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その成長はどうなんですか?

 ディザリアさんを加えた僕達は、フェイさんの住処を探っている。

 しかし中々厄介な人のようで、魔物が出て来たら大規模魔法を確実に撃ち込むのである。

 直ぐに魔力が無くなってお荷物と化すディザリアさん連れて、町の周りを探し続けて行く。

 僕達が町の南方向へ進むと、大きな看板を発見した。

 そこにはフェイさんの住処の場所が書かれている。

 その場所に向かったのだが、魔力が溜まってしまったディザリアさんにいきなり殲滅されてしまった。

 しかし運良く助かっていたフェイさんは、その光景を見て荷物を落とした。

「で、お父さん、言い訳があるのなら聞いてあげても良いわよ」


 ファラさんが片腕でディザリアさんを無力化して、片腕で剣を向けながら喋っている。

 とうぜん相手は自分のお父さんであるフェイさんだ。


「……ふう、そんなの決まってるじゃないか! お父さんファラちゃんにずっと会いたかったんだよ! 来てくれるって言ったのに、結局一回も来てくれないし、寂しかったんだあああああ!」


 そう言って手を広げたフェイさんはファラさんに向かって抱き付こうとしていた。

 あわよくばキスでもしようと口をタコのように突き出している。


「馬鹿なことして、お仕置きよ!」


「ぐああああああああ!」


 カウンター気味で殴られたフェイさんは、足を上にして地面を滑って行く。

 しかし前衛職としてレベルを上げているファラさんの一撃にも、フェイさんは耐えてしまった。

 普通に立ち上がってコキコキと首を鳴らしている。


「ふむ、愛のある一撃だ。ステキだよファラ。……そして貴様だ。貴様だあああああ、クー・ライズ・ライトオオオオオ! 私とファラちゃんとの時間を奪った罪は重いぞおおおおおおおおお!」


 フェイさんからは物凄い殺気が放たれた。

 娘を奪われた親の殺気というのだろうか?

 余りの強烈さに体がビクッと反応した。


「落ち着いてくださいフェイさん。ファラさんとの時間なら今からでも作れば良いじゃないですか。もう魔王の手下なんてやめて楽隠居でもしたらいいんじゃないでしょうか?」


 僕はとりあえず説得をこころみた。


「なめるなああああああああ!」


 優しく言ったつもりなんだけど、何故かフェイさんは更に怒ってしまう。

 怒りと共に鎧からバチバチと雷光を放っている。

 説得は不可能かもしれない。


「クーをやらせる訳がないでしょ!」


 自分の父親を止めようとファラさんが動くのだけど、あんなよく分からない電撃の鎧に触っても平気なのかと疑問がわく。

 僕はファラさんの腕を掴み動きを止めた。


「たあああああああ!」


「ほわあああああ!?」


 はずだったのだけど、腕にしがみ付いた僕ごと引きずられてしまった。

 ファラさん、力やばい。

 しかし突撃したことで、敵よりも厄介なのをフリーにさせてしまったのだ


「アーッハッハッハ! やっと自由になったわ。こうなればもう全滅よ。全員覚悟しなさああああい!」


ディザリアさんの口から不穏な言葉が漏れ出ている。


「全滅って何いいいいい!?」


 僕は今、何をするべきか脳裏で悩んでいる。

 手を放して止めに行って間に合うのか。

 それとも何か別のことがやれるのではないのかと。


 結界の構築は正面だけならできなくはない。

 例えどれほどの規模だとしても、結界内にさえ入ってしまえば無力化できる。

 まあたぶんギリギリ死なないぐらいの攻撃が来るだろう。

 しかし、この人が何を使うのか分からないのが問題だ。


「ディザリアさん、出来れば電撃系のものでお願いします!」


 僕は一部の望みをかけてディザリアさんへお願いすると。


「アーッハッハッハ! いいわその願い聞き届けましょう!」


 嬉しいことに、僕の言葉を聞いてくれる知能は残っていてくれたらしい。

 ディザリアさんの呪文が始まる前に、背中から鉄棒を四本取り出した。

 味方の魔法に使うなんて初めてだけど、たぶん大丈夫なはずだ。

 大丈夫であってほしい。


「結界の内なる電力よ、数値となって強さを示せ。ナンバーズ・フィールド!」


 どんな魔法か分からないから、僕は上方に鉄棒を向けた。


「ペンタゴン・アルファ・ライトニング!」


 僕とディザリアさんの魔法がほぼ同時に発動する。

 これで間に合ったと喜ぶ僕だが、上から来ると思っていた攻撃は、じつは掌から前方に飛ばされたのだ。

 辺り一面に踊り狂うような白色の電撃が伸びて行く。

 それに対処するように僕は鉄棒を移動させようとするのだけど。


「やっぱり間に合わないよねええええええええ!?」


 その速度たるや、あッと言うことすらできない。


「しびいいいいいいい……」


 僕とファラさんの体には、死なないまでも痛みと痺れで動けないぐらいのダメージが残った。


「ハッハッハ、雷の攻撃が私に通じると思っている愚かさよ!」


 でも雷を操るフェイさんには全くなにも効果がないようだ。

 一応普通の人間だと思うのだけど、魔王に改造でもされたのだろうか?

 それとも着ているあの鎧が雷の攻撃を防いだとか?


「アーッハッハッハ! 私が雷の攻撃しか出来ないと思ったら大間違いよ! 食らいなさい、オクタゴン・オメガ・ダークネス!」


 ディザリアさんは、名前からして凶悪そうな魔法を使おうとしたのだけど。


「……あ、ちょっと魔力が足りないわ。だったら違う魔法を使えばいいだけのことよ! ペンタゴン――」


 ディザリアさんはまた魔法を使おうとしている。


「させると思うのかああああ! サンダアアアア!」


 だが、先にフェイさんの魔法の方が早く完成してしまう。

 僕でも知っている初級の魔法だけど、それゆえにとても早く発射したのだ。

 紫色の稲妻が、能力的に一般人のディザリアさんにぶつかった。


「ああん、痛いわ……」


 例え初級魔法でもディザリアさんは大ダメージを受けて体を地面に倒してしまう。

 衣服を崩す姿は色っぽいのだけど、今はそんな場合ではない。

 僕達はこの痺れが収まるまで行動ができないのだ。


「ふむ、これは私にとってチャンスなのかな? ではファラちゃんを持ち帰ると……。いやその前に、邪魔な男を抹殺してから……。いやでも万が一にもファラちゃんが治ってしまうと厄介だ。まずは愛の抱擁とキスをしてからにしよう」


 フェイさんはこの機会にと、ファラさんに両手を広げて向かって行く。

 口をタコのようにする光景はどこかで見たことがあるのだけど、今のファラさんでは抵抗できない。


「……ぅぁぁぁぁぁぁ!」


 フェイさんはファラさんをガッツリと抱きしめ、頬ずりを堪能したあげくに、頬にキスをしまくっている。

 とうぜん凄く嫌そうにしているファラさんだけど、まあ久しぶりの親子の再開なのだし、このぐらいは我慢してほしい。

 そう、僕の命の為に。


 でもファラさんもやられているばかりではない。

 痺れながらも少しずつ拳を握りしめている。

 そして。


「グゥゥゥゥゥ……ひっつくなああああ!」


 その力が解放されたのは、十数秒経った後だった。


「ぬおおお!?」


 フェイさんも少しで我慢しとけばよかったのに、娘との時間が愛おしくて出来なかったのだろう。

 またも足をおっぴろげて飛んで行く。


「あっ、治ったわ」


 ファラさんはちゃんと動けるかを確認し、フェイさんに突撃していった。

 僕の方も随分マシになって動けるようになったようだ。

 フェイさんが起きる前に、まずは陣地作りから始めなければ。


「ちょ、ファラちゃんやめて。お父さん痛いんだけど。もうちょっと優しくしてくれると嬉しいな」


「煩いわね!」


 ファラさんがフェイさんをボコっている間に。

 そう思った僕は、手早く十メートル四方の結界を完成させた。

 どうぜあのぐらいじゃ倒せないだろうし。


「くぅうう、ファラちゃんに殴られるのも中々の喜びだが。……脱出!」


 フェイさんは空を浮遊して逃げていく。

 殴られたところをウットリとして撫でている姿は、まるで変態のようである。

 村に居た時にはもう少し真面だった……いや、そうでもないだろうか?


「お父さん、本当にやめてくれないと本気でぶっ殺すわよ!」


 ファラさんのイライラ度もたまって来ているようだ。


「ファラ、恥ずかしがらなくてもいいのだよ。さあお父さんの胸に飛び込んでおいで」


 フェイさんは空の上で両腕を広げている。


「誰が恥ずかしがっているのよ!」


 とうぜんファラさんは飛べないので行くことが出来ない。

 行けたとしても行かないだろうけど。


「さてと、ファラとの甘いひと時は一度中断しなければならない。それもこれもが、クー・ライズ・ライトオオオ、貴様のせいだああああああ!」


 僕を見て怒っているが、僕の方にも言いたいことは沢山ある。


「フェイさん、僕、別にファラさんと付き合ってるわけでもないんですよ? 冒険者になったのも家を出たのも僕がたきつけた分けでも無いですし。別に僕、関係ないですよね?」


 と言ってみたが、別にあおってるわけじゃない。

 それでもフェイさんの表情にはビキビキと青筋が立つ。


「ここまで来て罪を認めないとは、もはや万死に値する! この私が引導を渡してやろう! ぬおおおおおおおおおおおおおおお!」


 そのフェイさんの怒りに呼応するように、鎧から発する紫電が天に昇っていく。

 その紫の電流は空に大きな黒雲を造り出した。

 町を覆い尽くす黒雲から雷光が嘶く。


「くおおおおおお、全世界の妬みの力よ! 嫉妬の力よ! この私に力をおおおおおおお! このゴミクズに捌きをおおおおおおお!」


 フェイさんは全能力を使って僕を攻撃するつもりなのだろう。

 しかし、もう勝ちは確定しているのだ。


「結界の内なる電力よ、数値となって強さを示せ。ナンバーズ・フィールド!」


 今結界を発動させたからだ。

 ちなみにファラさんとディザリアさんは、この結界内からは退避している。

 それも僕一人を狙わせる為だ。


「しぬええええええええ、パンデモニウム・メテオ・ライトニングウウウウウウウウウ!」


 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオという音。

 それに続き現れたのは、結界を越える規模の落雷の一撃。

 その速さたるや、人であれなんであれ、生物が避けられるものではない。

 だから、結界に届いたのも一瞬である。


「なにいいいいい!?」


 自身最高の魔法を消されて驚いているフェイさん。

 この結界内に落ちたのは、一と八つの零。

 一億という数字である。

 こんな数値は雷でしかあり得なかっただろう。


「やり過ぎてもなんだし、全部二百を増やしてあとは秒数に回します! じゃあフェイさん、覚悟してください!」


「うおおおおおおお、ぐはああぁぁぁぁぁ……」


 地面を踏み抜いた僕は、空に居るフェイさんに雷光のようにぶつかった。

 着ていた鎧はバラバラに砕け散り、意識を失ったフェイさんが落下して行く。


「おっと」


 最後は娘のファラさんに受け止められ、無事に地面に叩き落とされた。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

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