は全員出払っていますからねぇ。近場に居るのは確か……ツキコ君が買い出しに行っていたはずです。待っていれば戻って来るのではないですかね?」


「あれ、デッドロックさんは居ないんですか?」


 僕は気になって聞いてみるも。


「なんでもミトラの町に行きたいそうで、今日はお休みになっていますよ」


 たぶんディーラさんに会いに行ったんだろう。

 ツキコさんの心境が気になるが、居ないよりはマシなはずだ。


「そうですか、じゃあここで待たせてもらいますね」


 ツキコさんが帰って来るのを待ち、コギーと遊んでいる。

 一応魔物なのだけど、コーディ君に従順にしている姿はただの子犬みたいなものだ。

 何時の間にか集まって来ていた受付の女性達にお腹を撫でられたりして『可愛い』なんて言われている。


 コギーも、満更でもない雰囲気だ。

 でも良いのかそれで?

 ここは君達を退治するギルドだぞ?


「……ただいま」


 そうこうしている間に、ツキコさんはギルドに戻って来たようだ。


「あ、おかえりなさい、待っていたんですよ」


 僕はツキコさんに声をかけたのだけど。


「? ……何しているの?」


 なでられているコギーを見て、ためらいもなく腰のカタナを引き抜いた。

 あんなに無害そうに振舞っているのに、確実にやる気だ。

 デッドロックさんへの怒りをぶつけたいのだろう。


「ちょっ、ちょっと待ってくださいツキコさん! その子は今の所は無害です! ちょっと新職業のテストしているんで、倒したら駄目ですよ!」


 僕は必死に説得をする。


「……あっそう」


 納得してくれたようだ。

 カタナを収めてくれた。

 僕はホッと胸を撫で下ろし。


「あのツキコさん、僕と付き合ってくれませんか?」


 仕事に同行するように説得してみたのだが。


「……私の趣味じゃないわ。諦めてファラとでもデートしていたら?」


 なんか僕は振られてしまったみたいだ。

 言葉が足りなかったらしい。


「いやそうじゃなくて、戦力が足りないから僕の仕事に同行してください。このコギー君の村が危ないらしいんですよ!」


 僕は未だに撫で続けられているコギー君を指さした。


「……それは良いことよね?」


 魔物を退治することに一片の迷いもないツキコさんである。

 まあ魔物を庇うような人ならこんな仕事はしていないだろう。


「いやそうなんですけど、スラーさんには許可をとってあるのでお願いします」


「……じゃあ、私からもお願いがあるわ。あれはコギーじゃなくてクロと呼びなさい」


 可愛がられているコギーは、ツキコさんによりクロとして命名された。

 そしてクロの首に赤い布を巻きつけ、首輪のようにしている。

 さっきまで殺す気だったのに、意外と気に入っているのだろうか?

 ちなみに、黒い毛は一切ない。


「えっと、じゃあクロでいいかな?」


 コーディ君がコギーを説得し。


「ギャワン!」


「なんか良いみたいだよ?」


 簡単に受け入れてくれたのでツキコさんも同行してくれることになった。

 そして準備をした僕達は、クロの案内で南にある森の街道へと連れて行かれる。

 道も何も無い森の中へ入って行くのだけど、コボルトの大きさで進める道に入って行くから、僕とフデにとってはすごく障害物が多いのである。


「ぐはぁ! あ、頭が!」


 枝に頭をぶつけたり。


「ライバルよ、ちゃんと周りを見ないからそういう、ぐはぁあああ!」


 フデも同様に別の枝に頭をぶつけて痛がっている。


「だ、だいじょうぶ?」


「コーディ、気にしないで置いて行きましょう。魔王と荷物は滅べばいいのよ」


 ツキコさんは気にしてもくれない。

 コーディ君とクロの頭を撫でながら先に進んで行く。


「待ってえええええええ!」


「ちょっと待て、俺を置いて行くなあああ!」


 本当に置いて行かれないように、身を低くして追い駆ける。

 森の中に入ってずいぶん経つが、危険な獣や魔物は一向に出て来ない。

 先頭を進むクロは、それなりの道を熟知しているのだろう。


「ギャワワン!」


「あっ、着いたみたいだよ」


 コーディ君はクロの声を聞き、ここが村であると告げている。

 よく見ると、枯れ枝を重ねて作った犬小屋のような住居があった。

 コボルト達が警戒して顔を出しているが、今の所襲って来る気配はなさそうだ。

 やはりクロが仲間になっているからだろうか?


 その中から、一体の老コボルトが僕達の前に現れた。

 雰囲気からすると長老か何かだろう。


「ギャワワワン」


 その長老がクロに声をかけ。


「ギャワワワン!」


 何かしらの会話をしているようだけど、全く何を言ってるのか分からないから。


「コーディ君、何を言ってるのかわかりますか?」


 魔物使いであるコーディ君に聞いてみたのだけど。


「僕クロの言葉しかわかんない。でも僕達のことを話してるみたいだよ」


 コーディ君は、操っているクロの言葉しか分からないようだ。

 クロが通訳して、それをコーディ君が僕達に伝えることになってしまう。

 手間がかかりすぎるし、コーディ君が言葉を理解していないとおかしな事になってしまいそうだ。


「ギャワワン! ギャワワワワン!」


「うん、わかった」


 何度もやり取りを続け、やっと理解できたらしい。


「えっとね、近くに出来たオークの集落におそわれているんだって。倒して来てほしいって言ってるよ」


 つまり魔物の縄張り争いなのだろう。

 僕達人間が関わってしまえば絶対オークに恨まれる。

 オークによる人への襲撃が多くなるかもしれない。

 まあそうなったらギルドが対応するだろう。


「……ああ、オークを全滅させればいいのよね? フフ、私の気晴らし、付き合ってもらうわよ……」


 ツキコさんは、フデなんかよりよっぽど邪悪なオーラを纏い、カタナをチャキチャキさせている。

 やる気充分だ。


「おいライバルよ、あの姉ちゃんなんか怖いんだけど」


 そのオーラにフデも恐れをなしている。


「からかったりすると本当にやられますから注意してください。命が惜しくないなら止めませんけど」


 一応フデに警告しておこう。


「充分注意しよう。でもお前の仲間ってそんなのばっかだな……」


「言わないでください、僕だって気にしているんですから」


 ギルドの中では、僕のような真面な人が少ないのだ。

 ファラさんもギリギリ向う側だろう。


「じゃあとりあえず村の中で待ってみましょうか。フデもあんまり役にたちそうにないですし」


 僕はここを拠点にすることを提案した。


「……まあいいんじゃないの?」


「は、はい」


 ツキコさんとコーディ君も頷いたが。


「さっきオークを倒したのを見ていなかったのか? 俺は充分に役に立つぞ。だからマスターに報告する時は……」


 フデだけは文句を言って来ている。


「ああはいはい、何度も言わなくてもいいですよ。ちゃんと無駄な人員でしたって言っときますから」


「おい、それは駄目だ! 絶対やめろ! あとでマスターに何をされるか……うぅ、頭が……」


 フデの身に何があったのだろうか?

 ちょっと気になるけど、怖いから聞かないでおこう。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)

 リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

 フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)

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