決まったのは?
三千の数値をため込んだ僕達は、魔王の使いを倒し終えてデス・ギガンティック・サイクロプスを呼び出した。
能力も時間も充分にあると、一気に決めにかかった僕だが、サイクロプスはあり得ない回復を見せた。
止めまでさしたのに新品に復活してしまうのだ。
どうにもならないまま時間は過ぎ、もしかしてラックを使わないと倒せないんじゃと思い至る。
しかしシャイリーンさんの動きは鈍く、剣を当てるのは無理そうだ。
だから結局どっちが持つかで口論になり、ジャンケンで決着をつけることに。
「ぐふぉおおお!?」
僕はグーを出し。
「ふはははははは、俺の勝ちだライバルよ!」
フデはパーを出している。
これで僕の負けになってしまった。
でもこの程度で慌てたりはしない。
「そうですね、ではお願いします」
分かり切った表情でそう言った。
「はぁ、俺が勝ったんだから持つのはライバルだろう!」
フデは当然怒鳴って来るが。
「何を言ってるんですか、あれは不幸の剣なんですよ? だったら運が良い方持つべきじゃないですか。不幸の中にも幸運を。その方がきっと上手くいきますよ!」
もちろん反論を決めていた。
「うぐ、そうかもしれないけど……むむむむむ」
まだ悩んでいるみたいだ。
「早く行って来てください! 女の人ばかりに頑張らせていいんですか! 好きな人に頑張らせたままでいいんですか!?」
僕はその背中をドンと押す。
「すすす好きじゃないけど、仲間のピンチだし行ってやろうじゃないか!」
フデは周りにツキコさんが居ないかと怯え、シャイリーンさんの居る場所へ進んで行った。
そのまま敵の攻撃の隙をつき、ラックの刃へと手が触れる。
「ヒャッハー! 二度目の契約まいどありぃ。嬉しいぜぃ相棒、また仲良くやろうやぁ、ファッヒャ―!」
「ああ煩い、これじゃあ全然意味がないじゃないか!」
フデはラックと契約できたようだ。
シャイリーンさんから剣をもらい。
「うおおおおおお!」
サイクロプスに攻撃を始めていた。
しかしたまに行動範囲を間違えて、剣に引き戻されてしまっている。
「おおおおい、これは俺のせいじゃないだろう!」
そしてツキコさんの石のつぶてが飛ぶ。
たぶん焼きもちでも焼かれているのだろう。
相当愛されているのかもしれない。
「てええええい!」
僕も仲間からもらった百二十の数値を使い、自分を強化して戦いを続けている。
先ほどとは違い、一分でとはいかないようだ。
「ンンンアアアアアアアアア!」
サイクロプスは足を踏みつけたり腕を振り回したりと、大振りの攻撃を繰り返している。
シャイリーンさんやフデのように頑丈ではないから、一撃でも食らったら絶対に不味い。
無理をせずに横のくるぶしあたりをチクチク攻めとこう。
「はああああああああ!」
「フッヒャー!」
でもフデが攻撃をするとサイクロプスも体勢を崩すようだ。
「おわわ!?」
僕の居る場所へ倒れそうになることもしばしばあり、下手したらつぶされてしまう。
やっぱり離れとこう。
「ンアアアアア……」
そしてだいたい二人の活躍でサイクロプスが倒された。
念の為に五分ほど待ってみたが、今度こそ起き上がらなくなったらしい。
不幸の剣はやはり不幸しか呼ばないようだ。
「ふぅ、退治完了ですね」
僕はサイクロプスから相当離れた距離で額をぬぐう。
「ほとんど何にもしてないだろうが!」
フデは怒っているが。
「何を言ってるんです、僕は最初に三回も倒したじゃありませんか。それが無かったら復活することだって分からなかったんですよ? 適材適所ってやつです!」
前半戦でちゃんと活躍していたのだ。
「くぅ、ああ言えばこう言う奴だ」
フデは多少は納得したらしい。
「オウオゥ、改めてよろしく頼むぜ相棒ぅ、今後ともよろしくなぁ。フッヒャー!」
そしてラックはまたも相棒を増やしてホクホクしているようだ。
「じゃあぁ、敵も倒したしー、帰りましょうかー」
シャイリーンさんは鎧を倒してうなずき。
「そうですね」
僕もそれに同意した。
色々な道具を撤去して馬車に乗り込んだのだけど、ちょっとばかり気になることがある。
「フデさん、これからシャイリーンさんと同棲生活しなきゃいけないんですけどどうするんですか? お風呂とかトイレとかベッドとか色々あるでしょう」
馬車を運転しながらちょっと尋ねてみた。
その僕の声と共に、どこかしらから殺気が漏れ出てきているようだ。
これはやはりツキコさんか。
「ふっ、一つだけ教えてやろう」
しかしフデは慌てていない。
何か考えがあるのだろう。
「それはな……お前を巻き込めば二人っきりにならないんだよ!」
「フッヒャー! 契約者様、いらっしゃああああああい! アッヒャ―!」
驚いた僕にフデが襲い掛かって来た。
「はああああ!? ちょっとおおおおお!?」
運転席に居た僕には躱しようがなく、ラックと契約が完了してしまった。
これでは魔王の使いを倒した意味が全くないし、残りはあと五日しかない。
本当にどうしようか……。
もういっそ臭い汁を体に塗りたくって。
……いや、他に方法があるはず、きっとあるはずだ!
そうじゃないと嫌だし!
「というか、あの本も持ってこれば良かった!」
今度こそ読み飛ばさないようにと決め、町へと戻って行った。
「急ぎたいのに急げない……」
しかし、町に着いた僕達はとても長く待たされている。
ギルドの扉は近いというのに触ることができないのだ。
「俺はちょっとトイレに行きたくなったんだが……」
フデもちょっと大変な事態になりかけている。
それもそのはずで。
「ヒャッハー! 待ちわびてるぜぃ相棒よぉ、このノンビリやさんめぇ! アッヒャ―!」
「急いでるよー、でも鎧がなかなか脱げないのー」
今の持ち主はシャイリーンさんなのだ。
彼女が動かなければ、扉に触れる前に剣に引き戻されてしまう。
担ぎ上げて連れて行きたいところだけれど、重すぎてどうにもならないのだ。
「ふうぅ、たいへんー。じゃあちょっとしまうねー」
三十分かけて鎧を脱ぎ終わり、シャイリーンさんはきちんと馬車にしまおうとしている。
でもそれを待ち続ける訳にも行かないのだ。
「悪いが緊急事態だ、先につきあってもらうぞ!」
鎧を持ち上げようとする前に、フデは思い切ってシャイリーンさんを持ち上げた。
そのままトイレに駆け込んだようで、僕もそれにつき合うことになってしまう。
生理現象を止めようもなかったのだけど、女性を連れ込んだのが不味かったのだろう。
出て来たところをツキコさんに教育された。
クー・ライズ・ライト (僕)
グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)
リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




