魔王様大爆散
フェイさんに見つかって襲い掛かられた僕。
像の上から通路にまで逃げたのだが、やっぱり追いつかれてしまった。
結界も無く、攻撃を避け続けるだけの僕に、ミアさんの応援が来る。
指輪を使って攻撃を頼むが、武器の装着に手間取った。
あんまり状況が変わらず、攻撃を避けきれなくなった僕は雷の魔法を食らってしまう。
そこにファラさんが現れ、フェイさんの鎧を叩き斬った。
飛べなくなったフェイさんにファラさんの言葉が刺さり、三年越しの和解が成立した。
キッチリ倒したフェイさんを縛りあげ、グリアさんの落ちた下の方を見るのだが。
「うおお、魔王様あああああ! 我に娘の彼氏を倒す力を与えてくださいませえええええ!」
「ふざけるな! 俺の方が先に手を掴んだんだ。先に貰うのは俺の方だ!」
「馬鹿野郎、家の娘は今日にもヤバイんだ! 貰うなら俺が先だあ!」
やっぱりこんな変な教団に入っているような人達だから自分の娘のことになると人が変わってしまうようだ。
まだ気絶しているフデはもみくちゃにされながら髪の毛やら腕やらを引っ張られ、服とかをはぎ取られてしまっている。
見る間にスッポンポンになり果て、ボロ雑巾のようになってしまった。
「我が君、もう少しで着くから、そこで待っていてくれ!」
そしてグリアさんだが、魔王像をよじ登って腰のあたりまで来ている。
待っていればその内ここまで来るだろう。
まあそれは良いとして、フデを置いて帰るのは問題がある。
やはり回収してからギルドに戻らなければならない。
「いちいちこんな二人を運べないし、まずは道を見つけましょうか」
ファラさんが言っているこんな二人とは、フェイさんとディザリアさんのことである。
今は縛られて大人しくしているが、こんな二人を持ち運んでいたらどれだけ体力があっても足りないだろう。
かと言って、今ディザリアさんを自由にさせたら大惨事になってしまう。
「そうですね、じゃあ探してみましょうか」
だから僕はグリアさんと二人を放置することに決めた。
「ワタシ、サガす!」
そして僕の隣にいたミアさんは、僕の言葉に頷いて道を探し始めた。
今回はやむを得ず使ってしまったが、感情まで変えてしまうこの指輪は今後は使わない方がいいだろう。
「お、ありました。こっちに来てください」
僕とファラさんも手分けして道を捜すと、下に続いていそうな道を発見した。
フェイさんとディザリアさんの二人を放置して下りて行くのだけど。
「渡すかあああああああ!」
「娘の為だあああああああ!」
「どらああああああああ!」
っとまあすごく混乱が続いている。
流石にこの人数の中から魔王を取り返すのは無理そうだ。
「お父さんじゃないし、斬り倒すのは少しためらうわね」
ファラさんが抜いた剣を収めている。
でも向かってきたら斬り倒すのだろう。
「え~っと、落ち着くまで待ってみましょうか。この中に突っ込んでも怪我するだけですし」
僕がそう言うと。
「ヨメ、ワカッたー!」
ミアさんは手を挙げてピョンと跳んでいる。
「じゃあのんびり待ちましょうか」
ファラさんはその場で腰を下ろして、騒ぎが終わるのを待っている。
僕とミアさんもそれにならって腰を下ろしたのだが。
「なかなか終わりませんねぇ」
「ダなー!」
既に指輪の効果も切れて、ミアさんの能力は元に戻っていた。
「我が君、今の内に弁当でも食べるか? 私がアーンをしてやるぞ?」
像を登っていたグリアさんもこっちに合流していた。
荷物からお弁当を取り出し、その中には卵焼きや肉類の存在も見えている。
「つつしんで遠慮します!」
だけど僕は断った。
「我が君いいいいいいいいいいい!?」
グリアさんのお弁当は気になるが、これ以上懐かれては僕の命の危機に関わってくるからだ。
まあそれは良いとして、これ以上長くなるのなら上に残してきた二人も連れて来た方がいいのかも知れない。
そろそろトイレとか行きたいかもしれないし。
「僕ちょっと上の二人を見て来ますね」
それで上に続く道を行こうとしたんだけど。
「我が君、上のことは気にする必要はないぞ。私は急いでいたから解いてはやらなかったが、ナイフだけは置いて来てやったからな。今頃自由になっている頃だろう」
「ぬあんですってええええええええええええ!」
僕はグリアさんの言葉に驚いた。
あの二人のどちらにと言えば決まっている。
ディザリアさんの方だろう。
「アーッハッハッハ! 私を縛りあげるとはいい度胸だわ! 自由になった私が、全員全部全滅させてあげるわあああああああああああ!」
僕はその声に向くと、ディザリアさんは魔王像の掌の上に乗り、この下の空間を見下ろしていた。
「エニアコンタエニアゴン……」
既に怒りマックスという状態で、大量の魔力が腕から放出されている。
「うおおおおおおおおお、これはヤバイ!」
僕は恐れ戦いた。
絶対広域魔法を使う気だ。
「……! 逃げるわよミア!」
それに気づいたファラさんは、上に向かう通路へ逃げて行く。
「ギギ!」
ミアさんもそれに同行し。
「うん? 何を慌てているんだ我が君?」
グリアさんは何も気付いていない。
「あとで文句を言ってやりますけど、今は逃げますよ!」
僕もファラさん達が進んだ道を進むと、グリアさんも後からついて来ていた。
そして。
「……オメガアアアアアア・スタアアアアアアアアアンプ!」
ディザリアさんの怒りが爆発した。
『ぎゃああああああああああああああああ!』
『うおわあああああああああああああああ!』
『はあああああああああああああああん!』
何千もの人達は、地面の隆起で地の底から日のある空にまで打ち上げられてしまう。
一時的に村の空が真っ黒に変わり果て、そして落下して来たという。
ある人は藁ぶきの屋根に突き刺さり、ある人は地面に激突したようだ。
そんな状態だというのに、誰一人死人が出なかったらしい。
惨状を産んでも、一応は手加減をしていたのだろう。
「アーッハッハッハ! 全滅、全滅よおおおおおおおお!」
……後で聞いた話だが、この日、村に一つの伝説が生まれたらしい。
日が天高く登る頃、突如地の底から黒い魔物達が噴き出して、空に舞い上がったと。
そして家々を壊し回り、多大なる被害を与えたのだと。
これからも村の伝説として語り継がれていくのだろう。
でも僕達のせいじゃないです!
恨むのならディザリアさん一人にしてください!
で、肝心の僕達はというと、上層にのぼる通路の中で揉みくちゃにされ、ディザリアさんが居る近くにうちあがった。
「アーッハッハッハ! アーッハッハッハ! アーッハッハッハッハッハ!」
高笑いをあげながら通路に戻って来るディザリアさんに。
「うるさいわよアンタ!」
「あいたあああああ!?」
ファラさんが殴り掛かり。
「反省してください!」
「いたあああああい!」
僕も叩き。
「ニャアアアア!」
「ちょおおおおお!」
ミアさんもついでに殴りつけたのだった。
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




