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剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
第1部-2章 王都で再開! 13歳の私は、他種族との交流していこう!

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76話 モルモット


(じゃあそういうことだから)


 私は至って冷静だ。何度か深呼吸をしながら街中を掛けていく。

 スカイが襲われた場所まで来ていた。そこには、暴行されていたのであろう血痕がべっとりと地面にある。

 近くには、血のついた鉄パイプが複数転がっており、事件の重さがずっしりと伝わってくるような気がした。


「女の子一人によってたかってやりあがって」


 行き場のない怒りを、壁にぶつける。わざわざ、路地に追い込んでいるのがクソである。


「絶対に許さない、どうせまだこの国にいるのはわかっている」


 あの箒には、ある特殊な加工をしておいたのだ。そのおかげで、犯人がどこにいるのか私には丸わかりだった。

 とりあえず事件現場を見たのは、正解だったかもしれない。まだ多少冷静さを取り戻せるっていうものだ。

 そのまま、アジトに行っていたら奴らは死んでいただろう。

 そこだけは、感謝してほしいものだ。

 そうして、箒が反応する方に足を向けて動いていく。足は、どこか軽やかでとても動かしやすく感じた。

 そして見られていることにも私は、気がついていた。それは、スカイが私たちの前に現れたのを知ってからの行動だろう。

 今にも倒れそうな子が、街中を歩いていたら目立って当然だ。

 だが、それを不思議にも思わないのもわかっているつもりである。

 今まで箒を暴走させ、怪我をしてきた子だ。街の人たちからすれば、日常茶飯事のことなのだろう。

 だが、状況が一変した。それは、私たちに出会ってしまったことである。

 それで、私がキレたのだ。監視をしようとするのも当然だ。


「だが、甘い」

「え、どこいった?」


 次の瞬間、家の屋根からこっそり見ていた男が屋根から落とした。


「自分たちの状況も掴めていない者に、私が負けるわけないだろう」


 男を、裏路地から突き落とし即座に落下の最中にキャッチ。

 そのまま近くにあった、ゴミ捨て場に投げ捨てた。


「遊びも終わりにして向かうかしら、必死に逃げようとしているけど無駄なのに」


 私は、不敵な笑みを浮かべつつ奴らを追った。だが、奴らは逃げられない。

 魔法界にアジトの周りは占拠され、結界により転移すら使えない状態。

 正面突破以外では、逃げられないのである。


「やぁ、ご苦労様です。後は私がなんとかしますので」

「くれぐれも殺さないようにお願いします」


 せっかくアジトに着いたっていうのに、テンションを下げるようなことを言う。

 おそらくイデリアの余計な一言だろう。せっかく、モルモットを提供すると言っているのに、そんなのを言ってくるのは、反則だ。

 私は、髪をポリポリと掻きつつドアを開けた。

 一階は、誰も居ない。二階に複数人いるのが気配でわかる。とてもあたふた様子なのか、落ち着きがない。


「ごめんください、剣聖でーす!」


 とりあえず声を出してみるが、反応もないので二階へと続く階段を登っていく。


「お熱いお出迎えだね」


 この状況で、魔法攻撃を放つとはいい度胸である。とても気にいった。

 一撃では、終わらせないようにしよう。だが、その直後のことだ。魔弾の威力が急激に下がったような気がした。

 顔が青ざめているような気がする。


「どうしたの? もっと楽しんで戦闘しなきゃ面白くないでしょう?」

「何言ってんだコイツ。頭がおかしいのか?」


 次の瞬間、階段前にいた二人は、家の壁を突き破って飛んでいった。


「失礼なこと言うわね、本当に……」


 そして、複数部屋があるみたいだが一箇所以外誰もいない。

 そのドアの前で立ち止まり、ノックをする。


「すみません、こちらに用があるのですが開けていただけませんか?」


 ドアノブには、ご丁寧に鍵がかかっている。ガチャガチャと触るが、開く様子はない。


「開けないのであれば、実力行使がお望みなのですね」

 

 私は、ドアを蹴り飛ばした。その衝撃で、ドアは吹き飛んだ。


「へぇー、タイミングよくドアを破壊したか。これで倒れてくれたら、ありがたかったのにな〜」


 部屋の奥に、ここのボスであろう人物が椅子に座っていた。


「私は剣聖よ。あなたは?」

「グーレン」


 グーレン、どこか引っかかる名だった。というか、その名前は知っている。


「お駄賃稼ぎとしては丁度いいね」

「テメェ、お頭になんてことを! 死ねぇぇー」

「黙ってたら、手荒なことはしなかったのにな」


 部屋に入ってすぐのかどにいた男たちを、床にめり込ませた。

 私は、木剣を構える。


「あなたたちは、殺しはしないわ。ただ、モルモットになってほしいって魔法界からの依頼でね」

「チッ、アイツら。クソがー」


 お頭さんがやる気になって結構結構。そっちの方が早く片付く。


「ハイ、お終い!」


 一瞬にして、気絶させ魔法界に突入させた。


「お金の方は、ギルドによろしくね」


 私は、魔法界の職員たち全員に聞こえるように言った。そして、私は事件が解決したので箒屋に戻る。


「剣聖様ー!」


 スカイは、抱きついてきてまた泣いている。


「はいこれ、ちゃんと取り返してきたよ」


 スカイに返し私は、店主をぶん殴った。


「テメェ、わかってるよな。お前のせいでもあるんだからな」

「わかってるよ、それより行った方がいいぞ」

「言われなくてもわかってるよ」


 私は、箒屋を飛び出しギルドに向かう。フェクトたちもまだ動いていないのがわかる。

 私を待っているのか、それともまだその時ではないので出発しないのかわからない。

 それでも、国の周辺が明らかに雰囲気が変わっているのを感じ取る。

 魔族が指揮をして攻めてくるのかと思ったが、それは違うみたいだ。

 反応があるのは、一体だ。

 ただ、禍々しさで言えば魔族とそう大差変わらないであろう。

 そんな魔物だった。


「二人ともなんで行かないの?」


 私は、ギルドの扉を勢いよく開けた。

 そこには、大勢の冒険者たちがいたが気にしない。


「アリア、丁度良かった。出発するところだったんだ。ドラゴン退治、楽しもうぜ」


 フェクトは、そう言ったのだった。





 投稿を忘れていました。

 お待たせしてしまって申し訳ございませんでした。

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