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おっと、僕のレベルがあがったよ!

 ミノタウロスを地下通路からオークの住処に呼び寄せ、僕達は戦い続けた。

 敵の攻撃を見事に躱し、相手へと斬撃を叩きこむ。

 連撃の数々と、強烈な一撃に、ミノタウロスは体力を削られている。

 僕はそんな状態を確認し、止めの一撃だけ貰いに行った。

「ふう、やっと終わった」


 僕は汗を拭う動作をした。

 この戦いではあまり活躍していないのだけど、それでも勝ちは勝ちなのである。

 だからこそ今レベルが三十に到達したのだ。

 そして新たな術の習得が行われたはずである。

 ま、それはおいおい調べてみよう。


「クーちゃんやったわね。これで帰れるわ!」


 アーリアさんは満面の笑みを浮かべている。


「我が君、怪我はないな?」


 グリアさんは武器を背負い、帰る準備を始めていた。


「はい、大丈夫です」


 僕は返事をしてミアさんを見た。


「……ジュル」


 倒れたミノタウロスを見て涎を垂らしている。

 流石に魔物とはいえ人型を食べるのは不味いだろう。

 万が一人喰とかになられても困るし、なるべく止めなければ。


「帰ったらアーリアさんがご馳走してくれるらしいですから、それまで我慢してください」


「ウゥ、ヨメ、ワカッタ。アーリア、ニクホシイ!」


「もちろんよ。お姉さんのお肉をたっぷり食べさせてあげるわ! クーちゃんも食べるわよね」


 アーリアさんの言い回しに疑問を感じる。

 ちゃんと答えた方がいいだろう。


「お金が無いので牛の肉は食べたいです」


「クーちゃんの意地悪」


 アーリアさんは色っぽい顔をしている。

 やはり何かしらの罠だったようだ。


「我が君、では町に戻ろうか」


 グリアさんは出口へ手を向けている。


「ああ、まだ鉄棒の回収が終わってないんでちょっと待ってください」


 僕は鉄棒の回収を申し出た。

 この場所にある結界は残されたままなのだ。

 ただの棒だとはいえ、買い替える出費は痛い。


「そうか、では私も手を貸そう」


 グリアさんは手伝ってくれるらしいけど。


「その前に一つ試していいでしょうか? 新しい魔法を覚えたみたいなんで」


 実戦で使えるかどうかは、試してみなければわからない。

 だからこそ僕はここで試してみたいのだ。


「そうか、では我が君、魔物でも連れて来よう」


 グリアさんは魔物を連れて来ようとしているが。


「いや、敵は居なくても大丈夫みたいなんで。他の二人も大丈夫でしょうか?」


 今回の魔法は敵が居なくても平気なのだ。

 僕は他の二人にも聞いてみた。


「お姉さんは平気よ。安全な今試した方がいいものね。何でも来ていいわよ」


「ワタシ、ダイジョぶ!」


 アーリアさんとミアさんも大丈夫らしいので、僕は早速使ってみることにした。


「……え~っと、結界の内にいる仲間の値を集めよ。アディション・フィールド」


 結界内に居る仲間の三人から、赤い光が伸びている。

 この魔法の効果は、仲間の力を借り受け、自分の力にするというものだ。

 力といっても単純に筋力ということでもない。

 速度であったり、体力であったり、様々なものを一つ借りられる。


「ああ、お姉さんの力が抜けちゃうわ。クーちゃんに吸われちゃう」


 アーリアさん、なんかエロいので発言には気を付けてください。


「私が我が君の中へ……うっ、はぁはぁ」


 いやまあ実際そうなんですけど、もう少し言い方を考えてくださいグリアさん。


「ワタシ、クラクラ」


 ミアさんは普通に頭をフラフラさせている。

 その三人の体から放たれた光が一つに合体すると、数字として上空から石が現れた。

 空から落ちたのは六十という数字だが、高いと言えば高いが、低いと言えば低いものだ。

 たぶん三人で六十だから二十ずつだろう。


 この数値は、時間制限なく使える物だ。

 他の魔法を使っても数字は残り続ける様で、味方の弱体化は結界を出るまで治らない。

 仲間の力を減らして僕にプラスするのだけど、二十も減ってしまうとなると戦闘に支障が出そうである。


 他の値を吸収すれば百二十、百八十と増やすことも出来る。

 ただし、味方はその分弱体したままなので、最悪は僕しか戦えなくなってしまう。

 魔物によって使いどころには注意しなければならないだろう。


 注意点としては、魔物の能力を変換する今までのものと同時には使うことは出来ないことだ。

 この魔法を使えば、能力のない相手とも対等に戦うことが出来るだろう。

 今まで無かったのが不思議なぐらい、測量士としては念願の魔法である。


「それじゃあ確認も済みましたし帰りましょうか」


 僕はそう提案したのだけど。


「お姉さんちょっと怠いんだけど。クーちゃん、お姫様抱っこして」


「我が君、出来れば私も……」


「ワタシも!」


 何度か魔法を作動させたから、三人共相当疲れているらしい。

 でも。


「どう考えても僕には無理ですし、結界から出れば治りますよ」


 と僕は断った。


「「「えええええええええ!」」」


 何故僕に運べると……まあ強化したらできそうな気もしないでも?

 でもそれをした後にどうなるか分からないし止めておこう。


「じゃあ僕は鉄棒を回収して帰りますから、来ないなら置いて行きますね」


 僕は三人に背中を向けて歩き始めたのだが。


「うをぉッ!」


 突如背中に何かが飛び乗って来た。


「ヨメ、ワタシのル!」


 ミアさんが乗り掛かってきたらしい。

 一人が乗ったらどうなるか。


「お姉さんも乗るわ!」


「二人が乗るのなら私も!」


 と言って、残りの二人も飛び掛かって来た。

 僕は自分の体重よりも二倍以上の重さに圧し掛かられ。


「ぐえっ」


 と潰れてしまったのだ。

 このままでは動けないし、力を使ってみるとしよう。

 作っていた数字を力の値へと変換する。


「ぐおおおおおおおお!」


 それでも重いのは変わらないが、三人の体が持ち上がり始めた。


「クーちゃん凄いわ。ちゃんと持ち上がるなんて」


 アーリアさん、重いのが分かっているなら退いてください。


「我が君、流石だな」


 グリアさんも便乗しないでください。


「ウウウ、フタり、オモイぞ」


 ミアさんは二人に乗っかられて苦しそうだ。

 まあ元凶になったんだし多少我慢してもらおう。


「じゃあここまでで~す」


 僕は結界を作っていた鉄棒前に行くと、そこで三人を投げ捨てた。


「ヨメ、ワタシマンゾく!」


「我が君、今度は個人的に……」


「お姉さんはいつでもいいのよ」


「はいはい、そういうのはもういいんで、早く帰りましょうね」


 僕は三人を適当にあしらい、結界を作っていた鉄棒を回収して町に戻って行った。

 そしてローザリアのギルド。

 作った地図とミノタウロスの資料を渡し、スラーさんへ報告している。


「ということでカギは壊れてしまいました。経年劣化なので僕の給料から引くのは無しですからね!」


 僕はあらん限りの力を込めて、ちゃんとスラーさんに説明した。


「まあそれは仕方がないでしょう。それに新な出口があるのは幸いでしたね。危うく閉じ込めてしまうところでした。後はその出口にも丈夫な扉を取り付けないとならないでしょう。簡単に魔物が侵入しても困りますから」


 スラーさんは、顎に手を当て、今後の展開を考えているようだ。

 やはりそのまま出口として使うのかもしれない。


「まあそうですね」


 僕は何も請求されなくてホッとしているのだが。


「それはいいけど、同時に黒鉄虫の駆除をお願いするわ!」


「そうだ! あんな所は人が入るものじゃない! スラー、管理清掃を週に一度でいいからやってくれないか!」


 アーリアさんとグリアさんは、顔を近づけながらスラーさんに詰め寄っている。


「……まあ構いませんけど、自分達でやってくださいね。清掃にもお金が掛かりますので」


 スラーさんも困っている。

 まさか黒鉄虫を退治しろと言われるとは思わなかったようだ。


「私はやらないぞ! でも一回分ぐらいなら金を出そう!」


「お姉さんも出すわよグリアちゃん! その一回で全部駆除して頂戴!」


 二人共お金を支払うらしい。

 高額であるなら僕が受けたい所だが。


「……支払っていただけるのであれば構いませんよ」


 お金を支払うと言われて、スラーさんも折れたらしい。


「ライズ・ライト君、本来ならこのまま別の仕事をお願いしたかったのですが、その入り口を放置する訳には行きません。魔物がまた進入するとも知れませんし、君、その入り口の警備に回ってくれませんか?」


「あ、はい。でも入り口を塞いでももう一度中を確認しないといけませんよね? この間にも何かが入っているかもしれませんし」


「ふむ、確かに。ではそこに居る二人に……」


 スラーさんはアーリアさんとグリアさんに顔を向けるが。


「お姉さん入り口の警備がしたいわ! 調査はクーちゃんに任せるわね!」


「我が君、安心してくれ。絶対に魔物を通したりはしない。だから安心して調査をして来てくれ!」


 二人が嫌がったということで、二度目の内部探索は僕とミアさんで行うことになる。

 流石に、こんな短時間で、二体目のミノタウロスが入り込むとかはないだろう。


「じゃあ任せたわよクーちゃん!」


「頑張ってくれ我が君、ではまた」


 アーリアさんとグリアさんは、馬を使って急ぎあの入り口の場所へ向かって行く。

 でも何か忘れているような?


「ミアさん、ではこちらも行くとしましょうか」


 僕はまたミアさんと地下通路の入り口に向かおうとするのだけど。


「ワタシ、ウシニク、タベタい!」


 ミアさんは牛肉を食べたいらしい。

 そういえばそうだった。


「え~っと、それはアーリアさんが……」


「タベタい!」


 僕はミアさんのキラキラとする瞳に負け、牛肉をおごる羽目になってしまった。

 なけなしの食費に壮絶なダメージを受けた僕は、ギルド内部の扉から地下通路へとおりて行った。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)


 虫の名前は黒鉄虫に変更しました。

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