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剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
間章

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イデリア襲来


「はぁ……」


 部屋に一人、溜息が溢れる。

 今日は、とてもいやな日だ、この日がいやでいやでたまらなかった。

 ドアを叩く音が響く。


「マメシア様、あの方が到着されました!」

「今行くわ」


 覚悟決め、部屋を出て転移で場所に移動する。

 場所は、門の外である。


「お久しぶりね、マメシア」


 今一番と言っていいほど、会いたくない相手が目の前にいる。

 それは、私たちが所属する魔法界のトップイデリアだ。


「お久しぶりです、ですが生憎ではありますがお帰りいただいてもよろしいですか?」

「なんの冗談を言うかと思えばそうですか、だからギルド長まで一緒なのですね」


 魔力の昂りを感じる。顔にはださないでいるが、相当キレているのがこっちにまで伝わってくる。


「剣聖様はもう旅だったあとですし、何より完全に事件が解決したとお伝えしたはずですが」

「だから何? アリアを止めておくのも言っておいたはずよ」


 次の瞬間、互いの杖から魔弾が発射される。

 威力も凄まじい。


「後悔するわよ」


 十二歳とは思えない声が、体を硬直させる。それでも、私は決して目を離さない。


「「それは承知の上ですから」」


 国の前で、ド派手な戦いを幕を開けたのだ。


「マメシア! あんたは魔法に集中しなさいな」


 そう言って、カリンは単身飛び出す。互いに、イデリアに剣がとどくとは思っていない。

 それでも、この国のギルド長として剣を振るっている。


「カリンだっけ? すっこんでろ」


 カリンは、地面に叩きつけられ地面が悲鳴をあげているようだ。

 圧力か……あの人らしい魔法やな。


「雷光!」


 やっぱりダメか、あの硬い結界の中で跪かせるのは無理か。


「ぬるい攻撃やなぁ、失望させんな」

「まだ私は、終わってない! 十文字」


 剣は、結界に弾かれまともに攻撃が通らない。


「爆ぜろ!」


 カリンを回収しつつ、後退する。


「何やってるの! 私があそこで足止めするのに」

「あのままやってたら、確実に死ぬ一歩手前だった」


 あの人の魔力が、そんなふうに想像させた。そう言わざる終えなかった。

 それだけじゃない、あの人さっきから一歩も動いてない。


「「雷砲」」


 同じ魔法でも、圧倒的な物量には敵わない。

 それでも私は、この国の安全を守る魔法使いだ!


「爆ぜろ」


 雷砲の威力がほんの一瞬、威力が下がる。


「いけー!」

「もう着いたよ、残像剣」


 右横腹に向けて剣が当たる。

 その衝撃は、そこまでない。それでもほんの少しはよよろめく攻撃、


「バインド! ゴーレム、一発いけ!」


 ヨシ! 決まった。だがそれは意味のなさないことだと、思い知る。

 バインドもゴーレムも無へと一瞬のうちに、帰ってしまう。


「爆ぜろ」


 正直最初、何が起こっているかわからなかった。

 気がついた時には、私たちは宙に舞い地面に倒れていた。


「立てよさっさと」


 声はかすかに聞こえるが、何を言っているかまではわからなかった。一瞬にして、敗北という文字が現実を突きつけてくるようようだ。


「私に来てほしくなかったんだろ。アリアも多分そうだから出発したんだろうな」


「まだ、終わってない……完全には倒れてない」


 カリンだろうか。立ち上がっているのか、闘志が燃えたぎっている。


「さすが元、金の冒険者として活躍していただけのことはありますね。でもね、私は成長した姿を見たかっただけなのに」


 ようやく声が聞こえるようになる。だから、イデリアはこんなにも、会いたかったのか。

 そして、先に会った私たちにイラついてるのか。


「私もまだ終わってない! イデリア先に会って悪かったわね」

「なに……笑いながら……意味わからないこと言ってるの……マメシア?」


 私が笑ってる? なに言ってるのかしら、私は笑っていないと思うんだけどな。


「死ぬ覚悟できてるよね。インフェルノ!」


 インフェルノが真っ二つに斬れる。

 誰もが、なにが起こったのかわからないでいた。


「なんで争っているかは知りませんけど、お開きにしませんか?」


 誰なのかわかない。でもどこか安心できるような感じがする。

 目の前が真っ暗になるかのように、地面に倒れんでしまう瞬間。


「良かった間に合って! サリナちゃんこっちは任せて」


 回復魔法。しかもとても丁寧にやっているのがわかる。


「カエリアさん、この人たちの護衛お願いしますね」

「無理するなよ、キャンシー!」


 彼女は、イデリアを前にしても指示をして、普段通りにパーティを動かしている。


「あなたがイデリアさんですか、アリアに会ったって言ったら驚くだろうな」


 今、呼び捨てしたよ。一番会いたがってる人の前で言っちゃってる。

 私とカリンは驚いてなにも言えない。


「今なんて?」

「こう言ったんだよ、私がアリアの初めてできた友達って言ったんだよ」

「雷光・豪雨」


 彼女の周りに、雷の雨が降り注ぐ。

 それを加速魔法で避けてるとはいえ、スレスレだ。


「私、あの人と一緒に戦いたいんだ。だからね、勇気はどこからでも湧いてくる、それがどんなに無茶苦茶でも関係ないんだ」


 だからか、さっきも普通に話してたのもずっと勇気だったんだ。

 私たちが失念していた勇気が、彼女にはあったんだ。

 だから、こうしてイデリアの前に辿り着いたんだ。


「一撃勇気・一殺突き!」


 その瞬間、門の壁にイデリアがめり込んだ。


「まだまだだね、アリア。もっとスマートで完璧にやれって言いそうだね」

「マジか……今回は負けでいいよ。君、剣聖は目指さないの?」

「アリアは、友達として冒険者として尊敬してるだけだよ。だから私には、そんな称号はいらないよ」


 それから、イデリアも含めて宴会騒ぎだ。

 いつかまた会える日が来るであろうその日のために、今日のことを忘れず、日々精進しようと決意したのだ。

 そして、新聞には戦闘が勃発したと書くように指示をし、この戦いは終わったのであった。

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