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 世に〈三記さんき〉あり。


 三紀とは『古代記』、『新代記しんたいき』、『禁記きんき』の三書を云う。


 これらは世のことわり、英知、規範、予言、禁忌などを記す。


 これらに背いた者は天の怒りを買うだろう。


 我々はその先例を幾つでも上げることが可能である。


 三紀によって、未来の知識、未知の知恵を得た。また人の道を知った。


 この世にも稀な〈銀桜ぎんおう時代〉を生きられる喜びを噛みしめ、三紀にそって生きるべし。


 

——大路七平おおじしちへい著 『「禁忌」に関すること、その周辺についての考察』より——

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