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剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
第1部-2章 王都で再開! 13歳の私は、他種族との交流していこう!

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65話 めんどくさいことに巻き込まれるのって嫌ですね


「いきなりすぎるだろ、もうちょっと怪我人を労りなさいよ」

「知りませんそんなこと、第一にあなたがほどの冒険者がこんなダンジョンで怪我をするとは思いませんでした」


 魔法が強い。おそらくこの軍団をまとめる軍隊長と言った所だろう。

 フェクトが怯えているし、ここを早く離れたいんだけど、流石に骨が折れる。

 それだけめんどくさい奴らだ。


「あなた方には、お聞きしたいことがあるんです。大人しくついて来てはいただけませんか?」


 十中八九、召喚術式のことだろう。ダンジョンの範囲では、治らないほどのものだったのだろう。

 それをエルフ族に気付かれたのは、流石にめんどくさいものだ。


「嫌だよ、私さ剣で貫かれて痛いんだよね」

「我々が治しますので、問題ございません」

「いや、問題しかねぇよ!」


 明らかに不機嫌そうな顔でこちらを見てくる。そんな目で見られても、なんら思わないよ。なんて思いつつ、剣を振るう。

 魔法の攻撃は、どれも派手がましいだけで、簡単に防ぎ切れるものばかりだ。

 いっそのこと、一気に叩き込んだ方が、全然楽しそうである。


「それなら仕方ありませんね。皆さん、お二方を殺してください」


 一斉に魔法陣が浮かび上がる。それだけではない、先ほどまでのぬるい空気が一変する。

 とてつもない威圧感が、体を鈍らせる。そして殺気に包まれたこの状況から、抜け出したいと体がそう求めているようだった。


「ッチ、テメェらそればっかだな。従わないとなると、すぐに仲間に手をかけようととする、それしかできねぇのかよ!」

「偉そうなことを言えるのは、ここまでです。あなたは聞き分けのいい人だと勘違いしていたようです」


 一斉に、放たれる魔法はどれも綺麗で、一発食らえば即死もあり得る魔法ばかりだった。


「フェクト、ナズナ、ちょっとそのままで居てね」


 二人は、こんな状況になって壊れたみたいにパンを食い始めている。

 エルフ族の中には、何こいつら? なんて思っているやつも顔を見ればわかる。


「エイッ!」


 傷の所に私は自ら剣を刺す。軍隊長だと思われる人物の焦りっぷりが面白くて仕方ない。

 思わず、声を出して笑ってしまうほどだ。


「何やってるんですか!」


 相当厚い結界で、周囲の魔法は完全に守られる。そして、すぐさま近づいてくる軍隊長と思われるエルフ族。


「引っかかったな」

「え!?」


 私は、思いっきり右ストレートを顔面に喰らわせたのだ。


「高いところから、ずっと攻撃してたお前に腹が立ったんだよね、私が動けないことを良いことにさ」

「ふざけんなマジで!」


 私に魔弾を放つが、それは引き抜いた剣で弾く。この世のものではないような目で、こちらを見てくる。


「そんな目で見ないでよ。普通に平気だしさ」

「いや、近寄らないで!」


 完全に、ダメなやつと確信する。そう思った直後だ、増援が来るのを感じ取る。


「なんか、お偉いさん来てない? 最悪なんだけど」

「お前な、そんなことやるから増援呼ばれるんだろうが!」


 フェクトのごもっともな言葉で私は、何も言い返せなくなる。


「ナーフ、何をやっておられるのですか?」


 いっぺんにして、空気が変わる。とてつもないプレッシャーが、ビンビン伝わってくるのを感じ取る。


「え、いや、それは……」


 ナーフは、先ほどまでとはまるで別人のようになっていた。


「剣聖様、お遊びはそこまでにして着いてきてはいただけないでしょうか?」

「ったくめんどくせぇ。すぐに解放してくるなら行くよ」


 ナーフには、恨みの籠った目つきで睨まれている。


「お聞きしたいことと、少し小耳に入れていただきたいだけですから」


 そう言って私たちは、エルフ族に着いていくこととなったのだ。

 その際、怪我を一瞬のうちにして治してくれたのだ。ただ、傷跡は残るようで痛々しい傷跡が残った。

 そうして着いていくこと、一時間弱といった頃だろうか。深い森の中に入っていき、そうしてたどり着いたのはエルフ族の里。

 周りは、木々に覆われており自然と共存して生きていってるような場所である。

 そして、里では様々なことで遊ぶ子供のエルフたちだったり、お偉いさんを見るなり頭を下げる者もいる。

 それだけこの里に置いて、重要な人物とわかる。


「剣聖様、いかがですか?」

「綺麗な場所って思うだけで、特に何も」


 お偉いさんは、少し笑って「そうですか」と答えた。そうして、里の集落街を抜けて見えてきたのが大きな木々だ。

 そして、その木々には扉がつけられており大きな扉に入る。

 そうして、木の中にある大きな部屋に通されたのだ。


「剣聖様、単刀直入にお聞きします。あのダンジョンで何があったか教えてはいただけませんか?」


 私は、覚えていることを全て話した。それを親身に聞くあたり、相当できた人なんだろうと思わされる勢いだ。

 そういう人は、大体人望も厚いのがわかる。


「そうですか。召喚術式、それはまた厄介なことに巻き込まれたみたいで」

「いえいえ慣れてますので。それで伝えておきたいことってなんですか?」

「これはまだ憶測なのをご承知でお聞きください。近い将来、イデリア様に危険が及ぶかもしれません」


 そんなことか。私が最初に思ったことだ。イデリアに危険が及ぶってことは、考えられる要因は一つだ。

 四人のエルフ族を狙う輩が、現れるってことである。


「それで私に何をしてほしいの?」

「その時は守っていただきたいのです」


 私は、何も言わなかった。その時生きているかもわからないのに、返事をすることはできない。


「それだけ。長居もしたくないから、私たちは行くよ」

「お待ちください、あの一日だけ滞在してはいただけないでしょうか?」


 やっぱりそう来たか。そんな予感がしたから、嫌だったのだ。

 フェクトは、完全に精神が不安定な状態になっているし、さっきまであんなことをやっていたのに、居づらくて仕方がない。

 いつナーフってやつに、復讐に来るかわからないのに最悪だ。


「ただし、必要な用事以外で私たちの前には現れないでください」


 そう言って、案内されるまま私たちは、部屋を後にしたのだった。

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