すべての始まり−前半
一話前半、二話後半の二話でひとつの事件完結していく形です。
その日は色んな事が起きて、クタクタだった。 親友の友香に朝早く呼びだされ、エリカは眠い中、学校の隣にある公園へとやって来た。 一晩中泣いていたのか、友香の目は赤く腫れていた。「どうしたの?」訳を聞くと、彼氏に振られたらしい。泣き出した友香をなだめ、昼過ぎ二人は分かれた。学校の門横にある自動販売機でジュースを買い、喉を潤おしたエリカの目に正門扉の前に靴が添ろえて置いてあった。気になったエリカが近づいて見ると、靴の下に白い封筒が敷かれてあった。手にとると、遺書と書かれていた。びっくりして辺りを見回したが、誰もいなかった。封は糊着けされていなかった。手紙を取り出し読むと、どうやら本当の遺書のようだった。最後に斉藤由美と書かれていた。由美!同じクラスの由美が書いた遺書だった。手紙を握りしめ、どうしたらいいのか戸惑っていたエリカだが、ふと靴を見て思った。何故ここに遺書をおいたのだろうか?由美は今どこにいるの?ハッとして屋上を見たが由美の姿は見えなかった。とりあえずホットし、エリカは携帯で友香に電話し事情を話すと、「とりあえず、由美に電話してみるね、またかけ直すから切るね」電話を切り、エリカは学校の門を乗り越えると、屋上に念のため由美を探しに行くことにした。屋上へは五階の階段からいけるのだが、鍵が閉まっていた。五階へと戻ると智子から着信が、「出ないから、家にかけたら親が出て、寝てるはずなのに居ないから心配していた所だったそうよ、万が一の可能性もあるし、警察に電話するって言ってたからエリカそこで待ってて。私も一応今から向かうわ」電話を切るとエリカは校舎にいては忍び込んだ事がばれるので、一旦外に出る事にした。途中、教室の横を横切った時、エリカは違和感を感じた。チラっとしか見なかった教室に最初通った時とは違う気がした。引き返してみると、教室の窓が開いていた。扉の鍵は開いていて、不安の中窓に恐る恐る近づき下を見ると由美の姿が。そんな・・・由美・・・。足元がふらつきながらも校庭に出てきたエリカは由美の元へ、落下の衝撃で頭がつぶれていたが顔はきれいなままだった。突然、携帯が鳴り出した。由美の携帯だ。出なくてもよかったのだが、何故かエリカは由美の携帯を取り電話に出た。
覚えているのはそこまでだった。気がつくと友香が心配そうな顔をしているのが目に入った。
起き上がると、警察と由美の両親がいた。警察は無線で連絡していて、両親は泣き崩れていた。由美の変わりはてた姿に友香もショックを受けていた。手に持っていたはずの由美の携帯は無かった。電話の相手も、話した内容や声さえも何故か覚えていなかった。その夜、クタクタになったエリカはシャワーを浴びると、夕食もとらずに眠りについた。そして見た夢は・・・・続く。