第五章 狙撃銃錬成
「遅いッ!何分待たせるつもりだお前はッ!!」
剣を鞘に収めたまま地面を突くスズハ。その姿は鬼提督そのものだ。
「そんなに待たせてないつもりなんだけど・・・・・・」
美沙希はあの後すぐに射撃場を出た。ミリタリナは少し遅れてきたが、ミリタリナを待つような事はしなかった。走りながら彼女が「私を待ってたら死が近づいてしまいますよ」なんていうものだから息を切らし全力で走ってきたのだ。
肩で呼吸する美沙希を見てスズハはため息をつく。
「お前はまず体力を付けろ。基礎がなっていないッ!!」
「いちいち怒鳴るなよ・・・・・・。シワが増えるぞ」
「構わん」
女とは思えない発言に少々驚きながらも様子を伺う美沙希。
「乳垂れるぞ」
「・・・・・・・・・・・・」
左手で大きな胸を守るように抱きながら右手で剣を抜くスズハを見て、苦笑いを浮かべる美沙希。
(言い過ぎたか・・・・・・というか、怒鳴るのと乳垂れるの全く関係無いしな)
失言を悟りながらも、スズハもやはり女と感じざるを得ない。とりあえず羞恥心はあるらしい。
頬を薄く赤らめ、剣を中段に構える。
「お前、見たところ腕は立つらしい。女々しいようでしっかりと訓練しているようだしな」
確かに美沙希は現存世界に居た頃は『0』のメンバーと近接格闘訓練を受けていた。
技術はそこそこだが、剣銃を使った格闘戦を得意とする美沙希は素手での格闘戦では奥手になってしまう。
(撃つのはいいけど殴るのは好きじゃないんだよな・・・・・・)
暗殺者がほざいているが、美沙希は『0』に所属してから一度も拳を振るっていない。
色々理由はあるが、第一敵に接近しない。狙撃をメインとする美沙希は姿を見せず、影からターゲットを射抜く。近接格闘は奥の手に過ぎない。
「お前はまだ魔法、いや、これからは魔術と覚えろ。これが専門的な呼び方だ。で、お前は魔術の類を一切習っていない。よって、普通の近接戦で行く。異論はないな?」
この決闘自体に異論を持つ美沙希だが、そんな事を言えば首は跳ね飛ぶのは目に見えている。
開きたくなる口を全力で抑え、静かに頷く。
「では、開始だ」
「――――――――ッ!?」
スズハの合図で決闘の火蓋が切って落とされる。
が、一瞬でスズハの姿が視界から消える。
「ここだ」
いつの間にか美沙希の隣まで移動していた。
美沙希は足払いを避け、バク転しながらナイフを抜く。
「その奇妙な形をした剣でどこまで私と戦える?」
「知らねえよ。でも、それなりに出来るぞ」
「そうか、なら―――――ッ」
一瞬で間合いを詰め、細身の剣を振り下ろす。
その剣を逆手に持ったサバイバルナイフのセレーションで受け止める。
(重ッ!)
手首が折れるかと思った。
美沙希はナイフをる捻り、刃の切断を試みる。
が、スズハはそれを読んでいたかの様に剣を前に引き、素早い突きを放つ。
「―――――――痛ッ」
ギリギリで避けるが、頬に赤い線が出来る。
もし避けていなければ頭が串に刺さった団子の様になっている所だ。
(コイツ、一つ一つの攻撃が容赦無い、本気で殺しに掛かって来てやがる)
左前に飛び出て回転し勢いを乗せた蹴りを放つが、それをスズハの右手のプレートで防がれる。
「良い蹴りだ。が、まだ甘い。勢いが足りないぞ」
美沙希の足を払い、スズハは回転蹴りを放つ。
「―――――――――ッ!?」
速過ぎる回転蹴りを見切る事が出来ず、横腹にスズハの踵が食い込む。
痛みで呼吸を忘れる。声を出す事も出来ず、美沙希の身体は簡単に宙を飛ぶ。
トラックに轢かれた様な勢いで吹っ飛び、傷を押さえる。
「お前の身体はこうも簡単に浮き上がるのか。鍛えていない証拠だ」
「くっそ・・・・・・・・・痛ッ・・・・・・」
横腹に鈍い痛みが広がる。大きな痣になっているだろう。
ロングコートの様な制服を脱ぎ捨て腰の拳銃、USPを抜く。
魔改造して三点バーストできるようにしてあるUSPのトリガーを引き、銃口から銃弾三発を吐き出す。
「ッ!?」
高速で飛んでくる銃弾を見て、即座に伏せるスズハ。
奥の壁に当たり、壁に銃痕を残す。
「それは、火縄銃なのか?」
「いんや、自動拳銃だ」
「・・・・・・・・・何?」
(説明しないと言っても無駄か・・・・・・)
美沙希は立ち上がり、横腹を押さえながらUSPをスズハに向けて発砲する。
「――――――――見切ったぞ」
剣を正中線に構え、銃弾をど真ん中から切り裂く。
「ま、マジかよ・・・・・・」
金属が裂ける音が耳に残り、腕が震え始める。
(こんなの、勝てる訳ないだろッ!?)
銃弾がこの世界から廃れた理由が何となく分かった気がする。
目の前に化物の様な強さの騎士がいるのだ、納得せざるを得ない。
「構造は違えど火縄銃と原理は変わらん。ただ弾を撃つだけ。弾の形は違ったが、気にするようなことではないな」
「・・・・・・そういう考えが出てくるのはお前だけじゃないか?」
「軽口を叩けるのか、ならまだやれるな?」
「ッ!」
獣の様な眼光で睨まれ、足が竦む。
(何で、異世界に来て早々こんな目に遭わなきゃいけないんだ!)
美沙希はドームの壁目掛けて駆ける。
「・・・・・・・・・逃げるのか、決闘の最中にッ!!」
怒り爆発のスズハが二足歩行生物とは思えないスピードで追いかけてくる。
が、それを気にする事無く、壁の外側にいるミリタリナへと声を掛ける。
「ミリタリナ、ライフルケースを寄越せッ!!」
「えっ、あ、はいっ!」
ドームの中に入る前にミリタリナに持ってもらっていたライフルケースを貰い、走りながらケースのチャックを開けていく。中からはM200インターベンションが出てくる。
「また変な形の武器を・・・・・・それはこの世界のものではない、現存世界の物だな?」
「まあなッ!」
後ろを付いて走ってくるスズハへと振り返り、インターベンションの銃口を向ける。
トリガーに指を掛け、引こうとした瞬間、身体の中心に違和感を感じた。
(な、なんだ?)
胸から腕まで血液ではない何かが流れ込むような感覚が、ブレのない動きをサポートする。
今まで感じた事の無い気持ちの悪い感じに戸惑いながらも、スズハに照準しトリガーを引く。
ドン、と、聞き慣れた銃声音―――――では無く、異常な程大きな爆裂音を発して、銃口から火を吹く。
「ッ!?おわっ!?」
凄まじい衝撃にバランスを崩し、尻餅を付く。
「なっ!?―――――――くぅッ!!」
巨大な衝撃と共に吐き出した銃弾を剣で斬りながらも、衝撃に負け、スズハも美沙希同様尻餅を付く。
美沙希は予想もしなかった衝撃に腰を抜かし、インターベンションを見る。
「・・・・・・な、なんだ、これ」
美沙希の愛銃、チェイ・タックM200インターベンションのロングバレルは、見るも無残にひん曲がっていた。さっきの衝撃にバレルが耐え切れなかったんだろう、バレルの中心部分から裂けてしまっている。
(こ、故障か?いやでも、故障で威力が上がるなんて・・・・・・しかも、使用者が吹っ飛ぶ威力とか、有り得ないだろ・・・・・・)
現在のインターベンションはボロボロ。これでは弾を撃つ事が出来ない。
「・・・・・・なぁ、降参って、ありか?」
銃は効かない、白兵戦ではボロ負け、何処に勝ち目があるというのだろうか。
美沙希は既に降参のポーズを取って苦笑いしている。
現存世界での降参のポーズがこの異世界で通用するのかわからないが、意図は伝わった様だ。
「それは、お前の大切な銃か」
「おう、愛銃がこんなんじゃもう戦えない。いや、戦えるけどお前はにナイフも銃も効かないし。殴ればいいって言っても嫌だぞ。女は殴らないって決めてるんだ」
「・・・・・・その割には私の顔に蹴りを放っていたと思うが」
「あ、あれはお前が斬りかかってくるから・・・・・・」
「なら殴りかかってもいいと思うんだが?」
「いや、本気で蹴るつもりは無かったんだ。牽制というか、なんというか。そしたらお前全力で横っ腹蹴飛ばしてくるし・・・・・・」
「す、すまん。全力はまだ出していないんだ」
蹴った事に対して謝っているのか全力で蹴らなかったことに対して謝っているのか読めない美沙希。
(もうコイツと戦いたくない・・・・・・)
そう心の中で強く誓うのであった。
◆◇◆◇◆◇◆
「大丈夫ですか?軽く手当はしましたが、痛むでしょう?」
あの後、ドームを出て寮へと向かった。
今は寮に帰る途中だが、色々な事が起き過ぎてまたしても驚いている。
「なぁ、ルカが言ってたけど、あいつもスズハと決闘したのか?」
「いえ、ルカは魔法騎士志望なので、スズハの部下という事になるんです。だから、良く特訓と言う面目で決闘をしてるんです。当の本人はそれを良く思ってないそうですが」
美沙希は朝のルカを思い出してみる。
『スズハはガチの騎士道進んでるから、戦いの話とか、弱そうな人見るとああやってキツイ言葉で諭すんだよ。あたしも良く言われるよ、「魔法のコントロールがなってない!」って。武闘派にも程があるよ・・・・・・ミサキも気を付けてね、捕まったらいきなり決闘!なんてこともあるから』
泣きながらそんな事を言っていた。もう諦めの涙と言ってもいいだろう、半ば強制的にさせられているのだ。
「馬の調教じゃあるまいし、そんな鞭ばっか振らなくても・・・・・・」
「ミサキ、その馬、とはなんですか?」
「この世界にもいるだろ。馬車引いてたやつだよ」
「あれですか?あれは馬という名前では無く、ユニコーンです」
「・・・・・・・・・」
「ユニコーンです」
「いや、二度も言わんでいい。現存世界だとユニコーンつったら伝説上の生き物だぞ」
「そうなんですか。じゃあ、この世界では現存世界だと伝説だった事が現実になっているかもしれませんね。現存世界には魔法なんてものはなかったでしょう」
「その、魔法ってのは一般的な呼び方で、専門的に呼ぶと〝魔術〟って言うんだろ?」
「誰から聞いたんですか?」
「スズハだよ。ボコボコにされる前に言ってたんだ。魔術って呼ぶのが、専門的な呼び方だって」
美沙希は愚痴る様に言った。
(試すだけならもうちょっと力抜いてくれてもいいのによ・・・・・・)
包帯をグルグル巻きにされた横腹を摩る美沙希。
「・・・・・・まだ、痛みますか?」
心配そうに顔を伺ってくるミリタリナ。
「いや、今は大丈夫だ。それよりなぁ・・・・・・」
「あの銃ですよね・・・・・・」
愛銃、M200インターベンションが壊れたことが美沙希にはとてつもないショックだった。
「どうすればいいんだろうな、この世界にはパーツも無ければ作ることすら出来ない。壊れた理由もわからないし・・・・・・」
「壊れた理由、ですか。何か違和感はありましたか?引き金を引いた時」
美沙希は決闘中の事を思い出す。
「ひとつだけある。引き金に指を掛けた時に、心臓からぶわって何かが広がる様な感覚があったんだ。その感覚が指先まで流れて、消えたのと同時に撃ったら、ああなった」
ミリタリナは腕を組んで考える。
「・・・・・・それ、魔術かもしれません」
そんな事をいいだした。
「いや、待ってくれ。俺はまだ何も習ってない。ましてや魔術の基礎も知らない俺が土壇場で魔術を発動させるなんて出来ないだろ?」
「私にもよくわかりません。調べてみる必要がありそうですね」
謎の現象に不安を感じながら、美沙希とミリタリナは寮へと帰っていった。
◆◇◆◇◆◇◆
美沙希はリビングのテーブルにM200インターベンションを広げ、分解していた。
無事なパーツと壊れたパーツを分けているのだ。
「にしても酷いな、このバレルの裂け様は」
まるで花の様に広がっている。長いロングバレルを置き、薬室から.408Chey-Tac弾を取り出す。
「弾も補充出来ないし、行き詰まりばかりだ」
今の美沙希は現存世界から持って来たインターベンションの弾倉五個とUSPの弾倉を八個あるだけだ。
「・・・・・・あれー、ミサキ一人ー?」
「?・・・・・・ああ、イスズか」
口の中にキャンディーを加え、後頭部を両手で支えながらリビングに入って来たのは、朝会った小さな少女、イスズだ。
「何してんの?・・・・・・うわっ、何これッ!?」
分解したインターベンションのパーツを見て声を上げるイスズ。
「これはインターベンションって言って、俺が現存世界から持って来た狙撃銃なんだ」
「なんか、独特な形してんね。こことか」
花の様に裂けたインターベンションのロングバレルを指差すイスズ。
「そこは、今日壊れちまったんだ。理由はわからないけど、ミリタリナが魔術かもって言ってた」
「魔術?ミサキはもう魔術使えるの?」
「いや、何も習ってない。だから困ってるんだ。唯一の武器が壊れちまったし・・・・・・」
「もう作れないの?これ」
「現存世界の素材で作られてるし、異世界、この世界で作れるのかどうかもわからないんだ。銃弾も補充出来ないし」
.408Chey-Tac弾を指差しながら言う美沙希。
「ん~、もしかしたら、治るかも知れないよ」
「っ!?」
振り返り、スズハの顔を見る。
「あたし、錬金術師なの。物を作ったりするのは得意だし大好き」
「え、じゃあこのインターベンションだけじゃなく、こんな銃弾も作ったり出来るのかっ!?」
.408Chey-Tac弾を手の平に乗せ、イスズに見せる。
「こんな小さい物、構造を知ればいくらでも作れるよ。多分、このいんたーべんしょんってやつも、量産できると思うよ」
まさかの展開に驚きながらも、心の中で歓喜する美沙希だった。
「なあ、その錬金術って、どうやってやるんだ?」
「準備は簡単だよ。ただ素材があればいいんだし。このいんたーべんしょんの素材って何だか分かる?」
「素材はわかんない。でも、銃弾なら知ってる」
「なになに、教えて?」
「銅合金だ」
「銅合金・・・・・・聞いた事無いけど、同じ強度、重量、サイズであればいいかな。あと、そのいんたーべんしょん本体の素材も同じような素材から作ってみようか」
イスズは手招きし、美沙希を廊下に呼び出す。
「ここ、開けてくれる?」
床には真四角の扉があり、それを開くと地下へと繋がる隠し階段があった。
「この下はあたしの隠れ家見たいな物でさ、ここの存在はスズハしか知らないんだ」
「スズハだけ?どうしてだよ」
「私の姉なんだ。スズハは」
「マジでっ!?性格違い過ぎるだろ・・・・・・」
苦笑いをし、扉を閉めて階段を下りていくイスズ。
「まあね、マジ騎士のスズハと幼女体型のあたしでは相容れないっていうか、何ていうか。苦手なんだよね。スズハの事」
大量の本棚を抜けて行くと、一つの扉があった。
扉を開けて中に入ると、テーブルが一つ、その他は全て石の様な物だけだった。
「これ、なんだ?」
真っ白で大きな石を突きながらイスズに言う。
「それ?それはオリハルコンっていって、銅合金に近い物だよ。私の魔術で変色させてるけど、それも立派な銅だよ」
イスズは一瞥しただけでオリハルコンを浮かばせ、テーブルの上まで運ぶ。
「これも魔術か?」
「そ。錬金術師は仕事上、重い物を運んだりするからね。こういう魔術が必要になってくるんだ」
そう言うと、オリハルコンに手を置いて足元に魔法陣を展開させる。
「ねえ、そのいんたーべんしょん貸してくれる?必要だからさ」
美沙希はまとめて持って来たインターベンションの入ったライフルケースを投げる。
「んおっ、結構重いね・・・・・・よし、始めようか」
イスズはテーブルの上にインターベンションをパーツ毎に置き、右手をオリハルコンに置き、左手にインターベンションを持つ。
「行くよ―――――――――錬金開始」
すると、オリハルコンが強い光りを放つ。
「想像・・・・・・形態定着・・・・・・変形・・・・・・違う、訂正・・・・・・変形・・・・・・」
ボソボソと呟きながらオリハルコンの形を変えていく。
鋼鉄の様に硬いオリハルコンを粘土を千切るようにして手の平に乗せる。
何度も何度も同じ作業繰り返していき、全てのパーツの錬成が終了する。
「変形・・・・・・形成・・・・・・オッケー、定着・・・・・・形成終了」
ガラン、と、テーブルの上に並べられた銃のパーツ。
オリハルコン製チェイ・タックM200インターベンションのパーツが並んでいた。
「ふぅ・・・・・・出来たよ。精密な形をしてるからいつもより手こずったけど。組み立ては自分でやってね。完成形見てないからわかんないし」
「お、おう」
美沙希はテーブルに近づき、まず最初にグリップを掴んだ。
「結構しっかりしてるな。素材の割には感触が柔らかい」
「それはまあ、あたしが作ったやつだしねー」
銃を組み立てていき、真っ白なM200インターベンションが出来上がる。
「す、すっご!何これ、これが銃なの!?」
「おう、ちゃんと撃てるぞ。多分」
弾倉を入れ、ボルトハンドルを引き、戻す。
「外に出てみよう。試し撃ちがしたい」
「うん、あたしも見たいっ」
美沙希とイスズは地下から出て、寮から出た。
夕日は沈みかけてオレンジ色に輝いていた。
美沙希は空に銃口を向け、トリガーに指を掛ける。
すると、ドームの時と同じ違和感を感じた。
「・・・・・・イスズ、ちょっと離れてくれ」
あの時の様に、後ろに吹っ飛んでしまうかもしれない、そう思った美沙希はイスズを離れた所に移動させる。
光学照準器を覗き、夕日目掛けてトリガーを引く。
すると、真っ白なオリハルコン製インターベンションのロングバレルが赤く光る。
砲撃の様な音を響かせるのと同時にドームの時と同じか、それ以上の威力で銃弾を吐き出した。
「くっ・・・・・・!」
足を踏ん張り、銃を支える。
が、反動に負けて尻餅をついてしまう。
その時の衝撃が横腹に走り、鈍い痛みが美沙希を襲う。
「いってぇ・・・・・・」
「ちょ、大丈夫っ!?ていうか、その銃ってそんな威力なの!?」
心配して駆け寄って来たかと思いきや、とてつもない威力で銃弾を撃ったインターベンションを見つめてはしゃいでいる。
「な、何の音ですかっ!?」
扉を開け、私服姿のミリタリナが寮から出てきた。
尻餅をついている美沙希と飛び跳ねているイスズを見て、ため息をつくミリタリナだった。