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好き

作者: sorairo

 私は好きが分からない。

今まで好きな人はいたけれど、それが本当の好きだったのか分からない。

好きな人。見かけるだけでうれしくて、一緒にいるだけで楽しくて、お話しするだけでとても幸せになる。特別な存在。

でも、付き合いたいとは思わない。手を繋いだりキスしたり……。そういう感情は抱かない。

これは好きとは言はないのでしょうか。好きって何ですか?


***


 高校1年生。その当時で1番好きな人に出会った。

その人は同じ部活でとても面白い人。少し抜けてるところもあったけど、そこが可愛いと私はそう思えた。

最初はただの友達だったはずなのに、日に日に彼の存在は私の中で大きくなっていった。

そのような関係が続き、高校2年生になった。

告白したいと思った。

私の中で彼に対する気持ちをはっきりさせることで整理したいと思った。

でも、直接言う勇気はない。

だから、LINEで言うことにした。

結果はダメだった。

薄々わかっていた。私たちはそういう関係ではないと。だから最後にこう言った。

「これからも友達でいようね」

その一言から、私たちは変わった。

告白する前より仲良くなった。お互いに告白する前の友達に近づけるために必死だった。

彼は優しいから、『これからも友達でいようね』私のその一言を守ってくれたのだ。

そんなもの本物とは呼べないのに、私はその虚像にしがみついていた。

でも、こうして一緒にいることが何よりも幸せな時間だったことは嘘ではなかった。

だからこそ、この虚像を本物かのように捉えて大事にしてしまった。

そしてそれを今も大事にしている。


***


 現在。大学4年生。私の中でもう1つ大事なものができた。

出会ったのは大学1年生の入学式だった。正直、その時の印象はない。

深くかかわるようになったのは実験の時間だった。私と彼は実験のペアになった。

これをきっかけに話すようになり、お互いのことが分かり、趣味も同じという共通点も見つけた。

だからだろうか、仲良くなるのに時間はかからなかった。

でも、心のどこかで引っかかっていた。

彼は優しすぎる。

あの人に似てる。

私のお願いを嫌と言わない。

少し傷つけてしまったときも『気にしてないよ』と。

2人きりのお出かけも引き受けて、終電まで付き合ってくれて、家は駅の目の前なのに家まで送ってくれる。

そんなの、ずるいよ。

優しすぎるよ。

何でそこまでするの?

嫌ならいやって言ってよ。

こんなことされたら……。

でも、違うのは分かってる。友達だよ。彼にとって私は友達の1人。

きっとそれは私にとっても。これは、好きとは違う何か。

やはり、付き合いたいとは思わない。

でも、今、無償に会いたいのはなんで?

また一緒にお出かけしたいと思ってるのはなんで?

分かんないよ。


***


 『好き』

その言葉の中に込める思いが私には分からない。

そして、今、私が彼に抱く思いの答えも分からない。

答えが欲しい。

でも、きっとその答えは見つからない。


 だから私は、彼に『  』と言えない。


これは小説というよりか、今の私の気持ちを素直に文字に起こしたものです。心の優しい方、私に好きを教えてください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 『私』の内面がシンプルで的確な言葉で描き出されていて、その迷いや不安がよく伝わってきます [一言] 恋愛相談などとは柄ではありませんが、作品を読む限りでは『私』は彼を深く愛しているように思…
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