決意と幕開け
長い間、更新出来ずすいません。
機械の不調と体調不良が重なり更新が遅れてしまいました。
また更新を開始したいと思います。
冬香視点
トイレ(多分違う)から帰ってきた涼太郎は何だか様子が変でした。
何が変なのかというと話かけると「あ」とか「うん」とか返事はそんな適当で常に何かを考えているみたいで。
それをレイカはニヤニヤと口元を緩ませながら見ていて……
「レイカ、どうしたの?」
私は、何だか気になってレイカに聞く。
すると、レイカはハッとしてかぶりを振った。
「う、うん。何でもないの……」
何かがおかしい。
いったい何が……
私は、訳が分からずただ空を仰ぎ見る事しかできなかった。
○
神視点
「フフフフハフハハハハ!お、お腹……お腹痛い!」
ゴロゴロと笑い転げる神。
それを影はただぽかんとしたまま見ていた。
「どうしたんだ?」
「グラだよ!グラの奴!あいつも食い意地が張ってるよ!仲間だよ……クク……私が知らないうちに仲間食べてたんだよ!これが可笑しくて可笑しくて……」
なにやら共食いがツボにはまったらしく笑い転げていたらしい。
一通り笑い目に溜まった涙を指で拭うとニヤニヤ笑いを浮かべた。
「さて、役者は揃った!魔王は覚醒した!この世界全てを巻き込む劇の始まりさ。さあ、私のシナリオのままに……奴の予言通りになんてさせてやらない!そうだ!主役に”食事”をさせてやろう!七大罪を招集しろ、名義はスペルディアで!フハハハハ!」
神は、糸の切れた人形の様に笑い続けた。
涼太郎視点
グラから教えて貰った”真実”は、簡潔にまとめるとこの様なものだった。
・昔、預言者を名乗る女がいてその女曰く魔王と呼ばれるものが世界を滅ぼす。
・それを防ぐ為には、その事実を知るものが魔王になるか、魔王を倒すしかない。
で、俺がその魔王だそうだ。
正直信じることが出来ない。
一体どうしたら……
「どうしたの?」
「わっ⁈」
突然、右隣りに座る冬香がこちらの顔を覗き込む。
「さっきから変だよ?馬車に乗る前になんかあった?困ってるなら私が相談くらい乗るよ?」
本気で心配そうな顔をする冬香。
「えっ、あ、うん。大丈夫だよ。」
「そうだよ!大丈夫だよね涼太郎だもん!」
左隣に座るレイカがうんうんと笑顔で励ましてくれる。
凄い嬉しい。
こんな世界なら俺は_____
「_____守りたい」
「えっ?なんて?」
「なんですか?」
小さく呟くと二人が戸惑った顔をするが今はそれでも構わない。
_____みんなを守ること。
それは、俺のやるべき事だ。
そう胸に誓った。




