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僕の義妹はハーフエルフ  作者: K
第1章
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第6話 元勇者の日本人


時間はユミリアの夏休み前に遡る。


メリアは仕事を終え、スーパーで買った惣菜の入った袋を片手にアパートへ向かう。メリアの住んでいるアパートは1LDKの一般的なごく普通のアパート。都心からも近くなので一ヶ月の家賃は7万円とアパートにしては少し割高だ。メリアはこの2階建てのアパートの2階の201号室を借りている。


メリアがアパートに着くとグレーのフードを被った怪しげな男が目の前に立っている。メリアはそのまま男を無視して階段を上ろうとするが、フードを被った男が、


「ちょっとそこのお姉さん話があるんだけどいいかな? 」


いきなり知らない男に話しかけられる。


メリアは黙ってそのまま階段を上る。


すると、男が、


「あんた、近所のハーフエルフの子知ってるんだろ? 」


"ハーフエルフ"、その言葉に一瞬耳を傾けるがメリアは頭のおかしい人だと思いドアの鍵を開ける。


男は続けて発言する。


「あんたもそのハーフエルフの子と一緒に別の世界から来たんだろ? 確かあんた元の世界では大聖霊メリアって呼ばれてたんだっけ? 」


メリアは部屋に入るのを止め、男に


「私に話しかけてるんですか? さっきからあんまり変な事を喋るのでしたら警察呼びますよ? 」


すると男は慌てて態度を変え、


「メリアさんですよね? えっとそのー 内宮広祐さんと知り合いの」


内宮広祐の名前を聞いたメリアは一度部屋に入る。携帯を片手に110番を押す。だが、何故あの男がユミリアとメリアの正体を知っているのか。更に最後に口にした優也とユミリアの父広祐を知っているのか。


メリアは一度荷物を置き通報をするのを止め、男と落ち着いて一度話をすることにした。玄関の戸締まりを閉め、階段を降り、男と話をする。


「貴男、広祐さんと知り合いなの? 」


「あっはい! 内宮さんとは前にLAに行ったときに.. 」


男も同じく別の世界から来た人でこの世界での名前はショウスケと名乗っている。ショウスケは以前ロサンゼルスに留学した時に広祐と出会ったそうだ。


ショウスケは被っていたフードをおろし、顔見せる。ショウスケは優也と同じ位の年頃の若い顔立ちをしている。


「ショウスケくん? いやショウスケさん? とりあえず私、明日も仕事だから今度その要件についてはその時にゆっくり話しましょう。」


お互いに連絡先を交換してショウスケは去っていった。


ショウスケと初めて会ってから何だかんだで来週の土曜日に近所の喫茶店で落合うことにする。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


約束の土曜日。時刻はお昼を少し過ぎた時間帯だった。土曜日ということもあり店内は少し賑わっていた。


2人は待ち合わせ場所の喫茶店に入り、アイスコーヒーを頼んでから席につき、ショウスケとメリアは本題に入る。


「んで、ショウスケ。 あなたは私と広祐さんが異世界から来たってことを知っていて伝えたい用件があるみたいね。異世界から来たって言うにはあなたみたところこの世界の人間とあまり変わらないみたいだけど? まず、あなたの自己紹介をして。」


「改めてまして、 ショウスケです。この世界では一応大学生やってます。今年で4年目だから卒論と就活キツくて.. 」


「4年生ってことは22歳? じゃあ、優也とは2個上か。」


後ろの髪をショウスケは少しかき、


「いや、今年で23歳っす。1年浪人してたらしいんで。まあ、そこらへんの事情は結構ややこしいんでとりあえず今はパスで。」


メリアは続けてショウスケに質問する。


「一応聞くけど、元の世界では何をしていたの? 」


ショウスケは急に表情を変え、


「勇者さ.. 」


と小声でメリアにささやく。


ショウスケの目をそらしつつ、


「勇者だったのね..  凄いわね.. 」


そんなメリアを見たショウスケは、


「ええ、この展開、普通大聖霊ってか異世界の人なら驚くところでしょ! ショウスケ君 勇者だったの! すごいわあー! とかリアクションとるでしょ! それでここから恋に落ちてついには結ばれる的な! あれ? 俺が間違ってた? メリアさん、冒険者風の世界から来たんだよね!? それにメリアさん天使とのハーフって聞いたよ! 天使のハーフってこんな冷たいの? 」


冷たい対応をするにもメリアはこの現代社会で暮らし始めてずいぶんと時間が経っている。それにともないメリアもこの現代社会での常識や考え方を身にもって学んだろう。しかし、もし仮にここが喫茶店ではなく冒険者風の異世界だったとしてもメリアはおそらくショウスケに引いていただろう。


「あんまり、大きな声で天使とのハーフとか言わないで。恥ずかしいから。」


ショウスケは少し騒いだせいか、他の客はショウスケとメリアに注目がいっていた。


すると1人の大柄な男が2人に近づいてきた。


「ほーう、ここにいたのか ショウスケ。 」


















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