あれ?チート?
俺と夏菜が向かったのは、少し離れた所にあった湖だった。湖では、二人の兵士がいるはずだったのだが見渡してもそれらしき影はない。
「やっぱり、さっきの鳴き声は……」
夏菜が落ち込んだ顔をして呟いた。実は、さっき湖に来る途中に夏菜が話してくれた話が関係してくる。湖には、昔から怪物が住んでいるとされていたらしい。ここに出る怪物というのは複数体で行動するらしく逃げれてた者はいないとまで言われる。湖の名前のコベレ湖からとって”コベレの怪物”と呼ばれているそうだ。(夏菜はまんまだねと笑っていた。)
「グワァァァァア」
そこには、二匹の異形の怪物がいた。一匹は、額に角が生え、豚鼻で、目がつり上がっている。もう一匹は人間の形をした木だった。
「あれは…オークとトレント?いや、でも…」
口ごもる夏菜。
「…ん?なんだよ。」
「あれは、普通の魔物じゃないよ。……明らかに異常種だよ。」
「へぇ、魔物っているんだ。で、異常種ってのは亜種みたいな?」
徐々に近づいてくる二匹を尻目に俺は夏菜に問う。
「ええ、そうね。…でも、亜種なんて可愛いもんじゃないわよ。」
「…まじですか。」
俺がやばい勝てないかも…と思い始めていた時。
「まあ、私一人で大丈夫かな。じゃ見てて。”顕現せよ、レーバテイン」
夏菜は、小さな呟くような声で呪文らしきものを唱えた。すると、夏菜の手の中には、長剣が収まっていた。真っ赤な刀身に同時に腰に現れた鞘と同じ金の装飾が施されている。「はぁぁぁぁ」
すると、気合いを入れながら夏菜はレーバテインを握りダッシュした。オークとトレントをそのまま一太刀で焼き切る。
「な、なんなん…」
俺は、色々ありすぎてなにも考えられなくなっていた。そして、そのまま意識を失った。
読んでくださりありがとうございます。
この話を書いていて自分でも気になった点がありました。夏菜のチート疑惑と涼太郎気絶体質です。これの理由は後々書いていく予定です。気長にお待ちください。