表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
第1部-2章 王都で再開! 13歳の私は、他種族との交流していこう!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/603

72話 村を救うために、あの子に相談します


 指揮官の彼が目覚めたのは、それからすぐのことであった。

 そして、私たちを見つけるなり頭を地面に擦り付けるような形になった。


「え、ちょっ、頭をあげてください」

「剣聖様とは知らずに、申し訳ありませんでした! 私、ラルマル一生の不覚でございます」


 ラルマルと言った指揮官は、金髪のサラサラヘアーが特徴で正義感が強そうな男だった。


「別に何も思ってませんから、とりあえず頭をあげてください」

「本当に申し訳ございませんでした、それよりギルドの件についてなのですが」


 それから私とラルマル、それに村人何名かで話し合いが設けられた。

 これから、どうするか。それについて白熱とした議論が交わされたのだ。

 結果、私の提案が大体なことをやることになった。


(イデリア、聞こえる?)


 あまり掛けたくはないものの、私は村の為と思ってイデリアをテレパシーで呼ぶことにしたのだ。

 こういった問題は、大抵イデリアに任せておけば大体のことはどうにでもなる。

 イデリアは、魔法会を思い通りに動かせるからこういった時には、ありがたくてしかたない。


(アリア大丈夫なの? 怪我は、悪化してない?)


 第一声がこれである。もう何週間も前のことで、すっかり忘れていた。


(もう痛みとかはないよ。それよりさ、少しお願いがあるんだけど)

(何かしら?)


 私は、村のことを話した。そしたら、話を聞き終わったのち、たった一言を言ってテレパシーが切れた。

 そして私は、そのことをライマルに伝え、村人にも一気に話が回る。

 それだけじゃない、格段に士気が上がるのを感じ取るほどだ。


「みんな、柵の強化とかやっていくぞ!」


 元気いっぱいな声が聞こえてくる。それだけ、この村はまだ行けると断言出来そうだった。

 私たちは、近くの森から木を伐採しつつ持って行った。持っていた木々は新たな柵になり、簡易的なトラップにもなっていく。


「結界の方は俺が付け直してやる、だいぶガタがきているからな」


 フェクトは、得意げな表情で指を鳴らし張り替えていた。それには、村人の中にいた結界術師が驚くほどである。

 

「なんと素晴らしいんだ! こんな結界とても良い。ワシらには、ここまでの頑丈さはできなかった。今日は本当にいい日だ」

「喜んでくれてなによりだ。武術についても教えるから、俺とナズナに頼んでくれ」



 それを教わりにきたのは、ライマルただ一人だったようだ。

 魔法を扱えない連中は、全員私の方に来ていた。


「私、一つ言っておくけど手加減あんまり得意じゃないからね」

「「よろしくお願いします」」


 気合いだけは、あるようだが先ほど見た感じあまりいいものとはいえなかった。

 ただ、基礎的な動きが出ているのが救いであろう。基礎的な動き、これほど重要なものはない。それをどれだけ、鍛錬できるかによって成長度合いは変わる。


「今日は、素振りをしっかりすること」


 そうして、村での特訓生活が始まったのだった。

 翌朝、魔物が現れたとともに起床。寝巻き姿で、魔物を蹂躙していく。

 そして、戦いが終われば今回の反省点なんかを、村人と共有していく。

 壊れたトラップなんかも、修復していく。


「このトラップ、ちゃんと役に立ってたな」

「簡易的な落とし穴でしたけど、楽になりますね」


 トラップの改良なんかをしつつ、時間はすぎていく。そして、それぞれ教えていく。

 それを何日間か続いていた。その日も、またいつものように過ごそうと思っていたら、テレパシーを感じ取る。


(あの件、うまくいきそうだ。ギルドとの連携も円滑に進めるようにしておいた)

(ありがとね、これで村の方も大丈夫だ。それに補助金の件、ありがとな)


 数日前、全ての村に一律の定期補助金が配布が始まったのだ。

 村は、冒険者、旅人、衛兵などの拠点として使える。それを、無くさせないためにも必要なことだった。それで、村人だけで守っていた村なんかは、冒険者を呼べるということだ。


(まだ試用段階だから、調整は必要だろうけどね)

(今回は助かった、本当にありがとな。じゃあまた)

(当然のことをしたまでよ、体には気をつけてね)


 そしてテレパシーが切れた。村の方では、早速クエストとして作られ、近くの国のギルドに貼られることとなった。


「応募の方、ありますかね?」

「ある程度の冒険者なんかは、来ると思いますよ」


 そうして、私たちが村から出発をしようと話し合っていた直後、また魔物たちが攻めてきた。

 今回は、より凶暴な魔物が居るのが報告されていた。


「ギルドの方には連絡した?」

「緊急クエストとして、発表されるようです」


 それなら安心だ。アイツらは、大抵こう言った言葉に弱い生き物だ。

 そう言っていると、転移で何名かの冒険者が飛んできていた。


「俺たち銀の冒険者してます、緊急ということなので助太刀させていただきます」


 そう言って現れたのは、銀の装備に身を包んだ十代の冒険者数名だった。


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


 ライマルは、とても嬉しそうな顔をしている。


「ライマル、喜ぶのはいいが今大事なのは、村を守ることだ!」

「承知致しております! 魔法部隊、攻撃開始!」


 そう言って、戦いの火蓋は切って落とされた。激しい魔法攻撃、それを補う形で至近距離からの波状攻撃。

 その連携も素早く取れており、ここは私たちが居なくても大丈夫だと確信できるほどである。


「あの熊みたいな奴は私に任せておいて!」


 おそらく、奴がこの騒動の原因。ただ、私は自分のやるべき仕事を済ませるのみだ。

 そうして、戦いは無事に終わる。冒険者たちも満足げにしていた。


「本当にありがとうございました。剣聖様が居なければ、この村はいずれ終わってしまう所でした」

「そうかもしれません、でもライマルさんたちが諦めずに守っていたおかげで、他の村も救われます」


 ライマルは、一礼をした。それにつられるような形で、村人たちも一礼している。

 そして私たちは、お世話になったお礼を告げまた旅を続けるのであった。


 イデリアは、テレパシーが掛かってきた時顔を真っ赤にしていました。

 アリアの声が流れてくるたび、興奮していましたとさ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ