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チートを持たない俺は異世界で……  作者: 朱瓢箪
全ての始まり
14/22

岐路

俺が王国兵士になってから、一年が過ぎようとしていた。

この一年は、色々あった……

騎士団長の夏菜と宮廷魔導士の冬香のダブル特訓、

秋月との、ヘンテコデートなどなど。

でも、曲がりなりにも一年間王国兵士として過ごしてきた俺は、今では一般兵士と同じくらいの強さになってきていた。人狼化もうまくコントロール出来るようになり、人為的に人狼化する事が出来るようになった。


「おーい?涼太郎?」


ふと、何処からか声が聞こえる。

その声の主は、俺の顔を覗き込んだ汗だくの冬香だった。

しっとり濡れた髪ときらりと頬を伝う汗が目に眩しい。


「えっ、い、いや別に。」


ドギマギしながらどうにか答える俺。

冬香は、ずいっと顔を近づけてきた。

俺との距離僅か5センチ。


「ふふ、修行しよ?」


可愛いらしい悪魔の誘いだ。

可愛い、可愛すぎる。


「う、うん」


頷いてしまった。この可愛さ、恐るべし。

この一年間で、冬香と秋月とも仲良くなれた。

最初は、拒絶もされたけど……

それでも、よかった。仲良くなれて。


「ねぇ、行こう?」


冬香は、俺の腕を引いていく。

く、可愛らしい悪魔には勝てない。

そんな冬香と俺の元に一人の兵士が走ってきた。


「……王が、お呼びです。」


どうやら、何かありそうだ。

はぁ、冬香との夢の時間は、お預けか……まあ、夢と言っても悪夢なので、あまり問題ないが。

俺たちは、王の部屋へと急いだ。



「お前達に、任務を与える。」


王は、集めた俺たち4人を見渡しながら言った。


「お、涼太郎初任務か。」


夏菜が、笑いかけてくる。

任務……嫌な予感しかしない。


「そうだな。……それでだ。お前達に与える任務は、禁忌の森の調査と禁忌の森跡地の調査・・・・・・・だ。」


王は、ニコリともせず言った。

えっ、なんだって?今なんて?


「禁忌の森跡地とは?」


ナイス、冬香!そうだ。それだよ。

王は、少し不機嫌そうな顔をした。


「禁忌の森が、消失し別の場所に転移した。これは、勇者召喚時に起きたと考えられる。現にその日、光がみえたそうだ。」


全然わからん。つまり?


「……勇者召喚の時に周囲の物や人が転移するっていうのが、この世界の常識なの。

光は、異世界転移の際に誰しもが経験するの。」


隣の秋月が、こそっと教えてくれた。


「では、秋月、夏菜。お前らは、跡地に行け。

冬香、涼太郎。お前らは新禁忌の森だ。」


「「「「了解しました。」」」」


後に俺たちはこの選択を悔いることになる。

その事は、未だ誰も知らない。




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