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上司さんのお話①
ある日、いつもの様にお仕事をしていた。
プラネタリウムがある施設…て言ったら、分かるかな?
エンジニアさんがつくったもの、小さな子供達がつくったもの…たくさんの技術がつまった建物。
「今日もお客様、多いなぁ…」
『あっ、安藤』
後ろから声を掛けてきたのは、上司の山下さん。
私がここに入って、お世話になっている人。
「はい」
返事をすると、こう言われた。
『ちょっと、来てくれ…』
そう言って、歩きだした山下さんを見て、私は不安になった。
何か失敗したのかな…最近は、失敗しないようになったんだけど…。
『あっ、入ってくれ。心配しなくて良い、嬉しい事だ』
山下さんは、笑顔で言いながら部屋へ私を促した。
「はい…」
嬉しい事って、一体何だろう…?
『安藤を呼んだのは、これだ』
部屋へ入り、椅子に座ると一枚の紙を差し出された。
「これは…」