血みどろ
題名の通り軽く残酷かもしれません。
苦手な方はご遠慮ください。
「うっ、ここどこだよ?」
痛む頭を抑えて起き上がる俺。
狼に追いかけられてそれで……
下がやけにふわふわしている。
見れば先程の狼が絶命していた。
「なんとか助かったみたいだな。」
立ち上がろうとして、右手を狼の背において力を込めた。すると、激痛が走る。あまりの痛みに右腕をみると二の腕に歯型がついていた。痛みのあまり呻くがどうしようもない。水もなければ、傷絆創膏などこの世界にあるはずもなく、ましてや魔力0の俺に回復魔法など使えるはずがない。それに走り回ったせいで空腹だ。そうか。一つ思いついたことがある。ここで、少しサバイバルするのだ。そうすれば……
俺は、まず拾ってきた石と石を合わせて擦り尖らせる。ただし、痛む右腕ではなく左腕を使ってだが。簡易ナイフを作成すると狼の解体に取り掛かった。肉を今日喰う分のみを剥ぎ取りそのままかぶりつく。生肉だが仕方がない。
すると、耳が良くなってきた。
さっきとは明らかに聞こえ方が違う。
これで、敵が来たとしてもわかる様になった。もっとも、敵と言っても何が敵かはわからないが。剥ぎ取った分を喰っても足りなかった。気が付いたら夢中で貪った。さっき剥ぎ取った部分から血を啜り肉を喰らう。すると、全身が悲鳴をあげ始めた。でも、食べることをやめることは無くただ痛みを戦いながら狼をひたすら喰った。
痛みがおさまる頃には狼は顔と皮を残して跡形も無く消えていた。俺は、無我夢中で臓器まで喰ったのか?自問自答するが答えは出ない。元の世界に帰らなきゃ。例え、この世界にチートが存在しなくても。
彼は決意した。
前回、前々回と感想ありがとうございました。勉強になりますの一言でした。感想お待ちしてるので是非よろしくお願いします。