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あれから…
「ごめんね…」
月を眺めて、ポツリと呟いた。
あの日から一年が経った。
星夜くんには、申し訳ない事をしたと思っている。
だけど、あの頃の私には…それしか思いつかなかった。
天文台に来て、色々あったけど…何とかやってきた。
時々、こうして月を眺めながら思い出すのは、星夜くんの事。
もう、会えない…私は、最後に彼を裏切った。
今更、気持ちを伝えるなんて出来ない。
好きだった…だったじゃなくて、今でも好き。
だけど、言える訳なんてない。
きっと、私は…この罪悪感を胸に生きて行くと思う。
大好きな月は、あの日にいなくなってしまった。