黒髪の少女
日本人?少女は、家に帰してとか自由になりたいとか精神的苦痛でパニックを起こしていた。
「おい、落ち着け。」
「これじゃ、話しどころじゃねぇな。」
ため息をつく。僕は、覚悟を決めて久しぶりに日本語で優しく少女に声をかけた。
『おはよう。大丈夫、俺達はただ話したいだけだ。怖い思いさせて悪かった……。』
すると、少女は大人しくなり僕を見る。
『あなたも、異世界人なの?』
『違う。前世が、異世界人だったんだ。』
僕が、異世界人と同じ言葉をしゃべったのを見て全員が驚く。誰かが、ファイに声をかけようとして止められる。時間がたつにつれ、少女は落ち着いて座る。僕は、ため息をつく。
「さて、聞きたい事がたくさんあるがお前は誰だ。本当に、ファイなのか?」
「そうですよ。僕は、前世の記憶があるんです。前世は、彼女と同じ異世界人でした。」
全員が驚き、その場にざわめきが起こる。
「なるほど。あの武器は、異世界の武器なのか。最悪だな。でっ、あの武器の名は?」
「瓶の方が、火炎瓶。丸いのが、手榴弾です。」
沈黙する。そして、ロゼが真剣に言う。
「なんで、打ち明ける気になったの?」
「彼女と話して、次に作られる武器を知り防がなければと思ったからです。」
シーンとなる。あぁ、変な目で見られてるな。仕方ない、諦めようかな。
「なるほどね、嘘じゃない。むしろ、信じてもらえない事を予想してもいたんだ。」
「なぁ、その2つの武器は異世界では有名なのか?と言うか、使われてたのか?」
僕は、キョトンとなってしまう。レンは、後ろで笑いをこらえているのが分かる。
「んっ、どうしたんだ?」
「いや、まさか本当に信じてくれるとは思わなかったので。それに、気持ち悪がられると……。」
おずおずと、言葉を話す。シーン……。
「でも、ファイはそうなるのを覚悟で話した。」
「あぁ、すげー覚悟だと思うぜ。」
「少なくとも、君の覚悟で少しは犠牲者が減るんだからね。ラッキーだったよ。」
まだ、不安はある。でも、言わなければ……。
「ありがとうございます。」
「コッチの台詞だぜ。」
理解してくれる人は笑う。
「なら、異世界の武器の情報を全部吐かせれば良いのでは?そうすれば、我らも勝てる。」
きたよ。僕を、使い殺しにしようとする奴。
「それは、お断りします。」
「何故だ!もしや、我らを裏切る気か。」
「もし、知りすぎればたぶん消されますよ?」
冷たい声で、突き放すように言う。
「誰に、消されるの?」
ロゼが、真剣にこちらを見て言う。
「僕をこの世界に転生させた、神様に……。」
それは、予感だった。でも、当たる気がする。
「ふんっ、馬鹿らしい……」
「それに、無理に引き出そうとしたら自殺する覚悟なので。そのつもりで、よろしくお願いします。皆さんに、栄光あれ。」
素っ気なく言う。少女は、暇なのか話しかけてきた。僕は、苦笑しながら答える。
『ねぇ、通訳さん居ない?』
『残念だけど、この世界でこの言葉を理解出来るのはほんの少しだけでね。無理だ。』
『お腹すいたぁー、何か食べたい。』
『僕に、言われてもな……。』
みんな、会話を静かに聞いている。
「彼女は何て?」
「通訳さんが欲しい。あと、お腹すいたらしいです。何か食べさせろと言ってます。」
素っ気なく呟き、時計を見る。時間的、朝ごはんの時間だ。みんな、取りあえず引くことにする。
「あれ、ごはんたべないのか?」
「食欲が無いんだ。」
そう言うと、机に突っ伏す。
「まぁ、そっとしとくか……。いや、彼女の通訳して貰わないと。食わなくても良いから。」
ファイは、渋々頷き返し席を立つ。さっきから、あの子がわめくのが聞こえたからだ。さて、神様はどうするんだろうか?




