最近また魔王と自称する奴が出て来て、挨拶という名の暴力を受けたから返り討ちにするジョージ。(タイトルと内容は違います)
キャンドルリザードと戦い、逃がしてしまった僕。
それを追い掛けて行く二人だが、知能を奪った為か、違う部屋入ってしまう。
その部屋に居たのは、更に凶暴そうなキャンドルリザード改(仮)だった。
大きささえ違うのに、気付いてもくれない二人は、もう攻撃をしかけている。
もう避けられない戦いだと、頑張って退治したのだった。
「うっく、ひっく……」
僕は瞳を濡らし、燃える屋敷を見続ける。
そして貰えるはずだったボーナスの行く末を思い煩う。
「兄ちゃんしっかりしろよ。帰らなきゃ終われないだろ」
グリス君は僕を慰めてくれている。
そうだ、帰ることが出来たなら、保護者様にお金を貰える可能性があるはずだ。
「お兄さん、何時までも泣いてないの。ほら、パンならまだあるよ?」
リューナさんは僕にパンを渡してくれた。
僕はそれを有難く受け取り、涙ながらに口に放り込む。
「リューナさんありがとうございます、僕元気が出ました。出来れば定期的にくれると嬉しいのですけど……」
「えっ、それはヤダ」
物の試しに言ってみただけだけど、やはりリューナさんに断られてしまった。
そう上手くはいかないらしい。
悲しみの涙を拭き飛ばし、二人と共に町に戻って行った。
まずは薬の代金を貰いにギルドへ行ったのだけど。
「お帰り。じゃあこれ代金だから、クーはギルドの仕事に戻って……」
ファラさんは連れ戻そうとして来るようだ。
「僕はまだ用事があるので! 見届けなければならないんです! 絶対見届けなければならないんです!」
僕はファラさんの言葉を否定して、お金を二人に渡すと、その二人と共にギルドを脱出して行った。
そして保護者様にご挨拶したいと告げて案内されたのは。
「着いたぞ兄ちゃん」
「ここがあたし達の家よ」
僕の期待していたものとは違い、随分古そうな孤児院だった。
「えっ、ここは……」
建物はギルドの宿舎と同じぐらいに古ぼけていて、どう考えても金を持ってそうには見えない。
こんな所から金を貰ったら悪者になってしまうじゃないか。
「え~っとグリス君、その鎧買ったのって、本当にここの人ですか?」
僕は確認の為に聞いてみたのだけど。
「えっ、この鎧くれたのは別の兄ちゃんだよ。鎧のお礼の為に兄ちゃんの薬を買いたいんだ」
予想とは随分違うが、その兄ちゃんとやらに会いに行くべきだろう。
果物の一つでもくれたら僕にとっては超嬉しいから!
「という訳で、その人に会いに行きましょう」
何所とも知れぬ目的地に指をさした。
「どういう訳なのかよく分からないけど、俺っちはかまわないぜ」
「あたしも別にいいわよ」
グリス君とリューナさんの了承を得て、その場所へ向かって行く。
途中で薬を購入してその場所に来たのだけど。
「お兄さん、ここだよ!」
「兄ちゃん、俺っちの恩人の家なんだから変なことするなよな!」
随分とボロ……年期の入りまくった掘っ立て小屋のようだ。
幾つも扉がある所を見ると、アパートのようなものだろうか?
「これは……随分古い建物ですね……」
それを見た僕は、両肩を落としてやる気をなくした。
でもあんなオーダーメイドの鎧を買えるのなら隠し財産があってもおかしくはない。
まあお茶ぐらいなら出してもらえるだろうか?
茶菓子がついたら御の字だろう。
「お兄さん、来たよー!」
「兄ちゃん兄ちゃん、薬持って来たぞー!」
二人は嬉しそうにドンドンと扉を叩き、中の人物を呼んでいる。
「兄ちゃん、兄ちゃ~ん!」
「お兄さん、お兄さ~ん!」
出てくるまで扉を叩き続ける二人の子供達。
風邪で頭が痛いなら、絶対煩いと思っているだろう。
「ああああああああうるさあああい! 折角寝てたのにいいいいいいい!」
部屋の中から大声が聞こえて、走って来るような足音がする。
勢いよく扉を開けるが、二人は無事に逃げたらしい。
出て来たのは黒髪の青年かな?
動きやすそうな広い袖口の服を着ていて、たぶん僕より年上だろう。
でもなんとなくどこかで見たことがある気がするけど、たぶん気のせいだ。
その青年がゲッソリと青い顔をして子供達を見ている。
「兄ちゃ~ん! 薬、薬!」
「お兄さん、買って来たわ!」
少し嫌な顔で睨まれているというのに、二人は全く気にしていない。
袋に入った薬を突き出し、褒められるのを待っているようだ。
「……はぁ、ありがとう。俺は頭が痛いんだ、もう帰ってくれ」
男はそう言って扉を閉めようとしている。
しかし、二人の用事が済んでも、僕の要件は終わってはいない。
閉められそうな扉の端を、ガッと掴んで引き止めた。
「まあまあそう言わずに、部屋の中でじっくり二人の活躍を聞かせてあげますよ。出来ればお茶とお菓子と食事なんて出してくれると嬉しいです。えっ、いいんですか? さあ二人共、お邪魔しましょう!」
「「わ~い!」」
僕の勝手な判断で、子供達も扉を掴んだ。
病人のくせに意外と力が強く、三人がかりでやっと扉が開いて行く。
「おいいい、待てえええ! 俺は一言も良いとは言っていないぞおおお!」
必死の抵抗をみせる青年だが。
「うう、頭が痛い。こっちの薬はちっとも効かないんだもの。向うの世界から病院来てええええええええ!」
変なことを言っているし、幻覚でもみているのだろう。
早く薬を飲ませてやらないと大変だ。
力尽きて膝をついた青年に、僕は肩を貸して、奥にあるベッドへと運んで行った。
なんとなく部屋の中を見回すが、ごく一般的な物が並んでいる。
お金持ちとは程遠い生活を送っているようだ。
しかし、この僕よりは確実にお金を持っているだろう。
「き、貴様……フゥ、ハァ……この俺が何者か知っての狼藉か! まずは名乗ったらどうなのだ! フゥフゥ……」
青年はハァハァ言いながら僕の名前を聞いてきた。
「ああ、僕クー・ライズ・ライトっていいます。あなたの薬の為に、この子達と同行して魔物退治に言って来たんですよ。是非感謝して食事でも提供してくれると嬉しいです!」
「親切の押し売りか。有難迷惑だわ!」
この青年は強がって声を張りあげるのだけど。
「まあまあ落ち着いてください、まずこの薬を飲んでひと眠りすればきっと治りますから。さあどうぞ、グイっといってください」
僕が薬を進めると。
「兄ちゃん、飲んでくれ!」
「お兄さん、お水持ってきてあげる!」
グリス君とリューナさんもキラキラした瞳で青年を見つめる。
「うっ……分かった、飲んだら帰ってくれ」
子供達の手前か、青年は流石に断ることはせず、買って来た薬を飲み干した。
「薬も飲んでこれで大丈夫です! さあ二人共、次は料理です! 美味しい物を作って喜んでもらいましょう! 大丈夫、味見はキッチリしますから不味くなることはありえません! では作りましょう!」
そして食事は重大なことだと、僕は味見をしながら料理をすることを決めた。
「「お~!」」
グリス君とリューナさんも手伝てくれるようだ。
「ああ、頭が痛い……」
もう青年は諦めたらしく、僕達は保存された食材を使い、病人食を作りあげた。
青年は作ったものをペロリと平らげ、疲れて眠ってしまったらしい。
そして僕達も冒険の疲れが出たのか、グッスリと眠りこんでしまった。
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)




