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魔王様との同行

 日が経ち、僕はスラーさんにお金を返した。

 それでもやって来る貧乏生活に、野草をモシャモシャとほお張る僕。

 今日も仕事だとギルドに行くが、スラーさんに厄介事を押し付けられてしまった。

 紹介されたコーディ君と、落ちぶれ魔王もフデと一緒に、新たに作られるかもしれない獣使いのテストに向かう。

 で、安全な町の入り口に移動した僕達は、まず結界を設置して中に魔物を呼び込むのを決めた。

 そして始めた獣使いのテストだけど。


「あっ、居ましたよ。あのスライムなら手ごろなんじゃないですか?」


 僕は草陰に隠れていた魔物を指さす。


「ぼ、僕がんばる」


 コーディ君はパタパタ走り、スライムに近づいて行く。

 装着している指輪を向けると、魔力の糸が伸び始めた。

 無事にスライムに繋がるが、パンと弾けて消えていく。

 どうも成功した様には見えないんだけど?


「うわああ!」


 やっぱり失敗していたようで、コーディ君はスライムに襲われて倒れてしまった。

 まだ魔物使いに成りたてだし、レベルが足りないんだろうか?

 おっと、早く倒してやらなければ。


「てえええい!」


 僕は予備の鉄棒を取り出し、思い切って殴り掛かった。

 スライムはパンと弾けたのだけど。


「ライバルよ、スライムなんて知能がないから操れるわけがないだろう。あの指輪は魔物との絆を結んで操るんだからな」


 フデは操れないことを知っていたらしい。


「知ってるんなら早く教えてください。コーディ君が怪我したらどうするんですか! あとライバルというのもやめてください」


「何事も経験だ。傷を負って体で覚えなければ成長はないぞ」


 フデは真面なことを言っているのだが、相手は十歳の子供である。

 あまり酷い扱いはできない。


「コーディ君、大丈夫ですか?」


「う、うん」


 僕はコーディ君に手を貸し起き上がらせた。


「とにかく、もう少し知能があって弱そうな奴を見つけないとですね。僕がコボルトでも連れて来ましょうか?」


「少し待て、今俺が居場所を探ってやろう。操ることは出来ないが、そのぐらいなら容易いことだ」


 フデは自分が見つけると息巻いている。

 探す手間もはぶけるからと待っていると。


「あっちだ、あっちに居るぞ!」


 フデが指さした方向には特に何も見当たら……あっ、見つけた。

 小さなコボルトの姿が見えて、その後ろからはオークが棍棒を振り上げている。

 追われているみたいだ。


 それを見てコーディ君は声を無くしている。

 でもたかだかオークの一体なら、別に問題はないだろう。


「じゃあ僕がコボルトを引き受けますから、フデさんはオークを倒してきてください」


 僕はフデにお願いするが。


「ライバルよ、俺を呼ぶ時はジョージと呼んでくれ。それに俺は今無力だ」


 まだどうでもいい事を言っているようだ


「そんな事はどうでもいいですから、早くやってください。能力を封印されてもオークぐらい倒せるでしょう」


 僕はフデに頼み込んだ。


「くっ、マスターに報告されてはかなわんからな。いいだろう。引き受けよう。だから俺が従順だったと伝えてくれよ?」


「あ~、はいはい」


 僕達はコボルトを待ち、フデはオークに突っ込んで行く。

 その間にコーディ君は指輪を使い、コボルトと魔力の糸がつながって赤く輝いた。

 警戒を解いたコボルトが、コーディ君の前で立ち止まり指示を待っているように見える。

 たぶん成功したんじゃないかな?


「んと、どうすればいいの?」


 コーディ君は、どうも扱い方がわからないようだ。

 一応ミアさんを操った事があるけど、確かあの時は。


「声をかけてあげればどうでしょう」


 そう教えてあげた。


「えっと、よろしくね。僕コーディだよ」


 コーディ君は握手を求め、コボルトも頷いて手を伸ばした。

 これで成功した訳だけど、戦いも見といた方がいいだろう。


「ほら、倒して来てやったぞ。俺は役に立つと報告しといてくれ!」


 その間にもフデが帰ってきてしまった。

 いっそフデをターゲットにして?

 ……面倒になりそうだからやめておこう。


「伝えておきますからちょっと静かにしといてください」


 僕は唇に指をあてる。


「僕はコーディだよ。君は?」


「ギャワワン!」


 コーディ君はコボルトと楽し気に話をしているようだ。

 もちろん僕にその言葉は分からないのだけど、これは少し問題がある気がする。

 あんまり感情移入したら魔物を倒せなくなるんじゃないかな?

 これは報告したほうがいいだろう。


「うん、聞いてみるね」


 コボルトとの会話が終わり、コーディ君は僕を見上げて何か言いたそうにしている。


「あ、あのね、うんと……」


 コーディ君は、頭の中で言いたい事を整理しているのだろう。

 僕は身をかがめて目線を合わせた。

 そのままゆっくり待っていると。


「えっとね、この子の村がオークに襲われているの。助けに行っていい?」


 少しではなく、大問題だったようだ。

 相手の頼みを聞いていては魔物使いでなくて魔物使われだ。

 流石に魔物を助けることはできないと断ろうとするが。


「ライバルよ、子供の願いを断らないよな? そんな可哀想なことはしないよな?」


 フデの言うように、純粋な子供の願いというのは断り辛いものがある。


「駄目です。そんなことをしたって良い事にはなりませんよ」


 でも僕は断った。


「ええええ!?」


「ギャワワワワン!」


「ライバルよ、お前は鬼か何かなのか!?」


 三人とも驚いている。

 しかし僕にとって、そんなリスクを冒す必要はないのである。

 この仕事さえ終わらせられれば、通常生活に帰還できるのだ。

 しかしそんな僕を心変わりさせるようにフデが動いた。


「ライバルよ、一つだけ勘違いしていることを教えてやろう。ちゃんと給金が発生するようになっても直ぐに貰えるわけではないのだ! 給料日が来るまでは同じ生活を繰り返さなければならないのだよ!」


「ぐはああああああああああ!」


 致命的なダメージだ。

 だがそれはそれでこの事とは関係はない。

 足を踏ん張って思い留まるのだが。


「だが安心しろ。絶えず栄養が足りないお前に、俺の弁当をわけてやってもいいんだぞ?」


 フデは持って来ていたお弁当の箱をチラチラと見せびらかしてきた。

 ギルドのお弁当はとても美味しいのだ。

 僕の口からはヨダレが垂れて、気が付いた時には、お弁当の蓋を開けてつまみ食いをしていた。


「食っておいて断りはしないよな? それとも、それ以上食うのをやめるか?」


「僕がお弁当なんかで買収されると思っているんですか!」


 カラっとあがったコロッケを手で掴み、口元へ運んでいく。

 シャキッとしたキャベツを貪り、胸やけを防ぎつつ二口目を口にほお張る。


「そんなの買収されるに決まってるでしょうが!」


 そして僕は受け入れた。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)

 リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

 フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)

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