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剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
11章 旅路

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526話 繋ぐもの


 投稿が遅くれてしまい申し訳ございませんでした。


 ダンジョンを開ける。

 暗かった開かずのダンジョンに、木漏れの陽の光が入ってくる。

 そうして私たちに反応してか、壁に設置されたランプが光り始めた。


「ここは出入り口で、地下に繋がる階段を通ってダンジョンを攻略するって感じだね」


 その階段の前に、何か文字の書かれた石碑が置かれていた。


『ここに訪れし者よ、よくぞキーを手に入れた。ここまで来るのに時間を要したことだろう、そんな汝らに我からの極上のダンジョンでおもてなしをしよう』


 そんなことが書いてあった。確かにこのダンジョン、私たちが来たことによって、止まっていた時が流れ始めているのを感じる。

 強い気配も感じて、剣が疼いていた。


「二人とも、ここからは一切の油断なく行くわよ」

「もちろん、こんなことを書いてるんだ、どんな魔物が出てくるか楽しみだ」

「当たり前ニャー、早く行こうよ」


 ナズナは私の手を引っ張ると、そのまま階段を降りていく。

 後を追って、フェクトも階段を降りた。

 そうしてその瞬間、階段の扉は自動的に閉まる。


「マジか!? 一徹突き!」


 フェクトの一撃ですら、その扉は壊れることはなかった。結界によって守られており、私たちは閉じ込められたようだ。


「オフセットを使っても無理かな?」

「それは最終手段に使おうよ、せっかくこんな所に来たんだから楽しまないと」


 フェクトも諦めたのか、軽く頷く程度で何も言ってこない。


「そんなことより早く進もうよ、ダンジョン攻略を楽しむのも冒険者には必須ニャー」


 ナズナは手を離し、一人で行ってしまう。そうして、早速戦闘が始まったようだ。

 地面に力強く何かが当たる音が響く。おそらく拳か、武器の類いだろうが、まだわからなかった。

 階段を降りると、足技を使うゴブリンキングがナズナと一戦交えていた。


「こいつ強いニャー、初戦からこれって多分相当難易度が高いニャー」


 ゴブリンキングは通常武器を使って戦うことの方が多い。それに何より、私はこの時初めて足技で攻めるゴブリンキングを見た。


「獣拳・ショット」


 上手く間合いを詰めたナズナの一撃が、ゴブリンキングに襲う。

 その衝撃に腹筋が割れていた体ですら、全くもって耐えられていない。

 風穴を開け、そのまま顔面にもう一度叩き込まれて消滅した。


「よっしゃー! それにしても固かった、どうやったらあそこまで腹筋堅くなるニャー」


 私とフェクトは顔を見合わせ、もう一度ナズナを見る。目の前で起きた光景を思い出しながら、私は口を開いた。


「いや、その腹筋を最も容易く風穴開けてたじゃん」

「そう見えていたかも知れないけど、でも本来ならあれで死んでたはずニャー」


 ナズナが、言いたいことはこういうことかも知れない。あの一撃で、消滅が出来る程度には持って行ける算段だったのだろう。

 だが、予想よりも遥かに堅く、もう一撃打ち込まなければ倒せず、少しばかり悔しんでいる。


「それにしても初戦からトリッキーな感じで来たな」


 私もそのことに関しては思っていた。足技の一撃で階段付近はクレーターがハッキリとわかるほどに出来上がっている。

 それに、ぶつかり合っていた際の衝撃も肌にピリつく感じで強いと感じた。


「とりあえずここで考え事をしていてもダメだな、先に進もう」


 気配感知を探る。どうやら次は、大勢の魔物が待機している。

 私たちが来るのが今かいまかと楽しみにしているのが、気配を通じて伝わってくる。

 おそらく扉を開けた瞬間、先ほど同様に襲ってくるだろう。

 それなら、先手必勝である。


「二人とも一気に攻め落とすわよ」


 何かに抉られたような道を進み、勢いよく扉を蹴飛ばし一気に攻める。


「一閃・斬撃」


 扉を蹴り飛ばしたことで宙を舞う魔物以外、一気に首を斬り落とした。

 血の雨が降りそそぎ、血の水溜りが出来上がっていた。


「いや、それはないだろ! なんでアリアが一気に斬っちまうんだよ」

「いや、思いの外、スパッと斬れそうだなって思って」

「フェクトはあれでお似合いニャー、まだ数体残ってるんだから、あのゴブリンたち倒してよ」


 扉を蹴り飛ばした時に、運よく残った三体のゴブリン。そのうちの二体は、意識を失っていた。


「いや、ほぼ死んでるようなものじゃねぇかよ! 俺は普通の戦いがしたいんだよ」


 その瞬間、一体のゴブリンが勢いよく飛んで蹴りを繰り出してくる。

 それをノールックでフェクトは対処をする。


「良い攻撃を持ってるじゃねぇか、良いセンスしてるぜ」


 その言葉に応えるかのように、ゴブリンは光り輝き、ゴブリンキングとなった。

 まさかの進化を果たしたことで、指を鳴らすと同時にゴブリンを瞬く間に召喚した。


「手下のゴブリンは私たちが対処するニャー、フェクトはキングをお願い」


 フェクトは走り出し、勢いよく拳を繰り出す。真っ向から蹴りが飛んできて、ゴブリンキングが威力を殺した。


「マジかよ……」


 フェクトを翻弄するかのように、鋭い一撃が飛んでくる。まるで先ほどのクレーターのようだった。


「一徹・雷連撃」


 雷を体に纏わして戦うかのような感じで、フェクトは間合いに飛び込み、連撃を叩き込む。

 凄まじい速さの連撃が、ゴブリンキングの体をへこませていく。

 そうしてトドメの一撃を叩き込んだ。

 その瞬間、戦っていたゴブリンたちがそのまま消滅を果たすのであった。


「キングがやられたら、ゴブリンたちも消えるようになってたのね」

「おそらく今のは、ゴブリンキングがパスを繋いだままだったからだ」


 ゴブリンキングによって召喚されたのだから、最初は誰だってパスを繋いでいる。

 人間の赤ちゃんだってそうだ、体内で母体と繋ぐへその緒というものがある。


「最初のゴブリンキングは、そのパスを解いてあのゴブリンたちをここに避難させてたってことになるね」

「だからこそ、あの時倒してもゴブリン自体は残ったってことニャーね」


 そうして話している内に、第三の扉が開放され私たちは先に進むのであった。

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