表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/433

魔王様服役中

 フデを捕縛した僕達は、村長の前に転がしている。

 一応ギルドで捕まえるからと、黒い大量に積み上げられた人達に罪をなすりつけた。

 そしてローザリアに帰還した僕達は、スラーさんの前に罪人三人を転がしている。

 人に罪をなすりつけて言い訳をして逃れようとするが、三人共に罰が与えられることになった。

 その話しが終わり、僕は仕事にもどろうとしたのだけど、馬車を壊した事を言われてしまう。

 そして僕とグリアさんに罰が与えられてしまうのだった。

 結構な日が経ち、スラーさんにお金を返したけど、僕の生活は一向に改善していかない。

 どうやらまたもタダ働きをさせられるようだ。

 でも四ヶ月も続けた僕にとっては慣れたものである。


「おっ、これは食えますね」


 僕は生えている野草をもぎ取り、そのままモシャモシャと咀嚼した。

 すでに食べられる野草の判別はバッチリできるのである。


「ふぅ、美味しい食事が懐かしいな……ああ……仕事行こ」


 目の端に涙を溜めて、元気を出しながらギルドに向かって行く。

 花壇の草を毟ったりしているディザリアさんを見かけたりして中に入り、何時も通りの仕事が始まる……のではないようだ。


 スラーさんの前に、黒い布で封印されたフデの姿がある。

 まあ手足も自由に動くし、不便なことはないはずだ。

 しかしフデがこの場に居るということは、何かしらあるのだろう。

 僕はなるべく関わらないように、ファラさん達の下へ行こうとするのだけど。


「ああ、ライズ・ライト君、こっちへ来てください」


 スラーさんが僕を呼んできた。

 どうやら僕にお鉢が回ってきたらしい。

 諦めて向かって行くが、出来れば断わりたいところだ。

 だから。


「断ってもいいですか?」


 真っ先にそう言ってみた。


「ハッハッハ、面白い冗談ですね。では話を始めましょうか」


 スラーさんは全然聞いてくれそうもない。

 まあ断れないから、僕は大人しく耳を傾けてみた。


「今日はこのフデ君の――」


「ジョージ、またはウミノメと呼んでくださいマスター!」


 フデは犬のようにスラーさんに従っている。

 多少でも減刑したいのかもしれないが、もう魔王の面影はどこにも見当たらない。


「……ライズ・ライト君、今回彼の技術を使って、一つ実験をしようという企画が上がったので、是非君に手伝ってもらおうと声をかけたのですよ。もちろん受けてくださいますよね?」


「へ~、どうせ断れないんですよね~?」


「ふむ、そんなにやりたくないというのなら、別の人にお願いしましょうか。……残念ですねぇ、折角給料が払われるようにしてあげようと思ったのですが……」


「やりまああす!」


 僕は足の親指立ちで手をピンと挙げ、それに答えた。


「ありがとうございます。では彼を紹介いたしましょうか」


 フデなら別に紹介しなくてもと思ったけど、どうやら別の人物だったようだ。

 スラーさんの椅子の影に、スッポリ隠れていた子供の姿が現れた。


「お、おはようございます」


 挨拶をして来たのは、茶色というよりは赤毛に近い髪色をした、十歳ぐらいの男の子……かな?


「あ、おはようございます。え~っと、スラーさんのお子さんですか?」


 一応その可能性を聞いてみたのだけど。


「ハッハッハ、違いますよ。この子は君の後輩になるコーディ・フル・フラグメント君ですよ。ちなみに男の子です」


「よ、よろしくお願いします。コーディです」


 コーディ君は、頭を下げて両腕を翼のように上げている。

 礼儀正しくて可愛らしいお子様だ。

 たぶん孤児院からギルドに引き取られて、ギルド職員にさせられたのだろう。

 でも強制ではないし、戻りたいなら孤児院にも戻ることが出来る。

 こういう子は結構居るのだ。


 一応僕も、父さんが行方不明だからそんな感じである。

 後輩なら可愛がらないといけないだろう。


「それでですね。このフデ君の――」


「ジョージでございますマスター!」


 スラーさんの言葉に即座に突っ込みを入れて来るフデ。


「……確定ではないのですが、彼の能力を使って一つ職業を作ろうということになりましてね。フラグメント君がそのテストに手伝ってくれるというのですよ」


 でもスラーさんは断固として言わないようだ。


「フデの能力って、アイテム使いとかそんな感じですか?」


 装備品を身に着ければ使えない魔法まで使えちゃう優れ物で、冒険者の役には立つ。

 しかし誰にでも使えちゃうから危険物でもある。


「いえ、そうではなくて、魔物使いという職業ですよ。ライズ・ライト君が貰ったものと同じように、特別に一体だけを操れる仕様になっています」


「でも大丈夫なんですか? 万が一その指輪を奪われたら大変でしょう。おかしな人達に狙われないとも限りませんし」


 僕は思った疑問を口に出してみるのだが。


「もちろんその辺りの対策は検証済みです。つけた者の生命活動が停止したり、指が切断されれば指輪は消滅するように作られています。万が一悪人に手を貸すようであれば、こちら側から能力を消すこともできますからご安心を」


 スラーさん……というよりはギルド上層部がえぐい想定をしているようだ。

 指輪の力が突然切れれば、操られていた魔物は魔物使いを襲うだろう。

 魔物を失った魔物使いがどうなるかといえば……まあ碌なことにはならないはずだ。


「今回は俺も同行するから何の問題もない。マスター、安心して待っていてください!」


 忠実な家臣のように膝をつくフデ。

 すっごい脅され方をしたりして調教でもされていたのだろうか?

 僕にとってはフデなんかよりスラーさんの方が圧倒的魔王感があるのだけど。


「それではフラグメント君のテストに同行して結果を報告してください。二人のことを頼みますねライズ・ライト君」


 でも、チームじゃなくて僕一人で呼び出されたということは。


「あのもしかして、僕一人でですか?」


「頑張ってくださいライズ・ライト君」


 どうやらそうらしい。


「俺を打ち破ったライバルよ、力を合わせて頑張ろう」


 ライバルになった覚えはないけど。


「よ、よろしくお願いします」


 小さなコーディ君は頭をさげた。

 封印を受けた魔王と、魔物使い成りたてをパーティに加え、町の外へ移動して行く。

 不安も大きいけど、町の近くなら大丈夫かなぁ?

 クー・ライズ・ライト (僕)

 グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)

 リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

 フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ