真実
時は巻き戻り、ここは軍本部第七小隊の部屋。
「おはよう、皆。」
皆は、ロゼに元気が無いのにきずく。
「やっぱり、何かあったのか?」
ロイは、気遣うように言ってコーヒーカップをロゼに渡し椅子に座ると皆してロゼを見る。
「うん。というか、見てて心が痛かった。」
「……、同じ歳の息子が居る俺としては聞き捨てならないな。どうしたんだ?」
「今のファイは、たぶん心が壊れてる。周りにいろいろ押し付けられて、耐えられなくてもう夢を見ることもかなえようとする事さえ止めてしまってる。極めつきは、あの歳で嘘をつく事を覚えてしまってる。自分を、偽ることをして苦しいのに楽しいって笑うんだよね。」
思わず、皆は青ざめて黙り込む。それは、ロイも同じで徐々に怒りの表情に変わる。
「あいつら……。」
「会ったとき、ファイが纏っていた雰囲気は酷く醒めていて冷たく悲しいものだった。」
ポツリと、感情を抑えるように言う。
「子供の纏う雰囲気じゃないだろそれ。」
静かに頷く。それに、近所の人々は優しいか聞いたときの反応を思い出す。
「それに、近所の人々は優しいか聞いたらあきらかに動揺した。これで、分かることと言えば。」
「あいつら、ファイに何かしやがったな。」
「おそらくね。だから、仕事の合間に調べようと思ってね。あと、ロイはトイヤ村に住んでいるんだよね。そこに、引っ越しした。」
「そっか、なら安心だな。俺の息子のレンもいるし。近い歳の子供達もたくさんいる。」
「だと良いけど、もともとコミュニケーションは僕もあの子も苦手だからね。」
苦笑交じりに、コーヒーを飲む。
「まぁ、大丈夫じゃねえかな。」
「そうかな。」
「それなら、たまに2人で見に行けば良い。仕事なら、俺達でもできる。その歳の子は、デリケートで壊れやすい。そばにいるべきだ。」
書類をずっと書いていた、パイルが言う。
「そうだね。せめて、前みたいに笑えるようにはなって欲しいけど……。」
「大丈夫だ。子供は、壊れやすいがそれを乗り越えた時にまた強くなれるものだ。3人息子の居る俺が、保証してやる。」
ロゼは、その言葉に笑みを浮かべ心から感謝して礼を言う。まわりも、少しホッとする。
仕事の合間……。
ロゼは、言葉を失っていた。自分の息子がまさか近所の人々からいじめを受けてたなんて。言葉だけじゃない……。暴力や嫌がらせもだ。なのに、あの子は笑って……いや、笑うフリをしてたのだろう。頭にくる。不愉快だ……。
「ロゼ、次の書類って……どうした?」
あきらかに、不愉快そうに書類を見るロゼを皆が見る。ロゼは、ハッとしてロイを見る。
「ごめん、次の書類だね。」
「ちょと見せろ。」
ぱっと、ロゼから書類を取り目を通す。その書類を見て、ロイから表情が消えた。
「何だこれ……。」
「仕事の合間に調べるって言ったでしょ?」
これが、僕のいない間に彼に起こった事だ。と、言外に告げる。心が痛かった……。