3人の出会い Another sky3
これが番外編ラストの終章です。
果たして蓮と翔はどうやって高学年の浜田と戦うのか…
そして3人の出会いの全てが分かります。
最後にはあの人も登場するかも…
番外編 後編「三人の絆」
秋祭り「二日目」
桜「ねぇ、ほんとにやるの?」
翔「なに今さら弱気になっとんじゃ。」
蓮「お前もやられっぱなしは嫌だろ」
桜「でも…やられっぱなのは嫌だけど…
二人が怪我するのもやだ」
翔・蓮「…ぷぷっ。あっはは」
桜「なによ」
翔「そのキャラまじできしょいぞ。なぁ蓮」
蓮「ほんとな。お前は堂々としとれ。」
桜「…ありがとう。」
蓮「見てみぃ。試合始まったで。」
翔「やっぱり圧倒的だな…勝てんのか?」
蓮「翔!お前がビビってたら勝てるもんも勝てへん」
翔「分かってる」
蓮「この試合が終わったら終わりじゃ。
表彰の時めがけて行くぞ」
翔「おう」
桜「私は?」
蓮「お前はここで見ちょれ」
翔「おれらが勝ってくるところを」
蓮「行くぞ。翔」
翔「おう!」
高学年の部、優勝は六年の浜田…
蓮「その優勝、ちょっと待ったぁー」
観客「なんだなんだ?」
蓮「俺は低学年の部三年連続優勝の楠木 蓮だぁ」
翔「同じく三年連続優勝の鬼灯 翔だぁー」
周り「翔、いつもすぐ負けてるやん」
翔「うるっさい。黙っとれ。俺の友達がこいつに殴られて泣いてるんじゃ。」
翔・蓮「勝負せい」
浜田「なんじゃこいつ?早く表彰してメシ食いたいわ」
周り「なんかやるみたいやぞ!」
周り「低学年対高学年の勝負らしい」
浜田 人が集まってきたな…「なら勝負してやる。勝負するからには、そっちはなにくれるんや?」
蓮 きた…「こっちは今までの優勝分の祭りチケット15枚じゃ」
浜田「15枚?足りないな。勝負はなしや」
えっ嘘…15枚でのってくれると思ってたから、この後のことなんも考えてへん。
蓮「そんな事言わないでさ?なぁ受けてくれよ」
浜田「なんでんな事しないといけないんだよ」
桜「20枚よ!私の優勝分も合わして」
周り「20枚だってよ。」
周り「これで受けなきゃ男じゃないぞ!浜田」
浜田「ちっ。なら受けてやるよ」
蓮「こっちはこの翔と二人だ」
浜田「ええよ。こいよ。」
蓮「行ってこい翔」
浜田「二人で来なくていいのか?」
翔「お前なんかおれ一人で十分じゃ。
その代わり負けたら桜に謝れや」
浜田「いいだろう。負ける事なんかないけどな」
蓮「その言葉忘れるなよ」
はっけよいのこった。
夕暮れ時の空にその声は響き渡った。
桜「翔がんばれ」
お前が成功しないと俺は負ける…頼む翔。
浜田「言ってた割に大した事ないな。」
翔「当たり前や。俺はこの三年優勝したことはない」
浜田「なんやてぇ?」
翔「おれはすばしっこいからな。お前のスタミナ切らすぅ作戦じゃ」
浜田「ゼェゼェ…ならおれは自分から動くのを止める。」
翔「だと思った。そこで攻めるんや」
蓮「バカ。翔。突っ込むな」
浜田「かかったな。」
翔の身体は空を飛んだ。ズドン。
審判「勝者!浜田」
翔「すまん…蓮。あいつそんなに疲れてないで」
蓮「わかってる。後は任しとけ」
んな事言っちゃったけど、相手は六年だぞ…
勝てるわけ…
桜「がんばれー蓮。がんばれ」
浜田「怖いなら逃げてもえんやで」
蓮「絶対勝って謝らせちゃる」
作戦Bするぞ翔。ボソッ
翔「了解」
はっけよい のこった。どしん。
蓮は当たり負けした。
いっだぁー…こいつでかすぎ…
しかも全然疲れてないし…
浜田「大した事ないな」
蓮「おれは全然本気出しとらんけん」
浜田「そっかぁ…なら、本気でいくけ」
蓮…こいつ力強すぎ…翔早く…作戦
翔「はーい注目!今ここにいる低学年全員にコーラプレゼントです。」
低学年達「まじで、ラッキー。コーラだってよ」
翔「みんな一斉に飲めー」
ブッシャーー。コーラの雨が会場に降り注いだ。
会場「なんだ、なんだ」
女「うっわーベトベト」
これは翔と蓮が昨日作った、開けた途端に爆発するメントスコーラ爆弾だ。
浜田「なんやこれ?」
蓮「メントスコーラじゃー」
蓮が浜田に突撃した。
浜田「そんなんに負けるか。あれ?土が…」
蓮「そうじゃ。土は濡れたら滑るしドロドロじゃ。やりにくいやろ」
浜田「なんやそれ。めっちゃ滑る」
蓮「おれはいっつも翔に田んぼ手伝わせれてるから、この泥は慣れてるんじゃー」
翔「一気にいけー蓮」
蓮「うおーーー。」
あれ?進まなくなった…端の方だけ濡れてない…
浜田「負けるか」
まずいこのままだと投げられる。
翔「叩きつけー蓮」
バッシャーン。泥が弾けた。
浜田「うわ…きたなぁ。」
蓮が一瞬にして背後を取った。
蓮「泥の中でそんな身体高くしとったら」
ズルっ。浜田が足を滑らせた。
翔「いっけぇー」
桜「勝てー蓮」
蓮「これで終わりや」
片足の浜田を豪快に投げ飛ばした。
勝者 低学年 楠木 蓮。
蓮「よっしゃぁーー約束や桜に誤ってもらうで」
浜田「ずるやんけ。このせこい奴め」
蓮・翔「勝負は勝ち負け。ずるなんかない。
謝ってもらうからな」
浜田「うっ…ぐぐ。すんません」
桜「もういいよ」
蓮「桜がよくても俺たちが良かないんじゃ」
翔「そうだ。このメントスコーラに何ヶ月分の小遣いつぎ込んだと思ってるだ」
蓮「いや…そーゆー事じゃないやろ」
蓮・翔「ちゃんと頭下げるまで許さへんからな」
浜田「本当にすいませんでした。ごめんなさい」
大勢の前で負けた浜田は、泣きながら去っていった。
蓮「よっシャァァァー俺たちの勝ちだ」
翔「俺らの勝ちだな」
蓮「めっちゃ疲れたな…」
翔「本当な…てか桜は?」
町内会「君たち…こんなに会場を荒らして、
何をしてるのかね?」
翔「ヤッベェ、町内会のクソジジイだ」
町内会「クソジジイとはなんだ!」
蓮「桜さん…これ勘付いて逃げたんじゃね?」
翔「マジで?賢いやつだな」
町内会「こら、待ちなさい、この悪ガキども」
その後、コーラだらけの土の後片付けと、掃除をやらされた三人だった。
蓮「めっちゃ疲れたな」
翔「疲れたな…」
翔「あのコーラ勿体無いな…」
蓮「飲んだら何日分あったんだろなぁ」
ピトッ!二人の頬に冷たい何かがくっついた。
蓮・翔「つめたぁーーー」
桜「私から二人に。ありがとうの気持ち…」
蓮・翔「お。おう」
翔「てか桜。おまぇ掃除から逃げやがって」
桜「なんのこと?サッパリわかりマセーーン」
翔「…そうだ…これやるわ」
それは町内会が急いで作ってくれた賞状だった。
桜「これ…勝ったやつでしょ…貰えないよ。」
翔「お前に渡したいんじゃ。なぁ蓮?」
蓮「おう」
翔「これは俺ら三人の友情の証だ」
桜「あり…が…とう。ほんとにありがと。」
また、桜は泣いてしまった。
翔「また泣きよったで」
桜「泣いてないよ。コーラ。これは。」
プシュッ!
その時の涙は夕日が照らして、ほんとにコーラのようだった。
そしてこの賞状は今でも桜の部屋に飾ってある。
この三人の腐れ縁は、この秋祭りから始まったのである。
桜「そーいえば、私まだお願い聞いてもらってないな」
翔「ドキッ…」
桜「何してもらおうかな」
翔「もう裸踊りでも何でもやったるわぁーー」
桜「なら明日の最終日やってもらおうかな?」
翔「勘弁してください…桜様…」
アッハハッ三人の笑い声が響く…
???「楽しそう…いいな…ああいうお友達」
???「何してるの?ボサッとしない。行くわよ葵さん」
葵「明日のお祭りで会えないかな…桜さん…翔くん…そして蓮くん…
そして今…
翔「遅いぞ蓮。ちょっち急がないと遅刻すんで」
蓮「ならちょっと急ぐか」
翔「ちょい早い。後ろの人重いんだって」
桜「重い言うなや」
蓮「行くぞ、桜 翔」
翔「だからまてぇーて。重いん…
桜「だから重い言うな。ばか。」
蓮「そーいえば今日の夢、秋祭り見たわ」
翔「なつかしーなー。まだ桜が素直な時やん」
桜「いまは違うみたいな言い方しないで。」
翔「なつかしーなーあの相撲はな。」
桜「だね。ほんっと懐かしい。」
蓮「ちょっと飛ばすぞ!」
翔「だから後ろ、重いんだっ…」バシィッ
こうして、いつもの高校生活が始まるのである。
三人の出会い 完。
番外編も終わり、来週から本編も始まります。
これを載せている時は血眼になりながら本編の続きを書いていることでしょう笑笑。
自分で書きながら「蓮かっけぇー」と思ってしまいます笑笑。
あの青春にあふれた高校生活を思い出し…恋愛をしていた自分を懐かしく思い返しながら読んでみてください。
これからもhana あの花を見た君と人生最後の夢を見る…のご愛読よろしくお願いします。




