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向かう住処はどこにある?

 フェイさんから逃げた僕は、ギルドに避難した。

 その僕は、フェイさんが魔王の配下であるとのことをスラーさんに伝える。

 するとスラーさんは、戦力調査を行うことに決めて、僕とファラさんが行くことになる。

 ミアさんの代わりに別の人を入れた僕達は、フェイさんが住むという愛の家へと向かって行った。

 僕達はディザリアさんをチームに加え、フェイさんの愛の家とやらを探している。

 今は町の外に出て、そのアリかを探っていた。

 確か近くに引っ越して来たと言ってたし、そう遠くではないはずだけど、まだそれらしき物は見つかっていない。

 まあ町は安全だし急ぐことはないのだけど、それよりも今はディザリアさんが問題を起こしている。


「アーッハッハッハ、これでッ、止めえええええ!」


 ディザリアさんから撃ちだされるのは、僕達の周り全面を燃やし尽くす様な、特大の炎だった。

 本物の炎だったら僕達も燃え尽きているかもしれない。

 ちなみに相手はゴブリンの一体だ。

 過剰威力もはなはだしい。


「あの、ディザリアさん。流石にこれはやり過ぎでは?」


 僕は、注意の気持ちを込めてそう言ってみたのだけど。


「魔力を心配してくれるのね? 私はまだまだやれるわよフッフッフ!」


 ディザリアさんは全然聞いてはくれなかった。

 まあ僕の周りには人の話を聞かない人が多いし、こんなものかもしれない。

 ちなみに隣に居るファラさんは。


「やることがなくて暇だわね。体がなまっちゃいそうだわ」


 腕を回し、準備運動を続けている。

 魔物は出会った瞬間ディザリアさんが退治してしまう。

 職業の特性で、自然魔力回復量が多いのは分かったのだけど、それでもいずれ魔力が無くなるんじゃないだろうか?


「魔物はっけええええん! クワイエット・ブレイブスタアアアアア!」


 とても静かではない大地の爆発が起こり、一面に岩の散弾が飛ぶ。

 僕達がまだ見ていない魔物は、ボロクズのようになって倒されていた。

 しかしこんな人を連れて行けと言われるとは、もしかしてスラーさんは、全滅させて来いと言っているのだろうか?


「おっとと、魔力が尽きた。二時間ぐらい休憩しましょう。全開したら全力で暴れてあげるわよ。アーッハッハッハ!」


 ディザリアさんは役立たず状態と化しているのに、随分偉そうだ。

 膨大な魔力も無くなってしまえば、町に居る一般人にしかすぎない。

 それがバスターメイジである。

 もしかして、邪魔だったから僕達に押し付けたんじゃ?


「休憩するのを待ってる時間はないわ。今はお父さんを見つけないといけないし。クーあんたが背負ってやれば?」


 ファラさんが僕に命令を出している。


「えっ、何で僕が?」


 っと僕は聞き返したのだが。


「あんた暇でしょ。どうせ結界作らなきゃ役立たずだし」


 ファラさんは測量士の弱点を指摘した。

 まあその通りなのだけど。


「アーッハッハッ! 私の為に働きなさい!」


 その当の本人(ディザリア)は、立ち上がり高笑いをしている。

 なぜそんなに偉そうなのか。

 しかし、僕だって後衛なのである。

 こんな重そうな物を運んでいたら、本番で疲れ果てて頭も回らなくなるだろう。


「ファラさん、普通に歩いて貰えば良いんでは? 歩いていても魔力ぐらい回復するでしょう」


 僕は当然のことを指摘した。


「それもそうね、じゃあ歩いて貰いましょう」


 まあ当然だし、ファラさんも納得してくれたようだ。


「折角私の体に触れるチャンスだというのに、惜しいことをしたわね。もう二度とないかもしれないわよ。アーッハッハッハ!」


 ディザリアさんは僕のことを荷車ぐらいにしか思っていないのだろう。

 こんな感じでフェイさんの住処を探している。

 しかし、ディザリアさんは魔力が回復する度に魔法を撃つから、とても目立って仕方がない。

 どうせ目立つのならフェイさんから来てくれると早いのだけど。


「やっぱり来ないよね」


 僕は辺りを見回すのだけど、誰も来る気配はない。

 近くに居たら気付かない訳はないのだけど、こっちの方向じゃないのだろうか?


「何してんの、早く行くわよ」


 ファラさんとディザリアさんは、僕がグズグズしている間に先に進んで居たようだ。


「あ、はい。行きます行きます」


 僕は返事をして町の周りを回って行く。

 そして愛の家とやらを発見したのは、町の南方を探索していた頃だった。


「あれ、あれなんでしょう?」


 僕は町の近くにあった看板を発見した。

 その看板を見ると、矢印があり、『我が娘ファラちゃんとの愛の家はこちら。

 ファラちゃん、早く来て! お父さん待ってるよ!』っと書かれている。

 近くを通る冒険者たちが、チラチラとそれを見つめて通り過ぎて行く。


「ふう、お父さんったら、どうやら本気でやられたいようね」


 そう言ったファラさんは、その看板をバラバラに破壊していた。

 きっと恥ずかしかったのだろう。


「じゃあ行きましょう。お父さんが待っていますよファラさん」


 僕は普通に話しかけただけなのだけど。


「煩い!」


 ファラさんからは怒鳴られてしまった。

 僕達は矢印の通りに進み、幾つかの看板を叩き壊して進んで居る。

 そしてやっと発見したのが愛の家というやつだろう。

 大きな城という訳ではないが、そこそこ立派な屋敷だった。


 綺麗な真っ白い壁や、金に縁どられた窓枠、屋根は落ち着いたグリーンに染められている。

 屋敷を覆うように造られた塀の内には、立派な庭園が造られているのだが。


「気のせいかしら、なんか魔物達が庭園の手入れしてるんだけど……」


 ファラさんがその光景を見て驚いている。

 魔王の配下だから魔物の扱いも出来るんだろうか?


「いや、気のせいじゃないですね。間違いなく魔物が手入れしています。魔物って芸を覚えるんですね」


 僕は何となくその雰囲気に見とれてしまっていたのだけど、そんな場合ではなさそうだった。


「フッフッフ、魔物はっけえええええん! ペンタストラム・アルファ・ストーン!」


「えええええ!?」


 いきなりの魔法に驚いた僕は、ディザリアさんを止められなかった。

 生き生きとして凶悪な土系統の魔法を放ってしまう。

 もう魔法を撃てるだけの魔力が回復してたのだろう。


 綺麗だった庭園はグッチャグチャに変わり、庭に居た魔物達は全滅している。

 そして新品の愛の家とやらは、僕達が入る前に崩れ去ってしまった。

 こんなに早く魔力が回復するとは、恐るべしバスターメイジ。


「アーッハッハッハ! 一瞬で倒してやったわ。アーッハッハッハ!」


 そんな光景に、ディザリアさんは満足げに笑い続けている。


「……お父さん、まさか戦う前に死んじゃうだなんて……」


 ファラさんは、お父さんのことを悲しんでいるようだ。

 しかし、ファラさんのお父さんとはいえ魔王の手下。

 僕達が調査を終えれば、本格的な退治が始まるだろう。

 意外と最後が見られて良かったのかもしれない。


「私が根性を叩き直すはずだったのに……残念だわ」


 どちらかというと、殴れない悲しみの方が強いようだ。

 もうちょっと悲しんであげた方がいいのでは?

 まあ、終わったし、帰ろうかななんて思っていると。


 後ろから何かを落とすような、ドシャッという音が聞こえて来た。

 何だと振り向くと、顔を真っ青にしたフェイさんが、買い物袋を落としていた。


「……わ、私の愛の家が……」


 もしかして町に買い物に行ってたのだろうか。

 まあ、こんな町の外に家を建てれば食料にも困るよな。

 その為に助かったのだから良かったかもしれないけど。


「アーッハッハッハ! 現れたわね魔王の手下め。この私が退治し……ぐええええええ!?」


 その出現に黙っていなかったのがディザリアさんだが。


「あんたちょっと黙って」


 ファラさんにより髪の毛が引っ張られ、その首を背後にそらされた。

 体力的にも筋力的にも一般人のディザリアさんは、前衛で力強いファラさんには抗うこともできないのだ。

 今までやりたい放題だったから、扱いがだいぶん雑になっている。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

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