第7話 異世界からの使い手
ショウスケとメリアに近づいてきた大柄な男はこの夏の時期には暑そうなローブを着ている。
ショウスケはそっとメリアに目線を合わせ、
「ちょっと、外の空気吸ってくる。 」
そうメリアに伝え、ショウスケはカフェの店内を後にする。それに続くように、大柄の男もショウスケについて外へ出る。
ショウスケはローブを着た男に話しかける。
「ちょっと、路地裏までついてこい。 俺に用があるんだろ。 」
カフェをでて右に曲がり少し離れた路地裏についたショウスケは改めて男に話しかける。
「あんたから嫌な気配がすげー感じででてるけど、あんた何者だ? 」
大柄な男はローブを脱ぎ捨て、ショウスケにこう伝える。
「ショウスケ、貴様を殺しに来た。 」
そう言いながら、刀広斧のような形の武器を背中ら取り出す。
その武器を見たショウスケは何かに気づく。
「お前、そんな武器持ってるってことは例の異世界から来たんだな? 」
一方その頃、カフェに1人置き去りにされたメリアは頼んでいたアイスコーヒーを飲みながらスマホをいじっていた。
「 (よく分からないけど、あの大男も多分この世界の人間ではないわね。それにフードを被っていてよく見えなかったけど、人間ではなかった.. ショウスケ大丈夫かな.. ) 」
メリアが内心、ショウスケを心配していると、ショウスケがカフェに戻ってくる。
「ちょっと、外の空気吸ってきたわ! 」
腕を伸ばし、何事も無かったかのように席に着く。そんな、ショウスケにメリアは
「さっきの男の人はどうしたの? 」
「ああ、あいつ? 俺の知り合いでさ、1分ぐらいで話ついたからあの人なら帰ったよ。あとカフェきたばっかで悪いんだけど、場所いどうしない? 」
ショウスケの急な提案に少し戸惑うメリアだったが、2人はカフェを出て少し歩いた距離にある公園へ移動する。
2人は公園のベンチに座り、ようやく本題を進める。
「よし、ここならあんまり人いないし、話を進めても大丈夫そうだな。 」
「改めまして、って何回も改めてるけど俺はショウスケ。君と同じく異世界からやってきた元勇者の日本人だ! 本題ってのは例の世界で起きている亜人戦争のことなんだけど.. 」
『亜人戦争』というワードを聞いたメリアは表情を変える。
「君の表情を見た限りだと、この『亜人戦争』のことは既に知っているようだね。この『亜人戦争』が起きた世界の名は サブインロスト。 」
『亜人戦争』が起きた世界、サブインロストでは亜人と人間の間での争いが絶えなかった。そんな中、紛争が絶えない世界に嫌気をさしたのがのエルフ一族であった。この世界のエルフ一族はとてつもなく魔力が高い種族で他の亜人種族からも尊敬されていた。エルフ一族は他の亜人種族たちをまとめあげ、一つの大きな国を作った。そしてその亜人の国を作り上げたエルフ一族は人間側にある提案をする。
1つ目は人間側も亜人種族たちが大きな国にまとめたように人間側も同じく一つの国をつくること。
2つ目はお互いに争いを止めること。
そして、最後はお互いの国にこれ以上干渉をしないこと。
人間側はこの3つの提案を受け入れ、
サブインロストではエルフが統括する亜人の国と人間が統治する大きな国が2つが誕生する。この2つの国ができてからは、争いは無くなる。そして、サブインロストは人間の世界と亜人の世界におよそ200年の間この2つの世界が交わることが決してなかった。
しかし、208年後ある事件が起きる。エルフ族の国王が人間側の世界に対して突然宣戦布告をしてきた。そこから208年間交わることのなかった2つの世界が再び”ある事件”によって交わることとなる。
”ある事件”とは突如エルフ一族は人間側の世界に攻めこんできたことだ。
エルフ一族たちは膨大な魔力で人間達を窮地に追い込む。窮地に追い込まれた人間達は異世界からこのエルフ達の襲撃を終わらせるために勇者を召喚をすることを決める。しかし、その召喚には膨大な魔力が必要だった。この世界の人間たちにもある程度の魔力はあったが、召喚するために膨大の魔力んおおよそ1000分の1にも満たないものだった。そして膨大の魔力の消費は人間達にとって更なる大きな犠牲を要するものだった。
そこで人間側は2人のエルフを生け捕りにすることをに成功する。この2人のエルフは膨大な魔力を保有し、異世界の人間を召喚しても、お釣りが返ってくるほどの膨大な魔力だった。人間達はこのエルフ達に異世界から人間を召喚させ、無事に異世界人を召喚することに成功する。
2人のエルフの残りの魔力をこの異世界人に与え、人間達は彼を異世界からの勇者と呼ぶようになる。
「んで、その長いあらすじの最後に出てきた異世界の勇者がこの俺、ショウスケってわけ。 」