魔王様は一体どこに?
僕はフェイさんを捜しに行くために、パーティを編成しようとしている。
しかし、何故かおかしな意思が働いたように、ディザリアさんとグリアさんを選んでしまった。
どう考えても嫌な予感しかしない。
道中物凄いトラブルが頻発する中、村の前にまで到着したのだけど、そこで馬車が横転してしまう。
やっぱりね、と思った僕は村人達の手で救出されて村長の家に運ばれて行くのだった。
連れて来られた村長の家の中。
「我が君、我が君いいいいいいい!」
「離れて、離れてえええええ!」
相変わらず離れてくれないグリアさんに僕はちょっと困っていた。
女の人に抱き付かれて悪い気はしないのだけど、あの馬車を横倒しにしてしまった行動もそうだが、アーリアさんとも違う駄目な香りが漂っているからだ。
まあ戦力調査部に居る時点で、あまり関わり合いになるのは勘弁願いたい人物なのは違いない。
どうしようかと悩んでいると、やっと助けが入ってくれた。
「あんたはもうそろそろ離れなさいよ。仕事が出来ないでしょうが」
僕に抱き付いていたグリアさんは、ファラさんの手によって引きはがされた。
「クッ、仕事なら仕方がない。でもそれが終わった時には私は自由の身となる! 我が君、それまで我慢してくれ!」
グリアさんの言い分では、何故か僕が我慢しているように聞こえる。
「嫌です、もうくっ付かないでください」
だから僕はハッキリと断った。
「我が君いいいいいいいいい!?」
僕が同意するとでも思っていたのだろうか?
こんな漫才みたいなことをやっているが、ここは人の家の中である。
僕達を助けた村長は、そのやり取りを見てポカンとしていた。
「さてと……」
僕は場を閉めるようにパンと手を打つと、村長さんは気を取り戻したようだ。
「……あ、ああ皆さん、もうすっかりよろしいようですな。おっと申し遅れました。わたくしはこの村の村長を務める、ジェイカル・キングと申します。どうぞよろしくお願いいたします。さて皆さん、念の為に一泊していきますかな?」
村長さんは随分優しい人のようで、僕達に住処をくれるようだ。
「是非食事もお願いします!」
僕の口からは、そんな願いが漏れ出てしまった。
「あははは、まあご用意いたしましょう。その代わり、少し手を貸してもらえませんかな?」
村長さんは、ただ助けたくて助けた訳ではないらしい。
僕としては食事が出るだけでもやる気充分だ。
「やりま~す!」
僕はピンと手を挙げてそう宣言した。
しかしファラさんに肩をギリギリ締め付けられ、仕事のことを思い出す。
でも食事のためだ、ここはファラさんに諦めてもらおう。
「ファラさん、助けられた上に食事までご馳走してくれるっていうんですよ? 更に何時までも泊って行ってもいいって言うんですよ? これは聞かない訳にはいかないでしょう!」
僕は自分の思ったことを言ったまでだが、流石にファラさんでも断り辛いのだろう。
何も言わずにスッと手を引いた。
「いえ、わたくしはそこまで言っていませんが……」
逆に村長さんの方から文句が出てきてしまう。
その辺はおいおい交渉するとして、まずはその頼みというのを聞いてみるとしようか。
「村長さん、その頼みというのはどんなものなのでしょうか? 変な殺人依頼とかされても困りますよ?」
僕は、一応無難な釘打ちをしといた。
本当にそんな依頼だったら困るし。
「いえいえ、じつは最近、この村に変な教団が出来てしまってですね。それの調査をお願いしたいのですよ。確か魔王教とかいうおかしな集団でして、是非皆様には調査を」
秒で理解した。
「アウトオオオオオオオ!」
その組織に絶対フェイさんが関わっているだろう。
まああの魔王は装備やアイテムを作り出せるのだから、信仰する人も出て来るのも分からなくはない。
普通に実益があるし、信仰したらお金が貰えるぞと言ってるようなものである。
フデが作るのかどうかは別の話だが。
「どうやら私達の仕事とも合致したものみたいだわね。私も納得したわ。この家は私達の拠点として、思う存分使わせてもらうわ」
「メシ! メシ!」
ファラさんは頷きミアさんは踊り出した。
「いえ、ですからそこまで泊めるとは言っていないんで、出来れば三日ぐらいでお願いします」
村長さんの泣きの頼みで、結局三日に落ち着いて、僕達はその間に魔王教なるものを調査することになった。
「アーッハッハッハ、魔王教とは片腹痛いわ! この私が全滅させてあげるわよ! さあ、その在りかを教えなさい。私が三秒で全滅してあげるわ! アーッハッハッハ!」
今まで大人しかったディザリアさんは敵と聞いて高笑いをあげている。
「……なんでしょうか。わたくしの気のせいだと思いますが、不安しか感じないのですけれど? やっぱり帰って貰ってもいいんですよ?」
村長さんは信用できなくなっているらしい。
この中に僕以外の真面な人は存在していないし、それも当然の話しだ。
だからといって、食事のチャンスを諦めるわけにはいかない。
「まあそんなことを言わずに、まずは食事でもしてお互いの親交を深めましょう。これから長い付き合いになるのですから!」
僕はそう言ってダイニングにある椅子に座ると、ミアさんも隣にある椅子に座った。
「……はぁ」
諦めた村長さんは、僕達に食事をご馳走してくれた。
パンやシチューと、本来なら質素な食事ではあるが、僕にとっては草以外なら全てご馳走である。
激しく腹に詰め込み、食事を食い漁ったのだった。
それから村長さんに聞いた場所へ向かって行く。
「……ここですね」
顔を上げると、『魔王教へようこそ』とかデカデカと看板に書かれた物が掲げられている。
まさかこんなに堂々とあるとは思わなかった。
ここまで主張している所を見ると、絶対に僕の考えは間違ってはいないだろう。
「お父さん、この中に居るのかしら? とにかく入ってみましょうか。ついて来てミア」
「ファラ、ワカッた!」
ファラさんはミアさんを連れて中に入ろうとしているが。
「アーッハッハッハ! そんなことをしなくても、敵の拠点ごとぶっ潰せばいいだけよ! オクタゴン……」
ディザリアさんには一度やらかした前科があったんだった。
またやらかそうとするディザリアさんに、僕は慌ててその口を塞ごうとするのだけど。
「我が君、手をつないでいこう!」
「ぬあああああ?」
グリアさんが僕の手を掴んで引き戻された。
この人周りのことが見えていないんじゃないのか?
「……オメガ・ストーン!」
だからディザリアさんの魔法を止められず、結局魔王教の建物が崩壊した。
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




