あらたな夢ー前半
暗闇の中、パッと光が差し込む様に視界が広がった。
そして誰かの目を通してみている情景。
あっ、この感じ以前の時と同じだわ。
今度こそ、命を救わないと!時刻は夜らしく辺りは真っ暗で、人物が道路沿いを歩いている。
ふと、反対側の道路付近に目をやると、コンビニが見えた。
そしてその人物の視線の先はレジにいる若い少女だった。
パッと場面が変わり、商店街の風景になった。
辺りは明るく、休日なのか人通りも多かった。
視線は制服を着た少女、少女が店の前で立ち止まり商品を眺めている。
この顔、さっきコンビニで働いていた少女ね。
って事はこの人物はストーカー?少女が歩きだすと人物も歩きだした。
そして住宅街へ、新築が立ち並び、どこも似たような家の作りだった。
彼女が家の中に入ると、また場面が変わった。
家の中、それもソファ−で眠り込んでいる少女が写った。
窓が開いているのかピアノの音が聞こえてくる。
こいつ、どうやって家に侵入したんだろう?緊張しているのか荒くハァハァと息が聞こえてくる。
そしてポケットからゴム手袋を取りだしはめると、ゆっくり少女に手を伸ばし近づいた。
そして少女の首に手をかけた瞬間、エリカは目が覚めた。
すぐに電話で友香に夢の内容を話した。
「今回は前回と違って、目となっていた人物が死ぬのではなく、その人物が人を殺すのね」
「そう見たい、多分最初に見たコンビニの映像が今日の出来事だと思う」
「よし!じゃあまずそのコンビニを探しましょ」
パソコンでコンビニの支店を探し、この付近で該当する所が三件あった。
予知無とはいえ、きっとこの周辺の人物の未来を見たのだろうという確信がエリカにはあった。