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オークゾンビ大量発生

 僕とミアさんは、ミノゾン(ミノタウロスゾンビ)を相手に戦いを始めた。

 しかしゾンビだから、攻撃をしても痛みも感じないようである。

 フェイさんの命令で僕を追い詰めるミノゾン。

 そんな時、天井の穴からファラさんが現れた。

 一緒に戦い始めた僕達は、ミノゾンを追い詰め倒す。

 だがフェイさんはまだ余裕があるらしく、死んでいたオークまでゾンビとして使いだした。

 数の優位を失った僕達は、出口に居るアーリアさんとグリアの下へ逃げ出して行く。

「うおおおおおおおお!」


 僕とファラさんは、出口への道を走り続けている。


「ふッ!」


 稀に追いつくオークゾンビをファラさんが振り向きざまに斬り倒しまた走り出す。

 ちなみにミアさんは最速で出口へ向かっている。

 あの二人に状況を伝えに行ってもらったのだ。

 ……まあミアさんに伝えられるかどうかは微妙なところだろうが、行かないよりはマシだろう。


「クー、もっと頑張って走りなさい。オークに追いつかれるわよ!」


 ファラさんは僕をたきつけようとしているけど。


「物凄く頑張って走ってるんですけど! こ、これ以上は無理です!」


 そもそも今日二度目の全力疾走。

 僕はもう極限まで全力で走っている。

 それに結界の外に出てしまったから能力は元に戻ってしまっているのだ。

 鉄棒も置いて来てしまったから今は武器もない。

 首を切っても襲って来る相手に、強化も無いただの無手ではどうにもならないのだ。


「クッ、面倒だわね。お父さんの術も範囲外にならないかしら」


 ファラさんもかなり焦っているようだ。

 魔物を操る力に範囲があるのなら、そろそろ切れてもいいはずだが。

 でも残念ながらそんな気配は微塵もない。


「そ、そうだったらいいんですけどね。僕はもう……限界が……来そう」


 まだ走ることは出来るのだが、速度は歩くぐらいに落ち始めている。

 ゾンビに体力切れなんてないし、オークの群れにのみ込まれるのも時間の問題だった。

 もう駄目だと膝をつきかけた僕の肩に、ファラさんの手が回される。


「しっかりしなさい。ほら、もう少しよ」


 ファラさんと一緒に歩き続けるのだけど、先ほどよりも明らかに速度が落ちている。

 オークとの距離は、もう十歩分も無いだろう。

 こんなばかばかしいことでも命懸けである。

 まあ死ぬつもりはないのだけど。


 ヒィヒィ言いながら進み続けるが、オークゾンビの間合いの中に入ってしまった。

 振りかぶられた斧の一撃をファラさんが防ぐが、その横や上からもオークゾンビが無理やり出てこようとしている。


「ここは私が押さえとくからクーは先に行きなさい! どうせ私には襲って来ないんだから!」


「わ、分かりました……ファラさんに任せます」


 完全に足手纏いの僕は、ファラさんを置いて足を進めるしかなかった。

 少し進むのにも時間が掛かり、なんとか百メートルを進みきった頃。


「ワタシ、つレテきタ!」


 ミアさんが、出口に居た二人を連れて来てくれた。


「クーちゃん待たせたわね。お姉さんが来てあげたわよ!」


 足を止めて僕を見下ろすアーリアさん。


「我が君、この私が来たからにはもう安心だ。さあ魔物退治と行こうじゃないか!」


 そして洞窟の奥に剣を向け、やる気を見せているグリアさん。


「お、奥にファラさんが居るんで助けてあげてください」


 僕はその顔を見て安心してファラさんのことを任せたのだが。


「そうか、では我が君のことは私に任せろ。アーリアはファラを助けてやるんだ」


「えっ、何言ってるのグリアちゃん? それはお姉さんがやるべきことだわ。ダリアちゃんが先に行ってきて」


「ヨメ、ワタシがハコぶ!」


 グリアさんから始まったやり取りは、アーリアさんを経てミアさんにまで広がっていく。


「こんな時に争ってる場合じゃないですよ。誰でも良いから行ってきてください。ファラさんが心配なので」


 少しだけ休憩出来た僕は、三人に突っ込みをいれた。


「「「は~い」」」


 三人は元気よく返事をして、ミアさんだけがこの場に残った。

 そしてまだ立ち上がる気力の無い僕は、ミアさんに手を引っ張られ、出口にまで運ばれたのだった。


 外には二人が用意していただろう焚き火と、それを燃やす為の燃料である(まき)がある。

 日はまだ明るいのだけど、夜を越すための準備だろう。

 鉄棒を置き去りにしてしまったからこの薪は丁度良い物だ。

 僕はその薪を手に持ち、結界の為の道具とする。


「僕はここで結界を作っておきますから、ミアさんは中の三人を呼んできてください」


「ヨメ、ワカッた!」


 僕の言うことを聞き、ミアさんは中の三人を呼びに行った。

 ……じゃあ今の内に結界を作ってしまうとしよう。


「あ~、まだ足が痛い」


 体力の回復の為にとぼとぼ歩きながら結界を作っていくが、三本目をたてた頃には四人が地上に出て来たようだ。

 入り口に陣取り、洞窟から出ようとしたオークゾンビに容赦ない攻撃を与えている。

 斬りつけられたオークゾンビは入り口で倒れるのだが、それを踏みつけ奥からドンドンあふれ出ようとしていた。


「ちょっと不味いかな」


 今の所はまだ問題はないが、あの大群が外に出てしまえば不利になる。

 僕は最後の位置に薪を設置し、急ぎ仲間の下へ戻って行った。


「お待たせしました。じゃあちょっと吸わせてもらいますから我慢してくださいね」


 僕はそう宣言して魔法を使おうとするのだけど。


「また吸うの? 私あれ嫌なんだけど」


「ワタシ、マタクワレる?」


 ファラさんとミアさんは、あんまりやりたく無さそうだ。


「お姉さんは構わないわよ。むしろ直接吸っても良いのよ」


「我が君が望むのならそれもやむなしだ」


 逆にアーリアさんとグリアさんは、何時でも来いと言った所だろう。

 しかし器用に選べるような魔法じゃないし、二人には我慢してもらうとしよう。


 そう、今回は四人で、効果はさっき使った倍である。

 限界値の三回を強化したら、二百四十も増えるのだ。

 これで使わない手はないだろう。


「じゃあ僕も賛成なので多数決で可決ですね。ってことで使いま~す! ファラさん、ミアさん、我慢してください。結界の内にいる仲間の値を集めよ。アディション・フィールド!」


 仲間の四人から三つの能力値を吸い取り二百四十の数字が落ちた。

 奪ったのは魔力量と体力値、もう一つは防御力である。


「クー、後で教育してやるわ!」


「ギャ! ヨメ、コワい!」


 あとあとファラさんに復讐されそうだけど、今はこの場を切り抜けるのが先決だ。

 僕は数字を操り自身の能力を変化させる。

 二百四十を使って変化をさせたのは防御の能力値。

 それだけ上がったから、もうカッチカチで鉄壁になったのだ。


「これで僕は無敵ですよ! 先頭の防御は僕が引き受けましょう!」


 そしてズイっと前に出る。


「本当にやる気? まあやりたいんなら止めないけど!」


 ファラさんは、オークゾンビに攻撃を続けながら、少しだけ道を開けた。


「クーちゃん、前は任せるわね」


 アーリアさんは両手をとめて僕の進む道を開けた。


「はい、任せてください!」


 と僕は開いた道を通り、オークゾンビの前に出たのだが、斧を構える相手の姿に、ちょっと恐怖が出てきてしまう……。

 やっぱりやめたくなって来た。


「本当に大丈夫? やめた方が良いんじゃないの?」


「だ、大丈夫です。このぐらい……ぎゃああああ!?」


 ファラさんの声に強がってみるものの、何のためらいもなく振り下ろされる斧の一撃に驚き悲鳴をあげる。

 力のリミッターを解除されたオークゾンビの攻撃は相当な威力があったはずだ。

 しかし僕の体には、チクッとした痛みしかやってこなかった。

 思った以上に強固な体になったらしい。


「ふっ、やはり無敵。何体でもいいですよ、さあ掛かって来い!」


 経験して見れば大したことは無いと、僕は自信をもって攻撃を受け止める。


「……平気みたいね。じゃあ任せたわ」


 一応心配してくれたファラさんも、僕の防御力を見てミアさんの方へ向かって行く。

 防御力が上がって調子に乗った僕は、オークゾンビの攻撃を一身に受け止めるのだが。


「あっ、痛! ちょっと待って、囲むのはずるい。痛い!」


 でもなんというか、小さな痛みも集まれば中々痛いのだ。

 虫に刺されてチクっとするようにチクチクチクチクチクチクチクチク。

 もう逃げようかと思っていると、仲間の四人は見当たらなくなっていた。


「じゃあ次はあれを狙うわ。確実に数を減らしましょう」


「ヨメ、ワカッタぞ!」


 結構遠くからファラさんとミアさんの声が聞こえる。

 一緒に行動して一体ずつ倒しているらしい。


「お姉さんが押さえる間に一気にやっちゃってね」


「任せろアーリア、私が一撃で倒してやろう!」


 別の場所からはアーリアさんとグリアさんの声も聞こえる。

 確かに任せろと言ったし、ダメージもそんなに食らわないのだけど、もうちょっと心配してくれてもいい気がする。


「あいた! ぐは! うぐおおお……あああああ下半身はやめてええええ!」


 ボコられ続ける僕が介抱されたのは、仲間の四人がオークゾンビを殲滅した後だった。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

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