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第4話 ダビデスの会戦

だんだん書くのが楽しくなってきました♪

「兄上、セリオスがダグラス砦をほぼ無傷で落としたそうですぞ。やはり、あいつは実戦になるとやる気をだしますな」


楽しそうに、話しかけるのはランカスター家の次男にして今回の作戦の副将キリウスである。


「簡単な役目だ、別に褒めてやるほどのことはない」


表情を変えずに、指揮官のレジンスが答える。


「そうですよ、キリウス兄さん。おかげでこちらに敵の騎士団がきちまったし、陽動になっていないんだから作戦は失敗でしょう。

所詮蛮勇が取り柄の血筋、我等とは質が違う」


苦々しげにランカスター家三男スカーベスが続く。


「言葉に気を付けろスカーベス。この作戦には他の領主の軍もいるのだぞ」


レジンスがスカーベスをにらみつけた。


…まぁ、たしかに盟主たる我がランカスター家以外の他の領主など蛮族の集まりだからな…


ランカスター家は大陸中央の貴族の流れを組む家門であり、ラルクス諸侯国の土着の領主達とは一線を画している。


とはいえ、建前上は盟約を結ぶ領主の連合国家がラルクス諸侯国なのでランカスター家もその中の1領主に過ぎず、他の領主に対して礼を欠いてはマズイのである。


「バイゼル様とマイセン様がこられました」


幕舎の外から兵が入ってきてレジンスに知らせる。


「うむ、それでは軍議を始めようか」


レジンス、キリウス、スカーベスの3人にバイゼル、マイセンの2人が加わって軍議が始まった。


「敵は6000だろう?わざわざ軍議などせずに、

さっさと叩き潰してしまえばよいではないか

なんならワシの部隊だけで攻めてもかまわんぞ」


バイゼルがそう言うと、


「さすがはバイゼル殿、ならば先鋒をお任せしましょう。そろそろ敵の増援も警戒しなければなりませんので一気に蹴散らしたい」


「うむ、レジンス殿それは有難いな、このバイゼルたしかに先鋒承った。

遊撃騎士団なら相手にとって不足はないしな、これでやっと暴れられるわ」


「メリスン王国の看板騎士団ですからね油断は大敵ですよ」

キリウスが笑っているバイゼルに忠告する。


本隊…レジンス5000

左翼…バイゼル6000

右翼…キリウス4000

左翼遊撃…マイセン2000

右翼遊撃…スカーベス2000


「バイゼル殿の左翼を先鋒にして敵に攻撃開始ということでよろしいかな?」


特に反論がないので作戦は決定しそれぞれが行動を開始する。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「動き出したな、ダビデスの住民は避難したか?」


敵を睨み付けながら遊撃騎士団団長のニクレウスが副官のマリアに問いかける。


「はい、ほぼ完了しています」


「よし、ならば思う存分暴れるのみだな」


ニクレウスはニヤリとして、騎士団に戦闘準備の合図をだす。


「ゆくぞ!全員騎乗、我等の力を思い知らせてやれ」


遊撃騎士団はその性質上、騎馬隊のみの部隊である。


機動力と打撃力はメリスン王国最強だが、拠点防衛には向かないのでダビデスの街で防衛戦をするわけにはいかずニクレウスは住民を避難させるしかなかった。


住民へは負担を強いるが少しでも勝つ確率を上げなければならない現状ではやむを得なかった。


「全員突撃!」


ニクレウスが剣を前に振り合図を出すと、ラッパの音が鳴り響き騎士団が動き出す。


騎士団は敵の先鋒のバイゼルに向かって突撃していき、ぶつかる寸前で左にかわす、そのまま左に駆け抜けると敵中央の本隊に突っ込んだ。


ニクレウスは敵が驚いて態勢をとれないうちに一気に敵陣を突き抜けて敵の背後に回ると、本隊を守ろうと移動している敵右翼の別動隊らしき騎馬隊を見つけた。


スカーベスは、敵の思いきった動きにどうしたらよいのか咄嗟に理解できず敵が本隊を突き抜けるのを見とれていた。

見事に突き抜けた敵の反転を見たときにわれにかえると


「本隊を守るぞ、続け」


とにかく本隊に何度も突っ込ませるわけにはいかない、自分の部隊を敵と本隊の間に移動させる。しかし、この判断が致命的な失敗となった。


スカーベスの騎馬隊の側面に遊撃騎士団が突っ込む、騎馬隊は横からの攻撃には脆いあっという間に崩れてバタバタと倒されていく。

スカーベスも敵に囲まれ最早これまでかと思った時、キリウスの歩兵隊が突っ込んできた。


「歩兵隊、崩されないようにまとまって前進せよ」


数を活かした歩兵の突撃でなんとかキリウスは弟を助ける事に成功する。


ニクレウスは、歩兵の突撃で騎士団の勢いが止められたのをみると一旦距離を取り小高い丘まで移動し部隊を纏めた。


「あの歩兵の指揮は見事だったな」


「えっ?あ、はい。もう少しであの別動隊の指揮官をたおせそうでしたが、残念でした」


ニクレウスの他人事のような問いにマリアは、


…これが実戦経験の差か、どんな状況でも冷静に敵を見る。頭ではわかっていても私にはそんな余裕はなかった…


「とりあえず敵は混乱している、次は本隊にはそう簡単には突っ込めまい。敵の左翼が怒りくるってこちらに向かって来ているからあれを敵から引き離そうか…

ナルシア、部隊を半分率いろ。本隊と交互に敵を牽制しつつ少しずつ退がるぞ」


ナルシアと呼ばれた騎士は承知したと槍を掲げる。


バイゼルは怒りくるっていた。せっかくの先鋒が、敵にかわされて全く役に立てていなかった。


「ええい!忌々しい敵を逃がすな」


レジンスは混乱した本隊を纏めて敵を見ていた。


バイゼルの部隊は、今度は敵にかわされないようにじわじわと進撃していた。

2つに別れた敵はバイゼルの部隊に交互に攻撃を仕掛けてくる。

だが、崩されてはいない逆に徐々に押し込んでいる、このまま数の力で敵を殲滅してバイゼルが先程の失態を挽回出来そうだなと思ったその時…


東側の丘に新たな敵が出現した、丘の上から騎馬隊がこちらを見下ろしている。

…敵の援軍ならば親衛騎士団の筈だ


レジンスはキリウスの部隊をそちらに向かわせる、


…敵の騎馬隊をバイゼルと本隊で叩いた後に、敵の援軍を包囲殲滅する


レジンスは作戦を決めると、本隊をバイゼルの援護に向かって移動させる。


この戦いの勝利を確信して敵の騎馬隊の片方とレジンスがぶつかった時に敵がラッパを鳴らしだした

「かかったなラルクスの奴等め。ニクレウスとウェリルが上手くやったな」


レジンスの本隊のすぐ横の丘の上に現れたのはガルシアの親衛騎士団だった。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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