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魔王とジョージ、その存在が同一なのかは世界の謎である。もし本物であるならば、延々と冒険者やギルドに追われるだろう。(タイトルと内容は違います)

 一度屋敷の中から逃げ出した僕達は、もう一度進入しようしていた。

 丁度よく一体のキャンドルリザードを見つけて挑みかかる僕達。

 しかし魔力が少なくなっているリューナさんと、結界を作って武器も無い僕。

 グリス君一人に任せて見学することに。

 敵の能力待ちだけど、少しのレベルの低いグリス君には辛いようだ。

 キャンドルリザードに幻熱の吐息を使わせたいところだけど、やはりここは二人の能力値を奪って強化を?

 しかしそれをしたら二人の力は幼児並みになるだろう。

 それで戦わせるのは無謀だし、勝手に突っ込まれても困ってしまう。


 でも、このまま待ち続けるのが正しいのかも分からない。

 結局は運しだいである。


「俺っちが倒してやる。さあ来い!」


 グリス君は壁をはい回るキャンドルリザードに自分の剣を向けている。

 しかし何度やってもダメージはないだろう。


「グリス、もうすぐ一回撃てるからちょっと待ってて!」


 リューナさんは、魔力が回復するまで待機している。

 こちらの魔力が回復したとしても、ダメージ元になるには程遠い。

 やはり使うしかないだろう。


「……結界の内にいる仲間の値を集めよ。アディション・フィールド!」


 僕は魔法を切り替えた。

 奪うのは、なるべく影響が少なそうなものがいい。

 速さを奪うのは攻撃が避けられなくなるから問題外。


「たああああ!」


 グリス君は剣を振り下ろすが、キャンドルリザードの硬い鱗には通用しない。

 どうせダメージが与えられないから、その力を奪うとしよう。

 しかし、四十増えただけでは僕が力負けしてしまう。

 他のものを奪うにしても、体力値を奪うのはグリス君を殺しかねない。


 ここはリューナさんに我慢してもらって魔力値を奪うとしよう。

 そしてもう一つ何かを奪わなければ。


「決めた! 僕が奪うのは力と、魔力値、それに知能です! さあ、結界の内なる数値よ、疾く現れよ!」


 僕はパンと手を叩き、数値を見ることなく走り出した。


「うっ、なんか気持ち悪い」


「あぅ、お兄さん何かしたの?」


 ほどなく二人の数値が奪われ、何かが落ちる音が聞こえた。

 僕は二十を速度へ、あとは力の値へと変換させる。


「僕が相手をしてあげます!」


 僕は手を前にして、キャンドルリザードの前に立ちはだかった。

 すでに突進を行っていて、高速で迫って来てる。


「兄ちゃん危ない!」


「お兄さん!」


 グリスとリューナの心配そうな声。

 しかし今の僕ならば!


「ぬぐぐぐぐぐぐぐぐ!」


 その強烈な突進を、床に足を滑らせながら受け止めきれるのだ。

 相手に行動をさせまいと、両の手で大きな口を押さえこむ。


「うにににににににににににににににに!」


 更に力を込めて、引っこ抜くようにキャンドルリザードの巨体を持ち上げた。

 僕はそのまま投げようとするのだけど。


「おっとっと……」


 そこまでの力はないようで、バランスを崩して後ろに倒れてしまう。

 いわゆるバックドロップの状態だけど、僕が出来る訳も無い。


「ぐおおおおおおおおお!?」


 自分の後頭部を打ち付けて、床にゴロゴロと転がっていた。

 思わず手を放してしまったが、相手もフラフラしているようである。


「今だ、たああああああああ!」


 グリス君は、腹を見せて悶えるキャンドルリザードに、剣を振り下ろそうとしているようだ。

 しかし、力を奪ってしまった今のグリス君では、柔らかい腹であっても。


「お、お腹もかたい」


 硬くないお腹に、ボヨンと弾き返されてしまっている。


「何で魔法が出ないの!? 何で!? 何でぇ!?」


 そして魔力値を奪ったリューナさんは、魔法が出ないことに戸惑っている。

 どうやら僕の奪う能力は、キッチリ二十になるまで奪い続けるらしい。

 時間と共に落ちた数字が増えて行ってる。


 そんなこんなで遊んでいる間に、キャンドルリザードは手足をバタつかせ、体を元の状態に戻してしまった。

 僕もなんとか立ち上がって、構えを取るが。


「あっ、逃げたし」


 キャンドルリザードは脱兎のごとく逃げ出した。

 どう考えても追いつけないので、行先だけを確認している。


「あ~! あたしの経験値! 経験値ほしいのにー!」


「何してるんだ兄ちゃん、折角のチャンスだったのに! 経験値が逃げたじゃないか! 早く追い駆けよう!」


 知能を奪った為か、もう隠すこともしていない。

 しかもキャンドルリザードが入った場所とは違う場所へ行こうとしているから知能を奪ったのは失敗だったのかも知れない。


「ちょっと、そっちじゃないですって。入ったのは二つ目の……話を聞いてください!」


 僕は二人を追い掛け、一番奥の部屋へ向かったのだ。


「いたああああ! 俺っちがぶっ倒してやるううう!」


「あたしの魔法で! ファイヤ!」


 この部屋の中には、たった一体の魔物が存在していた。

 その魔物を相手に、二人は攻撃を続けている。

 でもそれは、明らかにキャンドルリザードではない。

 体の大きさは倍ぐらに巨大で、体には青い模様が入っている。

 これはただのキャンドルリザードをとは違うものだ。


 背に見える炎の揺らめきも、普通のものとは違うらしい。

 怒りに呼応するように、バチバチと小規模な爆発が起こっている。


「これはまさか変異種!? それとも女王!? どちらにしてもボーナス確定じゃないですか! そうだ、姿を写さなければ。ボードは……」


 僕は背負っていたリュックを探すのだが、いくら手を入れてもそれは見つからない。


「無かったああああああああああああああ!」


 僕は両手をついて項垂れる。

 しかし、何時までもそうしている訳にはいかないのだ。


「ぜ、全然刃が通らない。でも、俺っちは負けない! 絶対に!」


「ファイヤ! 魔力がまたなくなった!?」


 二人とも大きなキャンドルリザード改に襲われようとしているし。


「「うああああああ!?」」


 尻尾を振り回してグリス君を弾き飛ばすと、魔法を使っていたリューナさんにぶつけてしまう。

 あの巨体で、この二人よりも頭が良さそうだ。

 キャンドルリザード改は、倒れた二人に向かい、巨大な口を開けている。

 あんな物に咬み付かれれば鎧ごと砕かれてしまうだろう。

 僕は涙を拭いて立ち上がり、怒りをぶつけるようにキャンドルリザード改に戦いを挑んだ。


「ぐおおおおおおおおおおおおお!」


 突進してきたキャンドルリザード改の頭を押さえつけるも、その力は先ほどの通常タイプとは比べ物にならなかった。

 いくら踏ん張った所で、床に足が滑って進行は止まらないのである。

 背後には壁が迫り、力尽きれば押しつぶされてしまいそうだ。


「てぇい、この、このおおお!」


「あたしも殴ってやる!」


 二人の攻撃にも効果は見られないし、僕がやられてしまえば二人の命も危ういだろう。

 だから僕は、その口に手を掴み、思い切って口を開けさせた。


「うぬぬぬぬぬぬぬぬ!」


 しかしそのまま押され続け、壁にバンと背中をぶつけられてしまう。

 このままではヤバいっと、限界ギリギリの力を込めて押し返す。

 大きく開いた口からは、生臭い吐息がもれ出ている。

 続けていると、もれ出た臭いが変わり始めた。

 生木が燃えるようなそんな臭い。


「来るか!」


 口の奥からは炎のようなものが見え始め、それが一気に解き放たれる。

 これは霧のようなものではなく、本物の炎だ。

 だが、既に魔法は設置済み。


「結界の内なる炎よ、数値となって強さを示せ。ナンバーズ・フィールド!」


 直ぐに魔法を切り替えると、炎はダメージを与えることなく、何事も無く消え果てた。

 変換された数値は七百。

 相手を倒すには充分過ぎる数値だ。

 僕は四百を力に、百を速度へ、残りは秒数へと変換する。


「ぐおおおおおおおおおおおお!」


 押さえつけられてた僕の体は、爆発的な力を得た。

 相手の大きさをものともせず、逆側の壁へと突き進む。

 そのまま強烈にぶつけると、止めの蹴りを食らわせた。

 白目を向いているから、終わったと思いたい。


「ふうう、これで……」


 僕は落ち着いて汗を拭ったのだけど。


「たあああああ!」


 グリス君は剣を振り上げ。


「いくわよー!」


 リューナさんはロッドを振り下ろす。

 でももう安全だし反撃もされないから、放っておいても大丈夫だ。


「「うわああああああああ、むぎゅ……」」


 しかしどうやらやり過ぎたようで、壁に立てかかっていた魔物の体が倒れてしまったようだ。

 それに二人は押しつぶされて、パンの具材のようになっている。

 まあ生きているようだし、僕としてはそれで反省してほしいところだ。


「兄ちゃん、出して……」


「お兄さん、助けて……」


 僕は限界ギリギリまで放置し、それから二人を引っ張り出した。


「じゃあ急いで帰りましょう! ボードを持って来て撮影しないと証拠になりませんからね! さあ急いで、僕のボーナスの為に!」


 そう宣言し、二人の背中を押して行く。


「兄ちゃん、俺っち思ったんだけど、あれってキャンドルリザードと違わない?」


 グリス君、何で今頃気付いたんです。

 そのまま流してくれればよかったのに。


「言われればちょっと大きいような気がするわ」


 リューナさん、一目見ただけで分かるぐらいビックサイズですよ。

 やはり知能指数が低すぎるらしい。


「二人共、あれはたぶん変異種なのでキャンドルリザードに数えて良いですよ。だって僕はそれがいいですもの!」


 何の根拠もない僕の願望をぶちまけた。


「そっかなー? う~ん、まあいいや」


「なんか考えるのが面倒だわ! もう行きましょう!」


 それでも二人は納得するのだから都合がいい。


「じゃあ帰りましょ~♪ ……あれ?」


 僕達は部屋の中から脱出しようとするが。


「何か妙な臭いが? 焦げ付いたような、燃えているような……」


 僕が振り向くと、あの大きかったキャンドルリザード改の背中から炎が噴き出し、体をボウボウと燃やし尽くしていた。


「ぎゃあああああああ、ボーナスがあああああああ!」


 しかもその炎は大きさを増し、近くにあった木材に燃え移っている。

 それはドンドン燃え盛り、別の木材へと燃え移って行く。


「ぼ、僕のボーナス……ガク」


 炎よりもボーナスが出ないことに項垂れる僕。


「兄ちゃん、逃げないと危ないぞ?」


「グリス、危ないから引きずって行きましょう」


「だな!」


 そんな僕は、二人に引きずられて無事に屋敷から脱出したのだった。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)

 リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

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