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心の複雑骨折

こちらは、カクヨムさまにも掲載中です。

 オレの名前は、りょう

 

 本日、高校の入学式だ。

 

 高校生って…すげー。

 

 いや、なにがすごいってさ…先輩たちがもう…半分、大人にあし突っ込んでる感‼︎っていうのかな…。

 

 中学生の頃とは、まったく違うんよね。

 

 

 …しかし‼︎

 

 まったく変わらないのが、高校の入学式で、オレの斜め前に立っている幼馴染の桜子さくらこだ。

 

 サラサラのロングストレートな髪をおろして、ピンとまっすぐに伸びた背筋。

 

 そして、美しいフェイスっ‼︎

 

 なんなんよ?

 

 あいつは、前世でどんな徳を積んだん⁇

 

 どうしたら、あんなに素晴らしい容姿を神様からいただけるん?ってな状態だ。

 

 

 ヒソヒソと聞こえる、桜子ばなし。

 

 あのこかわいくね?の嵐だ。

 

 えぇ、オレがいうのもなんですけどね…かわいいのですよ。

 

 てか、ずば抜けてめっちゃ目立つんよ。

 

 なんなんよ…その姿勢の良さは?

 

 ねこに教えてあげたい。

 

 あなたたちがどんだけ猫背なのかを…

 

 桜子を猫たちも見習えばいい。

 

 あー…それにしても憂鬱だ。

 

 なぜってさ、桜子は…絶対に告白されるに違いないからだ。

 

 そして…あの人は、必ず告白をオーケーするに違いないのだ。

 

 

 …

 

 なんなんよ?

 

 桜子ってば、めっちゃかわいいのに誰でも拒まず状態なんですよ⁇

 

 告白されるとほぼ…いや、必ず受け入れるのです。

 

 悟りを開いたのでしょうか?

 

 そもそも悟りを開くってなんですか?

 

 …とにかく大きな心なん?

 

 知らんけど。

 

 まぁ、そんな桜子の意味不明な交際をオレはこの数年間、見守ってきたわけなのですよ。

 

 

 そして…また新たな三年間を…

 

 

 …

 

 そんなこんなで、やっぱりいち早く告白した男子は、桜子をゲットしたのでございます。

 

 

 あーあー…

 

 

 オレだって桜子のこと好きなんですけどねー…。

 

 

 

 と言いますか…なぜ彼氏持ちの桜子さんは、オレの部屋でハンバーガーをかじりついて、ポテト二本食いをしているんでしょうかね?

 

 

「あのさ…彼氏できたんだよね?」

「うん、それが?」

 

 …

 

「いや、彼氏いるのに他の男の部屋にいるのって…どうかなって」

 

「男じゃないし。幼馴染だし大丈夫でしょ」

 と、オレを軽くあしらってハンバーガーを頬張っている桜子。

 

 

 …

 

 なんなんだよ…こいつ。

 

 そもそも桜子は、とにかく人見知りがひどいのだけれど、なぜかオレの前だと人見知りを発揮しない。

 

 なんなら、図々しいくらいなのだ。

 

 

 …

 

 よく食うなぁ…と見ていると桜子の携帯がピコンとなった。

 

 

 その辺に置いてあった、くしゃくしゃの紙のお手拭きで指をカサカサしたあと、自分のお洋服で指を仕上げ拭きして、携帯を手にとっていた。

 

 それでいいのか⁉︎

 

 …きちゃなくない?

 

 でも、桜子は当たり前のように澄まして携帯を見ていた。

 

 

 そして…

 

「彼氏からだ。今度デートしようだって。なに着て行こうかな?」

 

 なんて普通にオレに聞いてくるんですよね…。

 

 好きなやつのデート話なんて聞きたいやついます?

 

 なんなら、洋服の相談とかって…嫌じゃないですか?

 

 

 そんなこと言っても桜子は、オレの気持ちにこれっぽっちも気づいていないので、仕方ないとは思うんですけどね…。

 

 

 でも、微妙に心にチクチクとなにかが刺さるわけなんですね…。

 

 

 小さいけど、チクチクは微妙にしんどいです。

 

 ちりも積もればマウンテンです…

 

 

「洋服…パジャマでいいんじゃね?」

 

 オレはめっちゃ適当にこたえたよね。

 

 だって、そんなのどうでもいいし。

 

「パジャマとか、ないでしょ。あ、あのワンピース着て行こうかな」

 

 なんて、少し浮かれていたので全力で阻止した。

 

 

「あれは…ダメだよ。だって、ほら…風に…風がイタズラして、スカートまくれたりしたら嫌だろ?あと、トイレから出たらめっちゃまくれてた…みたいなさ。トラブルが多いからやっぱりズボンだろ。うん。絶対に」

 

 と、とにかくあのかわいいワンピースをきてデートしないようになんとか阻止してみた。

 

 

 そしたら、すんなり

「そうだね。寒かったりしたらお腹も冷えちゃうもんね」

 と、受け入れてくれた。

 

 

 ナイス‼︎ズボン‼︎

 

 ズボン作った人、ナイスです‼︎

 

 と、だれだかわからない人に感謝するのでありました。

 

 

 続く。

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