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剣聖少女 〜あてもない旅がしたいと願った少女の冒険譚、剣聖にもなれたので箒に乗って路銀稼ぎや旅を楽しみたいと思います〜  作者: 両天海道
第1部-1章 剣聖少女前日譚と旅の始まり

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17話 食事と襲われ


 お店に入ると、酔っ払っているマメシアと遭遇。

 酔っ払ってはいるものの、食べ方はとても上品である。どこかの令嬢かよってツッコミを入れたくなるレベルだ。


「ここのお通し、美味しいですね」


 マメシアは、目をキラキラさせ何度も頷いていた。


「大将! 剣聖少女様におすすめを出してあげて」


 マメシアは、気分が良くなっているのか大声で注文を入れた。

 そして大将も、気乗りしているようで自信満々な笑みを浮かべている。

 

「何頼んだのですか?」

「えーとね、ロック鳥の唐揚げ」


 ザ・居酒屋メニューだ。鳥の唐揚げは、お店それぞれの特徴がありそれを楽しむのも醍醐味なのである。

 しかもロック鳥である。

 ロック鳥のお肉は、柔らかく食べやすいのが特徴なのだ。それで脂身もよく、私も好きな食事だ。

 飲み物を頼みつつ、鶏の唐揚げを待つ。その間、マメシアは何か喋っていたが全く聞き取れなかった。


「はい、お待ちよ!」


 大将自ら、鶏の唐揚げを持ってきてくれた。もう見た目の時点で、美味しいのが分かりきっていた。

 唾を飲み込む。

 一口、口に放り込む。口に入れた時点で美味しい、噛んだ瞬間肉汁と油が口に広がり美味しすぎる。

 そして、酒で流し込む。


「美味しい〜」


 もうその一言に尽きる。一つで満足できる料理だった。


「剣聖様って、美味しそうに食べるんだね」

「え!? そう?」

「周りを見てみなよ」


 マメシアに、周りを見るように言われ見てみると、みんなが頼んでいる。


「さすが剣聖様だね、影響力ある〜」

「一回お水飲みなさいな、他になんかおすすめある?」


 お水を差し出しつつ、メニュー表も一緒に差し出した。


「えーとね、薬草サラダとオーガ肉のサイコロステーキ」

「すみません、薬草サラダとオーガ肉のサイコロステーキお願いします」


 そうして、朝の話をしようとした直後、マメシアは真っ青の顔になっている。


「早くトイレ行け!」


 マメシアにそう言い放ち、それどころではなくなった。それから数分後、とてもスッキリとした表情していたのはいうまでもない。

 ご飯を食べ終え、お店を後にした。


「この後って、宿戻るだけ? お風呂入りに行かない?」

「入りに行こうか」


 酔いが回って少し敬語を出なくなっているが、特に何も思わなかったのでスルーした。

 それから、夜風を浴びつつ歩いていく。居酒屋特有の熱気を冷ましつつ、二人とも何もしゃべらなかった。

 ただ、何も喋る話題もなかったので、こちらとしてもありがたかった。


「ここだよ」


 連れられてきた場所は、昔からある銭湯だった。

 受付を済ませ、脱衣所に着いた。

 服を脱いでいると、マメシアは驚いた表情で、私の体を隅々見てくる。


「え、何? 何かついてる?」

「いや、体ナイスプロポーションすぎるでしょ! 胸の形も綺麗だし、何やったらそんなことになるのよ」


 正直言って、修行しかしていない。来る日も来る日も修行の日々に明け暮れていたため、あいにく美容に関する知識はあまりない。


「修行」

「嘘でしょう、私美容にはお金かけたのになぁ」


 明らかに、がっかりしている。お酒の酔いが完全に冷めた様子だ。私も何か声を掛けるべきなのかと迷ったが、何を言ったらいいかわからず黙っていた。

 風呂場では、マメシアの声が聞こえていたのか、とても見られているような気がする。

 すごくいづらい。


「マメシアのせいでめっちゃ私、見られてるんだけど」

「そりゃ見ますよ、そんないい体してたら、私抱いて」

「アホ」


 やっぱり訂正しよう。間違いなくまだ酔っているな。軽く平手で頭を叩きつつ、私は体を洗っていった。


「まだ酔いが残ってるみたいだし、早めに出るわよ」


 体を洗って浴槽の中にはいる。やはり、大きいお風呂は気持ちがいい。

 最高である。

 一瞬で、疲れが取れていく。


「あ〜気持ちいい。マメシアどう?」

「え、気持ちいいですー、ゴボゴボッ!」


 すぐに引き上げ、他のお客に一礼しつつ、脱衣所に戻ってきた。


「あのね、風呂場で意識を落とすじゃないわよ」

「すみませんでした、これからは気をつけます」


 マメシアを注意しつつ、私はマメシアと別れた。

 そして、ある違和感に文句を言うのだ。


「いつまで隠れているつもりなんですか、私が誰か分かってますよね」

 

 今日一日つけてきた魔法使いに向けて、言い放つ。

 マメシアが居たら、危険に晒すところだったからここまで引っ張ってよかった。

 

「なんだ気がついておられたのですか、それだったら話は早い。シャドウランス!」


 あれは、闇魔法のシャドウランス。槍の形状をしており手投げ槍を魔法で表現したものだ。


「効くかよ」


 木剣で、斬りつつ姿を現すのを待った。

 どいつもこいつも、同じローブを着て現れる。


「あなたには負けませってぎゃぁぁっ!!」


 話してる間に斬りかかり、マメシアには悪いが、魔法界支部に届けてあげた。

 だが、夜勤組が対応を行い、宿に帰ったのは日を跨いだ後になった。

 ベッドの上で、倒れ込むように寝て、起きたらすっかり太陽は、お外を明るく照らしていた。


「あー眠い」

 そう呟く。

 眠たい目を擦って、朝ごはんを買いに外に出る。外では、活気がいい朝市が色々な場所で行われていた。


「あ、マメシア! 昨日は、あの後ちゃんと家には帰れた?」

「それより聞きましたわよ、剣聖少女様が襲われたって、大丈夫なのですか?」

「それはもちろん」


 その後、朝ごはんを頬ばりつつ、魔法界支部に向かうのであった。

 着くと、朝からてんてこ舞いな様子である。

 マメシアと私は、そんな光景を通り過ぎ、マメシアの自室に向かうのであった。

 そこで、今回起きた出来事をまとめた資料を見つつ、対策会議を行うことになり、私も当事者として、参加が決まるのである。

 正直めんどくさいのは山々だが、これも巻き込まれた私が悪いと、腹を括り会議室に向かうのであった。

 

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