表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
第1部-3章 トラブル解決に奔走していこう! (仮)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/604

90話 雨の中の戦闘


「いい髪色してますね」

「あ、はい! ありがとうございます。気に入ってて」


 サクラは恥ずかしいのか、髪を何度か触った。


「私も名前を言っていなかったわね、私は剣聖少女ことアリア」

「俺はフェクトだ、今寝ている奴はナズナだ、よろしく頼む」

「こ、こちらこそよろしくお願いします」


 そして私は気になっていたことがあった。それはサクラがなぜ帽子を被っていたのかだ。ここは室内であり、見た感じでは、回復術師ではなさそうな印象である。

 それに突っ込んだのは、フェクトだった。


「サクラさん、なんで帽子なんか被ってるんだ? 被ってない方が綺麗なのに」


 サクラは、とてつもない速さで顔が真っ赤になっていく。何か言いたげだが、言葉が出てこないのかアタフタしている。


「ゆっくりでいいから、落ち着いて。深呼吸深呼吸」


 そうしてサクラは、落ち着いたのかゆっくりと喋り出した。


「私先ほどまで、回復の方をしてたんです。その際、長い髪は邪魔になるので帽子の中でまとめてました」

「そんなんですね、教えていただきありがとうございます」


 そうして、サクラは部屋を後にし、私は考え事をしていた。

 魔法を扱う関係の人は、ある特徴が一定数ある。それは、比較的髪が長いということだ。

 髪は、魔法を扱う上では欠かせない存在である。強力の魔法を放つ際に、髪を触媒にして攻撃という方法もあると師匠から教わった。

 だからそのため、髪の手入れを欠かさないのが一般常識らしい。

 そこを踏まえて、私はあることを思い出していた。それは、ダークウィッチーズの魔法だ。

 あれらの魔法は、基本的に髪を触媒にした攻撃ではないこと。それなのに、イデリアに匹敵しそうな魔法を出せた理由が気になってくる。

 なんらかの、契約を交わした様子もなかった。それなのにどうしてか、私にはわからなかった。


「ねぇフェクト、アイツらの強さの原因ってなんだと思う?」


 居るはずのフェクトから返事が返ってこない。私は、後ろを振り向いたのだ。

 そこでは、力尽きたように眠る姿があった。


「寝るなら、ちゃんとベッドの上で寝なさいよね」


 私は、落ちかかっている体を持ち上げ真ん中に降ろす。そうして、布団を掛け私は部屋を後にした。

 廊下を歩いていて、何事もないように出入り口から外にでた私。

 部屋で考え事をするより、外で歩きながらした方がまだマシだと思って、外にでたがすっかり忘れていた。


「そういえば雨が降り出したの忘れてた」


 戻ることも考えたが、それもめんどくさいなっと思ったのも事実である。

 私は、こういった場合自分の欲望通りに動こうと昔から決めている。私は、雨の中散歩を開始したのであった。


「雨も案外悪くないのよね」


 考え事をしている際、こういう自然の音を聞いていた方が案外集中出来るというもんだ。

 そうして私は、答えがでるかどうかなんてわからないのになんでか、テンションが妙に昂っているのを感じ取る。

 それは、雨のせいだとでも言っておこう。

 そうして考えながら歩いていると、気配感知に妙な違和感が浮かび上がるのを感じ取る。

 私は、そっと腰にある愛刀に触れる。


「あなたには、隠れて仕事を遂行することはできませんか」


 全身黒づくめの男が一人、目の前に現れる。

 それは、なんとも異質な存在だと頭が勝手に認識した。


「お前は何もんだ? ここの住人って訳でもなさそうだが」

「あなた様に名乗れる名前はありません、今はただ任務を遂行するため、お命いただきます」


 どうやら本気のようだ。勝てないと直感していても私を邪魔だと判断する辺り、仕事に誇りを持っているようだ。


「何もせずに殺されるっていうのもいやなんでね、全力で抵抗するまでだ、この愛刀でね」


 相手にとってはこの状況、最悪とは言い切れないであろう。雨であり暗闇だ。私の予想が正しければ、相手の方が有利条件である。


「殺抜刀」


 いつの間に!? それが私が思ったことだ。いつの間にかに完全に間合いに入られている。

 このままでは、体を斬られてしまうのが誰でもわかっているこの状況。やはりコイツは、そういう仕事なのだろう。


「でも甘いね! 私はそれでは死なねぇよ!」


 即座に剣を抜いて、技を防御する私。すぐさ消えるがそれも想定内だ。


「後だろ?」


 後ろからの攻撃は、見事に見抜かれ一瞬躊躇しているのが伝わってくる一撃である。


「それでも躊躇せずに振りかぶれ、それの方がまだマシだ」


 加速系統の魔法で即座に離れ、振りかぶった瞬間を見計らってを勢いよくぶん殴る。

 相手は、壁によせてあった木箱に吹き飛んだ。その衝撃で、木箱は壊れ壁に思いっきりぶつかる。


「立てないのか?」


 私は余裕の笑みを浮かべながら、そう言った。男は立ち上がる様子はないが、気絶していないのもまた事実である。


「まだ、私は任務、遂行、できていない」


 ほぼ執念に近しいものを感じ取る。それが活力になっているのか立ち上がる男。

 ふらついて入るものの、それでも目は死んでいないのも事実だ。


「まだやれるな、さすがは殺し屋ってところか」

「なんだバレてたのか、それは仕方ない、やはりあなたも殺さないといけない」


 加速系統の魔法か。命を燃やして向かってくるのがわかる。その瞬間、私は重大なことを見落としていたのをこんな形で思い出したのだ。

 それを確かめたいという衝動は抑えきれなかった。


「悪いけど、遊びはここまでだ」

「何を言ってやがる、まだ始まってすらないんだ!」


 私は、心臓に刃を刺した。そしてそれを抜き取り、血を払う。


「私に勝てるほどお前の実力はないよ」


 そう言って私は、その場を離れた。ある場所に向かう途中、私はこの事を魔法界の方に連絡を入れる。

 流石はイデリアが指揮しているだけのことはある。とてつもない迅速の速さで正直言って驚きを隠せなかった。


「着いた、ここにアイツらが居るのね」


 そう言って、厳重に警備されている支部にはいっていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ