そういうのは最初に言うべきだと思うんだ
俺、南紀 悠は至って普通の男子中学生だ。いや、だったと言った方がいいか。どう考えても普通じゃないからだ。異世界に召喚された中学生なんて。
いつもと何ら変わりない日常にてそれは起こった。俺はいつも通り学校にいて、休み時間を友達と過ごしていた。そしたら突然教室が光に包まれて、気がつくと俺とそのクラスメイト34人はこの異世界のイディラムという国に居た。
まぁ俗に言う異世界召喚ってヤツだ。
俺達はこの国の城の地下に召喚された。そこで俺達は異世界に召喚されたことを伝えられ、現在この国の姫様に案内されて国王の居るという謁見室なる場所に向かっている途中だった。
謁見室は開けたホールの様な空間で周りには槍を持った兵士が配置されていてそばには豪奢な鎧を着た隊長?っぽい偉そうなオッサンがいる、一番奥には王座に座り、煌びやかな衣装を身にまとい、頭に王冠をのせた中肉中背のオッサンがいた。便宜上隊長の方を鎧のオッサン、王様の方を王っさんと呼ぶ。ダジャレです。はい。
「おぉよくぞ来てくれた勇者達よ!」
謁見室に着くなり王っさんが口を開く。どことなく偉そうな口調だ。
そっちが勝手に呼んだんだろ。とは思ったが口にすることはない。下手なことを言って首をはねられでもしたらたまったもんじゃない。ここは大人しく話を聞いてるのがよさげだな。
ま、わざわざ突っかかりにいく馬鹿もいねぇだろ。
「はー?そっちが無理矢理連れてきたんですけどー?マジで最悪ー」
居たわ。口を開いたのは長い黒髪をロールさせたTHE、ギャルって感じの女生徒。顔は良くない。ってかうちのクラスの女子に基本美人は居ない。性格にしろ顔にしろな。
誰だあいつ?基本俺はクラスの奴らの名前を覚えるような事をしないからあれが誰だなんて分からない。
それにしても周りの兵士が見えないのか?ホントに馬鹿だろ。お前のせいで俺まで死ぬとか嫌だぞ。
すると当然のごとく鎧のオッサンが
「貴様、王にたいして何足る物言い、身のほどを知れ!」
などとと言うが王っさんは余裕のある面持ちで
「フム、そちらの者の言うことももっともだ故に先ずは此方の話を聞くがよい」
何やねん聞くがよいって何様かぁ?まぁイチイチ突っ込んで(口には出してない)起こらせてヤカマシイ、死ネ!みたいな展開になるのも嫌なのでスルーしておくことにする。
そして王っさんはゆっくりと口を動かし始めた。何故に俺達をこの世界に召喚したのかを。
異様に長い王っさんの話を要約すると、魔王が民を苦しめどうたらこうたらでマジヤバイから勇者助けてー的な事らしい。
んで魔王に対抗するために王族に代々伝わる勇者召喚の術を実行して、今に至ると。
ま、この辺はテンプレ通りかな。大体予想はしてた。
「ところでここからが本題なのだが」
ん?王っさんが何か言ってる。まだ本題じゃなかったのか?
「実はな……」
どうした?何かあったのか?
「この中に勇者は五人しかおらんのだ」
へ?
誤字脱字やこうしたら面白い、こういう展開にしてほしい的なのあれば気軽にコメントください?