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じっくりと読み込んだ

 ジャンケンの結果負けた僕だが、フデの弱点を突き勝利を得た。

 今度こそと挑んだサイクロプスを撃破し、僕達は町に戻って行く。

 しかしその途中、運転している僕はフデに襲い掛かられ、またも契約してしまうことになる。

 一体なんの為に戦っていたのやら。

「お尻はやめてって言ったのに、言ったのに」


 僕達の後ろでは壮絶な光景が繰り広げられている。

 まあ当然見ようとは思わないが、酷い目に遭ってるのは確かだろう。

 そして十分後、フデはやっと解放されたようだ。

 僕達は剣が置いてあった台座の部屋に向かい、置いてあった本をじっくりと読み込んだ。

 今度こそ一言一句見逃さない。


 調べた結果、やはりサイクロプスを倒せるのはあの剣しかないようで、後のことは気にせず逃げれば大丈夫と書いてあった。

 確かに動きは鈍くて逃げるのは簡単にできそうだけど、後々の被害が不安である。

 町中に入られでもしたら僕の給料がまた吹き飛ぶだろう。

 そうなれば生活はまたどん底に逆戻りし、草を食い漁る日々が続く。


 今度は庇って貰えないかもしれないし、ギルドに飼い殺しにされる可能性もあるだろう。

 それだけは絶対にあってはならない。


「この本を読んで僕は理解しました。つまり、死ぬ直前のギリギリになれば契約は解除されるということです! 試してみたいと思いませんか?」


 僕は鉄棒を持って、ジリジリとフデに迫って行く。


「俺がそんな程度で気絶すると思っているのか! 返り討ちにしてやるぞ!」


 返り討ちで気を失うことができれば、それはそれで有りかもしれない。


「フッヒャーハー! おうやれやれ、俺っちは全然かまわねぇぜぇ。アッヒャッヒャー!」


 ラックは笑って煽りまくっている。

 こんな物のために死にかけるのは嫌すぎるが、さりとて呪いは消しておきたい。

 しかし僕一人が解除されたとしても、シャイリーンさんが居る限りフデは僕を巻き込むだろう。

 だから何方かを先に解除しなければならない。


「やめましょう、もっといい方法があるかもしれませんし」


 僕は襲い掛かるのを諦めて手を下ろした。

 どうせ一発では気絶しないだろうし。


「そうだな。俺達が殴り合ってもラックを喜ばすだけだ」


 だから僕は、油断して後ろを向いたフデを。


「てえええい!」


「のああああああ!」


 シャイリーンさんの方へ思い切って突き飛ばした。

 そのまま抱き付くような形になって、フデはちょっと赤くなっている。


「何するのー?」


 シャイリーンさんは特に気にする様子もなく、ただ不思議がっている。

 まあ僕が攻撃しようとしたわけではない。


「あああああ、フデがシャイリーンさんを襲ってるうううううう!」


 僕は近くに居るであろうツキコさんに呼びかけた。

 言われずとも来ていただろうけど、まあ念の為だ。


「言うなあああああああああああ!」


 そしてツキコさんが姿を現した。


「……さっき教育したばかりだというのに、直ぐにやるとは思わなかったわ。再教育よ」


 ツキコさんはフデの背後に回り込み、その首元に腕を滑り込ませた。

 あれは防御力とか関係なく、血流を止めるヤバイやつだ。

 即座にフデはこてんと転がり気を失った。

 そして空中で何かが弾ける。


「オゥ契約が解除されちまったぜぃ、望みが叶ってよかったなぁ。フッヒャー!」


 ラックが言う通りなら良いのだけど、とりあえず。


「シャイリーンさん、ちょっとこっちへ来てください」


 確かめるために声をかけた。


「なーにー?」


 シャイリーンさんはこちらに歩き、まだ教育とやらを続けられているフデから距離をとった。

 今までなら引き寄せられるはずだけど。


「どうやら本当に成功したみたいですね」


 でも助かると分かっても全くやりたいと思わない。


「オォウ、だから言ったじゃねぇの、信じろよ相棒ぅ。アッヒャ―!」


 しかしやらないとこの変な剣とお別れできない。


「つ、ツキコさん、シャイリーンさんを気絶させてあげてください!」


 でもへたれた僕はシャイリーンさんを指さしてしまった。


「えー、私もやるのー?」


 シャイリーンさんは首をかしげている。

 女性を狙わせるのは本意ではないが、これも呪いを解くためなのだ。

 僕の勇気が出るまで先にお願いしたい。


「……まあ別にいいけど、じゃあ覚悟しなさい」


 ツキコさんは何故か僕の前にやってくる。


「あれ、違うんですよ? 僕じゃないんですよ!?」


 僕は後退りするのだけど壁で動けなくなってしまった。


「……事情は知ってるし、両方気絶させれば問題はないわ。最初っからこうすればよかったのよね。ダーリンに酷いことばかりしているし、大丈夫、手加減はしてあげるわ」


 ツキコさんは殺意の籠った瞳で笑っている。

 もしかして、気絶するまで苦しめって事でしょうか?


「いやあああああああああああ!?」


 逃げようとする僕の背後に組み付かれ、ギリギリと意識を持って行かれそうになったり戻されたりと自由自在にいたぶられる。

 そのまま三分ぐらいやられて、僕は気を失ってしまった。


「助かった? ……いや全然助かって無いんですけどね……」


 ハッと気が付いた時、最後の一人だったシャイリーンさんも気を失っていた。

 だからラックは床に落ちて、全く喋らなくなっている。

 僕達との契約は無事に破棄されようだ。

 

「よし、台座に戻して終了……?」


 僕は台座に剣を戻そうと動くのだけど、触ったらまた契約されてしまうことに気が付いた。

 もしかしたら間接的にでもダメかもしれないと判断し、スラーさんに話してみると。


「分かりました、そのぐらいならこちらでやっておきましょう」


 スラーさんは頷いてお願いを聞いてくれた。


「ありがとうございます!」


 僕は直角にまで腰を曲げてお礼を言った。

 で、この話しはこれで終わるかに思えたのだが、その二日後。


「ライズ・ライト君、この前青いサイクロプスの話をしていましたよね?」


 僕はスラーさんに呼び出されていた。

 座りながら見上げて来る目が何か怖い。


「えっ、ああ、デス・ギガンティック・サイクロプスのことですか? あれあの変な剣でしか倒せなくて大変だったんですよね」


 今となっては笑い話である。

 たぶん確認のために呼び出されたのだろう。

 そう思っていたのだけれど。


「じつはですね、氷漬けにされたそのサイクロプスが復活したらしいんですよねぇ……」


 僕を見上げる眼光は更に鋭いものになっている。

 そういえばそいつのことをスッカリ忘れていた。


「ハハハ、冗談言わないでくださいよ」


 僕はあさっての方向を向いて笑ってごまかそうとするのだけど。


「冗談で呼び出しまでかけたりしませんよ? その剣でしか倒せないなら、当然行って来てくれますよね?」


 スラーさんからの頼みという命令で、再び剣を持たなければならないようだ。

 でも別に僕じゃなくてもいいし、別の人に持ってもらおう。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)

 リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)

 ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

 フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)

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