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剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
第1部-1章 剣聖少女前日譚と旅の始まり

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18話 これから目指す場所


 会議室に向かうと、すでにたくさんの職員が集まっていた。


「おはようございます!」

「「おはようございます」」


 マメシアが挨拶すると、全員から挨拶が返ってきていた。相当信頼されているのがわかる。

 それだったら、少し昨日は酔いすぎだと思うのであった。

 その後、会議では今回捕まえた三人のことについて熱く議論されていた。

 これからの処罰をどうするかとか、今後の対応を誰に当たらせるかとか、色々話されていたが、ほとんどのことを覚えていない。

 会議も終わりを迎え、私はまた街の散策に出かけようとしていると、マメシアに声を掛けられた。


「剣聖少女様、今朝はありがとうございました」

「私は特に何もしてないよ、じゃまた何かあったら連絡ちょうだい!」


 そういって、支部を後にするのであった。

 支部を出ると、街に来た時に比べたらだいぶ街の賑わいが心地いい。

 人々の暮らしを、あんなのに邪魔されたらいけないのだ。それを守るのも、私たちの仕事の一部だと再確認させられた事件だと私は思うのだ。

 

「今日もやることがないし、ギルドで手頃なクエストがないか見に行こうかしら」


 この国に来てから、一度もギルドには入っていない。その国々のクエストを見るのも、旅人の醍醐味なのだ。

 ギルドの扉を開けると、朝から酔っ払っている冒険者や、きちんとクエストを見てるもの、パーティの募集をかけているもの様々だ。

 クエストの紙を見ていると、私に気付いたのか女性の職員を声をかけてきたのだ。


「剣聖少女様、お初にお目にかかります。ここで代表を務めております、カリンと申します」

「これはご丁寧に。私は剣聖アリアと言うわ。早速で悪いのだけど、何かいいクエストはございませんか?」


 カリンは、少し間を開け思い出すように考えている。


「少々お待ちください」


 そう言って奥の事務所に消えた。その際、私が剣聖であることに気がついた人たちは、少しビクついた様子である。


「そんなに緊張しなくていいよ、気楽にしてていいよ」


 その言葉で多少、緊張が解けた感じがするがまだ硬いような気がした。

 そんなことをしていると、カリンさんが戻ってきた。


「申し訳ございません、今剣聖様にしていただけるお仕事がございません」


 カリンさんは、とても申し訳なそうにしている。私も、クエストを見た感じ、魔物系はほとんどなかった。


「じゃあ、私これ受けるわ」


 そう言って、壁に貼り付けてあった薬草採取のクエストを受けたのだ。

 カリンさんは、少々驚いた顔していたがさすがはこのギルドをまとめているマスターである。


「よろしくお願いいたします」


 すぐに、クエスト受注できて私は、国の門を抜けた先にある森の中に来ていた。


「ずっと街にいるのも、息が詰まるしこうやって外に出るのもいいわね」


 腕を伸ばし、ストレッチしつつ歩いていく。鑑定魔法で周囲も確認するが、薬草は見当たらなかった。

 

「もうちょっと奥に行かないとないかな」


 辺りを見渡しながら、歩いていく。魔物の気配もないし、だいぶ安全な森だ。

 整備も行き届いていて、定期的に魔物の討伐に出ているのがわかる。

 あの人、だいぶ仕事が出来る見た目だったし、この国のギルマスも信頼に値するだろう。

 そんなことを考えていたら、鑑定に反応がある。


「あったー!!」


 薬草は、必要な分だけとりつつ国に戻るのであった。

 銅貨二枚を受け取って、お仕事は完了した。

 

「そろそろ次の国を目指そうと思うけど、どこかいい国はありませんか?」


 カリンさんは、少しかんがえてから口を開く。


「王都ダイナールはいかがでしょうか?」


 王都ダイナール。このダイナール大陸の中央に位置する国である。

 絶大な力を持っている国であり、全てにおいて一番進んでいる国だと自信を持って言える国だ。


「それもいいかも、でもダイナールってまだ結構距離が離れていますよね?」

「そうですね、まだだいぶ時間はかかりますけど、後悔はさせません!」


 カリンさんの自信いっぱいの声が、ギルド内に響き渡る。それで、みんな私たちのことを注目してくる。

 それに驚いたのか、机の下に隠れてしまうカリンさんなのであった。


「だ、大丈夫ですか?」


 真っ赤な顔で、とても焦った様子で意思表示してくれるが、当分ダメみたいだ。


「申し訳ございません、わたくしイオンが引き継がせていただきます。箒で旅をなさるのですよね、それだったらこちらの方で、色々準備いたします」


 イオンは、胸元に書かれたプレートによると、ここの副リーダのポジョンのようだ。

 対応も、とても丁寧で素晴らしく個人的なファンクラブがありそうな美貌の持ち主だ。


「それでしたら、とりあえず三カ月分で明日のお昼頃に北門にお願いします」

「承知いたしました」


 その日の夜、マメシアにこのことを伝えた。案の定、しがみつかれて泣かれた。

 結局、あの後も捜査は続くらしいが、アイツがどうやら数週間後には来るらしいのだ。

 それまでに終わらしたいと思っていた矢先のことだったらしい。


「多分だけど、もう解決すると思うよ」

「え、なんでですか!?」

「多分、知らしめるように活動するよう言われてたのかも、そしてアイツが来るんだったらこれ以上、騒ぎを起こしたら自分たちがどうなるかわかってるはずだよ」


 それに殺された四人は、全員街のギャング。そいつらは、これ以上悪さをすることはないだろう。

 元々、街のギャング集団だ。そいつらが、殺しをしても問題ないとされている冒険者や、ここの魔法使い連中に手を出すのは考えづらい。


「でも警戒は怠らないことだね!」

「はい」


 そうして、この国での旅を終えたのだ。翌朝、南門では、マメシア、カリンさん、イオンさんの三人が見送りに来てくれていた。


「これからお仕事皆さん頑張ってください、またどこかで会うことがありましたらアリアって呼んでください」


「アリア! 旅を楽しんでね」

「アリア様、よい旅を」

「アリア様、どうかお体にはお気をつけください」


 そう言われ、旅を再開するのであった。

 箒に乗って目指す場所もとりあえずは決まり、これからの旅をより良いものになることを願って旅立つのであった。



 


 今日でとりあえず二話投稿終了になります。

 明日以降は、昼頃に一話投稿となりなますのでお間違いないようよろしくお願いします。

 ストックが貯まればまた、二話投稿もやりたいと考えていますので、これからもよろしくお願いします。

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