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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

規約違反の断罪

作者: 躑躅姐さん

思い付きで書いたものですが最後まで読んでいただけると幸いです

あの日全ては変わった。


私は神の間に鳴り響く警告音で目が覚めた。

神として生きてきて初めてのことだった。

思っても無かったことに天使達も集まり警告音の内容をみて事態の深刻さを知った。


WARNING!

未知の生命体の出現を確認、使用出来る全勢力を持って対象を制圧せよ、特徴は身長が1.......重...k........


「神様、何が起こったんですか!?」

「我々はどうすれば!」


せめて敵の数と能力さえ分かれば対象出来ると思うのだが...


「神様!敵の情報がわかりました!」

「一体誰がこんな事を...」

「敵の兵力は1、念話及び周囲に何も居ない事から単独での侵攻かと」

「何故そこまでわかった?」

「対象は現在動いていません、我々が近付いても敵対行動一つせずただこちらを見つめながら棒立ちしているだけでした」


奴の目的はなんなんだ?

何故単独で来た?

なんのために?

何処から?


謎は深まるばかりで何も解決しない、ただ一つ言えるのはたった一撃で半径38kmを生物1つ存在しない枯れ果てた焦土と化していた事だけだ。


「なるほど、慎重に対象を観察し続けろ、迂闊に近付くな、相手が動いてない限り現状は何も無いのだからな、それと万が一の為にヤハエルを向かわせる」

「わかりました、引き続き対象の観察を続けます」


そういい出ていった天使を見て思い出した。

1ヶ月前に別世界から人間を転生させた事を。


ーーーー



俺は第十四天翼会第十三翼代表ヤハエル・マルクス、今日はいつも通り人間界の偵察の予定だったが危険因子の出現により予定変更、対象の観察に専念しろとの事だ。

もうすぐ下級天使が見つけた出現地帯になるはずだが聞いた通りの景色に恐怖を覚えてしまった。


野原は焼け木々は炭化し葉1枚残っておらず、動物は影すら残っていなかった。


「核爆弾でも撃ったかのような光景だな」


俺がそう言うと周りの天使達も静かに頷いた。

だがあれと違うの発生させた元凶がまだ動いているという事だ。

緊迫した空気だけが漂う中遂に爆心地付近に到着した。


半径10m程のクレーターの中心に人によく似た生物が棒立ちしていた。

クレーターの周りは炎に包まれており、それの周りを囲っている。


「マルクス様あれです、今回の騒ぎの元凶」

「あぁ、見たらすぐにわかった、アイツはやばい奴だ、俺でさえ威圧を受けている感覚に陥るほどだ」


対象とは500m程離れた場所からの観測の為詳細まではわからないが身長は人間でいう低身長くらいで髪が赤くかなり長い。

対象は棒立ちしており今のところ動く気配はない。


「マルクス様!南東の空から生体反応を確認、人間とドラゴンのようですね」

「なんだと!?」


見ると南東の方角から飛竜とそれに跨る人間がぽつぽつと見え始めた。


「一旦引いて観察を続行するぞ、何か新しい事が得られるかもしれん」

「分かりました、総員上昇せよ!」


そう言うと周りの天使達は皆高度を上げ対象から距離をとる。

それとほぼ同時に人間達が自分たちの先程までいた距離に辿り着く。


「音声は録音しておけ、後で有意義な物が得られるかもしれんからな」

「分かりました、録音を開始します」



ーーーー



「おいおい、なんなんだ?あの揺れと爆音は」

「分かりませんが方角的にダガル平原とカルナ森の周辺で起きたものと思われます」


ちっ、勇者になって1ヶ月しか経ってないのにこれとはつくづくついてねぇな、他のクラスメイトの奴らと一緒に調査に行かなきゃならねぇ。

まぁいい俺はこの世界では神から強い力を授けられた最強の力がある、魔王でもなんでもかかってこいってんだ、正々堂々ぶっ潰してやるからな。



「おいおい、まじかよここが魔族領か?」


目の前の光景に俺以外のクラスメイト全員が言葉を失う。


「ここは地図上から見てもダガル平原のはずですが...」


平原とは思えない程のくっきりと境のできた焦土が姿を現した。

境を地平線上に見ると円状になっているらしく少し丸みがかっていた。


「グァァァ......」


心配そうに飛竜がこちらを見つめてくる、その目はこの先には危険があると俺に言っているかのようだった。


「丸く円のように焦土になっているようです、この場合十中八九真ん中に原因となるものがあるはずです」

「なるほど、流石スズツキ殿頭がいいですね」

「それでどうするの?真ん中に向かっていくの?」


クラスメイトが騒ぎ立て始める、ここに残って周囲の生態系の変化を調べたい人、王国に戻り現状の全てを伝え兵士などを要請したい人、このまま真ん中に向かっていき原因を突き止めたい人の3グループに分かれ、そのグループのまま行動することに決めた。

俺は勿論真ん中に向かって原因を突き止めるグループになった。


中心が近くなってくるとぽっかりと大きな穴が空いていた、直径15mはあるだろうその中心にはなんと女が居た、遠いからよく見えないが俺らと同じ世代か、それより少し若いくらいに見えた。


「おい、ただの女じゃねぇかよ、俺らと同じ転生者とかじゃねぇの?行こうぜ」

「待ってください鈴月さん、あれは危険です」


俺に待てと言ったのは同じクラスの地味メガネこと佐藤だった、奴は俺らの知らない異世界の知識を沢山持っておりかなり信頼出来るやつだった。


「なんだ佐藤、あの女のどこが危ないってんだ?」

「あの出方、あの無防備に見える立ち姿、周りの環境、この状況を見て奴は魔王かそれ並みに力を持った我々の敵か味方ですよ」

「味方の可能性もあるのか?」

「転生系だとああいうのを仲間にしてハーレムを築くのがよくあるのですが敵になった場合とても危険でしょうね」

「なるほど、現状は何も出来ないと」

「そうなりますね、あちらからは何も動いてないので今のところ特に害はなさそうですが」

「何女1人にビビってんだよ、俺が1人で行って味方なら口説き落として敵なら地獄に叩き落としてやるよ」

「待て!木村、そいつは危険因子だぞ!」


俺の静止を聞かずにそのまま女の元へと飛竜を急降下させる木村に頭を抱えつつ俺と他の奴らもゆっくりと高度を落として行った。


「ふぅん、相当可愛いじゃねぇかよ」


下卑た笑みを浮かべながら木村は女に近づいていく。


「貴方もトカゲさんに乗ってるのね」

「あ?」


今まで無言だった女が初めて声を発した、透き通るように綺麗で優しい声に一同は聞き入った。


「あなたもってことは君も飛竜に乗ってるのか?」

「うんうん、私のトカゲさんはトカゲさんだから空は飛べないし竜じゃないの」


質問したらちゃんと返してくれるらしい、悪いようには見えなかった。


「何処から来たの?」

「ご褒美を貰うために来たの」

「ご褒美?」

「そう、宇宙で1番美味しいケーキ」

「ケーキか、それは誰がくれるの?」

「ベギルって名前の優しいおじさん!」

「なるほど、べギルおじさんか因みにご褒美ってことは何かいい事したのかな?」

「うんうん、まだしてない!」

「何をしろって言われたの?」

「えっとね、確か...」


そう言いながら異空間に手を突っ込んで1枚の神を取り出し、それを俺たちに見せてくれた。



重大な規約違反により神メビル及び第一から第十四の天使の破壊、規約違反により発生した転生者の破壊、住人の収容及び記憶操作の為、神殺しの悪魔を惑星ガンティークに派遣する。

神メビルに味方した神は同じように破壊する為惑星ガンティークに近付く事を固く禁ずる。

断罪の神べギル


「転生者の破壊...?神殺し?」

「お兄さんどうしたの?そんなに青ざめて、もしかして転生者さん?」

「ち、違う、俺は転生者じゃない」

「そう、嘘つくんだ.....」


声のトーンが落ちたかと思うと地面から5mは軽く超えた巨大なトカゲが姿を現す。

「仕事か?ツツジ、それならさっさと代わりな俺の相棒にな」

「分かった、ちょっと待ってね」


そう言うと脱皮するかのように女の皮が剥がれ落ちていき、全て落ちた頃には最初より一回り小さくなった少女が現れた、前と違い髪の毛は真っ白だった。


「さぁ、姉さんに美味しいケーキ食べさせてあげる為に働くとするか、ロヤニのジジイ」

「バカがその名前で呼ぶなアザミおばさん」

「はぁ!?てめぇ私の何処がおばさんだよ言ってみろコラ」

「なら俺の何処がジジイなのか言ってみろやゴラ」

「「お前は歳がジジイ(おばさん)だろ!」」

「「.......」」

「ロヤニ、話は後で決着をつけるぞ」

「分かった、先にこいつらを殺せばいいんだろ?」


「「精々足掻いて見せろ弱者(人間)め」」

「「.......」」

「セリフくらい合わせようぜ、私ら何年一緒にやって来てんだ?」

「そうだな、あの脱走からだから軽く10万年は超えるな」

「ふ、ふざけるな!お前らみたいな適当な奴らに俺ら転生者が負けると思うなよ!」


2人のコントのような話に苛立ったように剣を持ちアザミという名前の少女に近藤が斬りかかった。


グサッ


「えっ.....」

「は?」


そのまま少女は剣が腹に突き刺さったままロヤニと呼ばれるトカゲの方に倒れる。


「ちっ、お前は重いんだから俺の上に乗っかろうとするな」

「いやー久しぶりにロヤニの弾力を感じたくなってだな」


腹に刺さっていた剣は柄を残して全て消えており刺されたはずのアザミは無傷だった。


「ふむ、この味は鋼かな?この硬さがいい美味しさだよ、腹が減っては戦ができぬって誰かが言ってたしね、これはお礼の1発」


そう言うとアザミは手先を刺さっていたはずの剣の形に変えてそのまま近藤の首を斬った。


「っ!?」


首を中途半端に斬られ声も出せずに呼吸音だけが生々しくヒューヒューと倒れた近藤から聞こえてくる。


「よくも、よくも近藤をやってくれたな!グランドドロップ!」


佐藤が血迷った顔で魔法を唱える、周りの岩が浮き上がりアザミに降り注ぐ。


「悪いね人間、いいこと1つ教えてあげる、私は全身が金属で出来てるの、だから地攻撃は得意なのよ」


岩を爆破し抜け出したアザミはそのままの勢いで字面を殴るすると佐藤とその周りの地面が爆発を起こし佐藤が姿を消した。


恐怖で気が付かなかったが他のクラスメイトが居ないことに気が付く。


「はぁ、やっぱり人間ってのは食うもんじゃねぇな、飛竜とやらのが美味かったわ」


俺がアザミとの戦いを見ている間に俺を除く他のクラスメイトは全てロヤニに食われていたのだ。


「なんで俺だけ...」

「そうね、質問するわ、それによっては生かして元の世界に特別に返してあげる」

「何を言えって言うんだ」

「転生者はこれだけ?あぁ、嘘ついても全部見えるから本当のことだけを言ってね?」

「く、クラスメイトはあと20人だ....これでいいのか?」


アザミは少し悩んだ顔をするとすぐに明るくなり告げた。


「もういいわ、あなたは元の世界に返してあげる、ここであった記憶は全て消すけどね、じゃあまたどこかで」


そうアザミが告げると俺の視界はブラックアウトした。


長編小説を書くのにはまだ早いと思ったのでたまに短編を出して上手い小説が書けるように努力していきますm(_ _)m

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