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「第3回下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ大賞」参加作品シリーズ

鏡に映るは過ぎし日の記憶

掲載日:2021/12/31


 目が覚めると俺は鏡の中にいた。


 どうやら夢の中らしい。


 目の前には見覚えのあり過ぎる一人の若者。


 間違えようもない。十年前の俺だ。



 この頃俺は、小説投稿サイトに作品を投稿しまくっていた。


 ロクに読まれもしないのに、よくまああれだけ書いたものだ。



「くそっ、何で読まれないんだよ!! 絶対に俺の小説の方が面白いだろ」


 布団に八つ当たりする十年前の自分の姿。恥ずかしくて見ていられない。



 今ならわかる。なぜ読まれないのか。だがこのときの俺は……。



 手元を見れば、スマホがある。当時使っていた懐かしい機種だ。


 もしかして……?


 画面に映る懐かしい小説投稿サイトをタップする。


 あった……俺の小説。



 見事なまでに誰にも読まれていなかった。


 十年ぶりに読み返して感想を書く。


 自分自身に感想を送るなんて変な感じだけどな。


 

 頑張れよ、俺。ここで筆を折ったら後悔するぞ。


 ユーザー名はどうしようか。


 適当に助手の名前を借りておこう。



 感想を送り反映されたことを確認する。


 あれ? もう一件感想が付いている。


 しかもまさかのユーザー名丸被り!?


 これじゃあ、同じ奴が連投したみたいじゃないか。


 

 読んでみれば、俺が書いた感想より、

 

 よほど良いことが簡潔にまとめられていて驚いた。


 

 あ……この感想、憶えている。いや、思い出した。


 そうだ、初めてもらった感想なのに何で忘れていたのだろう。


 ははは、今読むと本当に良いこと書いてあるなあ……。


 当時の俺は、素直になれず悔しくて、怒った記憶があるけど、


 結局、その感想のおかげで今の俺があるんだよな。


 

 ……ちょっと待て、俺が書いた方の感想も思い出したぞ。


 知った風な事書きやがってって腹が立ったんだよな。


 あれ……? てことは、あの感想は未来の俺が書いたってこと?



 

「……先生、鏡の前で何にやにやしているんですか?」


 助手に声をかけられ我に返る。


「なあ、ジョッシュ。お前も小説書いていたんだよな?」


「はい、十年前に小説投稿サイトで素晴らしい作品を読んで、あまりの衝撃に長文で感想まで送ってしまったんですよね。今思えばそれが小説を書こうと思ったきっかけですね」


「その小説のタイトルは?」


「白昼夢」



「なあジョッシュ」


「何でしょう?」


「ステーキと特上寿司どっちが良い?」


「どうしたんですか、急に? そうですね、両方ですかね!!」


「ははは、両方か。ジョッシュらしいな。よし、両方頼もう」


「やったああ!! ケーキも良いですか?」


「もちろんだ」


 ありがとなジョッシュ。

 


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i607665 (作/ちはやれいめいさま)
― 新着の感想 ―
[一言] 一番最初についた感想、思い出深いですよね。 アクセスがあるだけで嬉しくて、感想なんて驚きの一つでした。どうしよう、批判的なことが書いてたらって思って、なかなか開けなかったんですよね……。だけ…
[良い点] ジョッシュ、おまえ、ナイスプレイ!笑
[一言] うふふ♪ (*^^*)
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